第147話 のんびりした1日(2)

 我が家で朝風呂を堪能した夏希。


 朝食を終えた4人はリビングのラグマットに置いてあるクッションに座り寛いでいる。丸テーブルには各々が持ってきたお菓子と飲み物を置き、そのお菓子をツマミながら話をしていた。


「1日の使用限度金額の金貨30枚を家の備品に6枚、各自の部屋の設備に金貨8枚ずつに決めて今日で2日目になるが問題ないか?」


 夏希は2人に問い掛けた。


「そうじゃな、全く問題ないのじゃ。この間の森で狩りをした時の配当が金貨100枚じゃが、全部使わなくても十分素敵な部屋になってきておるぞ」


「問題ない」


(それなら他の空いてる部屋にもベッドとか揃えていくかな。あと必要な物はなんだろ?)


「それじゃあ、個人の1日の使用限度金額を明後日から金貨3枚にして、残りの金貨21枚を他の部屋やこの1階の部屋の備品購入にするよ?」


 2人は問題ないと頷く。


「あと、なにか家の事で困ってる事はあるか?」


「特に無いぞ。お風呂のお湯は夏希とワレが出せるし、食事は夏希と真冬が出来る。ガイモ君も居るしな。洗濯は3人がクリーンを使えるから不要じゃ。ああ、2階に水回りが欲しいぐらいかの」


 そうなのだ。今の生活でも、さほど不便さを感じないのだ。簡単に纏めるとこうだ。


 1.食事は魔道具のキッチンがあり、ガイモ君で材料などの購入や保管も出来る。


 2.洗濯は衣服に生活魔法のクリーンを掛ければ洗濯する必要がない。(村人達はクリーンが使えないから、中央広場奥にある洗い場で洗濯している)


 3.トイレはボットン便所だが、スライム式浄化槽になっているので汲み取る必要は無いし匂いも少ない。(ハーブなどを芳香剤として置いてたりする)

 ただ、2階からボットンする事は無理なので、2階にはトイレが無い。あと、トイレ用の紙は普通にある。


 4.この村には下水道とスライム処理場があり、生活汚水などの垂れ流しは無い。(凄いよね)


 だから贅沢を言わなければ普通に生活出来るのだ。


「2階の水回りは考えてみるよ。真冬はアンデルの街で暮らしていた時と比べてみて何かあるか?」


 真冬は鼎達と暮らしていた時を思い出す。


「こっちの方が暮らしやすい。ネットスキルがある。モフモフもたくさん居る」


(モフモフは置いといて、問題ないみたいだな)


「それなら良かった。じゃあ、気が付いたら整備していくことで問題ないな」


 夏希は問題が無い事に安堵する。


「あ! シルバーの家」


(そうだった!シルバーを放置したままだ)


「シルバーなら村の人達に可愛がられてるから大丈夫なの。昨日はルルちゃんのお家でご飯を食べて納屋で寝てたよ。その前はネネおばちゃんのお家だったよ」


「俺達シルバーにご飯をあげてなかったな……」


「あとでシルバーに謝るのじゃ」


「すまん シルバー」


「ふふふ、シルバーは「ヒョホー」って嬉しそうに鳴きながら毎日村の中を歩き回ってるの」


「さすがシルバーだな。そのうち立派なお家を作ってやるからな。今はその調子で頑張ってくれ」


 夏希は他力本願であった。


「それじゃあ、問題なしと言うことで、今日はのんびりしようぜ」


「夏希のそのお気楽な性格は凄いのじゃ」


「そんなに誉めるなよ。照れちゃうよ」


「はぁ………なのじゃ」


 その後は、皆で遊べる双六やトランプで楽しむ4人だった。そして時間はお昼になった。


「さて、昼からはなにをしようかな?」




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