第85話 幕間 闇の幼女
ワレは己の全てを漆黒に塗り潰した存在。
天界から堕ちて何度生命の入れ替りが起きたかも判らないくらい森の中をただ漂っていた。
眠った様に何も感じる事もなく…
ある時、そんなワレにでも感じさせるような黒い魂を持った人間が現れた。
(この人間の魂はワレのようだな…)
だが、この男はワレとは違った。
心が壊れ魂が黒く染まっているが、その男の目は死んでいなかった。生きる事を諦めてはいない目をしていたのじゃ。
(ワレはこの男の未来を見てみたい)
ワレはこの男の影に入り付いていく事にした。
ワレは影から見るだけのつもりだったが、いつの間にか影から出て一緒に居る時間が増えていった。
まだ出会ってから僅かの日数だ。
それでもワレはこの男と居ることを楽しみ、このまま一緒に居たいと感じさせる。
この男はワレに名前を付けその意味を言った。
「再び、幸せが訪れる。」
(これがワレの名前の意味…)
ワレの中に小さな何かが芽生えた。
この男はこれから困難な事にも出会うだろう。
ワレはその手助けをしてやろう。
この男を幸せにする為に。
ワレも一緒に居たい為に。
ワレの名前は夏希が付けてくれた「スズラン」じゃ。
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