第100話 幕間 乙女騎士団の領主お宅訪問(1)
私達は冒険者ギルド所属のDランク乙女騎士団。
今はスタンピードの防衛戦から数日後。
今日も乙女騎士団はギルドに行く。
ギルドである程度人気者だった乙女騎士団であったが、スタンピードの後はその人気が二分した。
「ランクに似合わない強さを持った可愛い女の子冒険者達」と「本当はそこまで強くないのに運が良かったんだ」と、この2つだ。
(まあ、どっちでもいいんだけどね)
なのでギルドに行くと私達は偶に絡まれる。
「おいおい、ランクDが偉そうに歩いてるぞ。先輩に挨拶ぐらいしろよな。ああん?」
(なにその「ああん?」って…悶えてるの?)
「 雷撃 弱 」
「あばばばばば…」
絡んできた冒険者は床に倒れたのであった。
「峰打ちだ」
「「 いやいや、それ痺れて失神してるんだよ!」」
「「魔法に峰打ちはねえよ!」」
見ていた冒険者達が各々に叫んでいる。
「………」
真冬はそのまま何事も無かった様に通り過ぎた。
「「 何か喋れよ!行くなよ!」」
「はぁ、もう面倒よね。あっ、シルビアさんおはよう。何かいい依頼ありますか?」
鼎は「チラッ」と見てそのまま過ぎて行く。残りの2人も後を付いていく。
「「 お前らもか!放置すんなよ!」」
見ていた冒険者達がため息を付きながら倒れた冒険者を外まで運んでいた。
「あの…ありがとうございます。皆さんお礼にエール飲んでくださいね」
「「 雫ちゃん、ありがと!」」
雫に弱い冒険者達であった。
絡んでくるのはスタンピードの防衛戦時、この街に居なかった冒険者達である。
「あまり派手にやらないでくださいね」
「シルビアさん、私達からは何もしてないわ。あの「ああん?」野郎が絡んできたのよ。それより何か面白い依頼は無いんですか?」
「面白いって…今はスタンピードの影響で素材が溢れて値が下がっていてお勧めは難しいですね。他の皆様も防衛戦に参加された方は結構な金額を貰ってますので依頼を受けずのんびりしてますよ」
乙女騎士団も同じく結構な金額を貰っている。
「ああ、そう言えば乙女騎士団の皆さんは領主に呼ばれてると聞いてますがもう行かれましたか?」
4人の表情は歪んでいる。
「あの…面倒なので…無視してます…」
とても小さな声で話す鼎。
「え?無視って…」
シルビアは驚き持っていた書類が散らばった。
「な、何故無視してるんですか?領主はこの街のトップですよ。判ってるんですか?」
シルビア静かなる激怒…
「理由を教えてください?り・ゆ・う・を!」
シルビアは噴火する。
「まぁまぁ、シルビアさん落ち着いて」
鼎は鎮火作業をする。
「はぁ?」
鼎は鎮火作業を失敗した…
「ふぅ、取り乱してごめんなさい。たぶん「上流貴族は面倒だ」なんて思ってるんですよね」
シルビアは自然鎮火した。
「シルビアさん、それビンゴ!」
「ふがぁー!鼎さん!」
鼎の追火で再噴火だ。
「シルビアさん、ごめんなさーい」
4人は撤退した。
キルドを小走りで後にした乙女騎士団であった。
「ちょっと機嫌悪かったね、シルビアさん」
「「 それはあなたのせいでしょ! 」」
桜と雫は突っ込んだ。
「なんか疲れたから政宗さんの店でお茶でも飲もうよ。領主の事も相談するわよ」
通常運転の鼎であった。
乙女騎士団は政宗の店に向かうのであった。
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