第26話 幕間 乙女騎士団お風呂での休息(1)
バルバドス王国の西にある人口30000人の比較的大きな街アンデルで冒険者を始めた乙女騎士団。
今日も森で魔物を討伐し、なかなかの戦果を上げた4人は夕方街に戻って来た。
鼎は屋台で買った肉串を食べながら歩いている。
「今日はゴブリンが26匹とオークが6頭ね。討伐報償金はゴブリンが1匹銀貨5枚でオークが1頭金貨2枚だったわよね。オークは肉が1頭金貨4枚で売れるからいいけどゴブリンは駄目ね。臭いし…」
日本円にすると、26x2715;5000円+6×(20000円+40000円)で計490,000円となる。(1人122,500円だ)
これは中堅クラスの稼ぎで討伐後は2日ほど休息を取るのが一般的だ。(日当約40,000円だな)
「ゴブリンもオークも凄い興奮して襲ってくるから違う意味で怖いよ~。雫は怖くないの?」
「桜さん、私も人型は苦手ですよ」
「でもオークは体が大きいから肉の買取り単価が安くても結構なお金になるからいいね。運搬も鼎のアイテムボックスがあるしね~」
「手ぶらは楽」
「真冬の雷撃があるからオークの肉は最高品質で高く売れるしね。あと影縛りも凄いよね!安全に討伐できるわ。さすが忍びスキルね!」
「忍びは最強」
4人は賑やかに話ながらギルドに向かうのであった。
ギルドに来た4人はそのまま受付に向かった。
「シルビアさん、帰って来たよ~」
「鼎さん、皆さんお帰りなさい。今日もたくさん討伐してきたんですか?」
シルビアは24才でメリハリあるスタイルの大人な女性である。(ギルドでNo.1の受付嬢だ)
「ゴブリン26匹とオーク6頭だよ。オークはこの後、処理場へ持って行くね」
「鼎さん達が持って帰るオークの肉は品質が高いと商人ギルドに人気なんですよ。精算しますので皆さんギルドカードの提出をお願いしますね」
4人はそれぞれ首に掛けているドッグタグタイプのギルドカードをシルビアさんに渡した。ドッグタグの色は冒険者ランクで決まっており、ランクはF~Sまである。
4人は先日上がってDランクになっている。
「では、いつも通りパーティー資金と4人で5等分してカードに入金しておきますね」
「カードに預金出来るから安全で楽だね。たくさん持って歩くと危ないし重たいからね」
「最近気温が高くなってきたから汗で気持ち悪いよ。早く終わらせてお風呂行こうよ~」
「私も早く入りたいです」
「シルビアさん受付ありがとうございました」
「いえいえ、今日はお疲れ様でした」
4人は受付を後にして処理場でオークを渡すとギルドを出て隣のお風呂屋に向かった。
バルバドス王国では、お風呂は一般家庭にはあまり普及していない。コストが高い事が一番の要因だ。持っているのは上級家庭からになる。
一般家庭はお湯で体を拭くか街にある共同浴場を使っている。ギルド横にある共同浴場はほぼ冒険者専用になっている。
これは国が進めている「街の清潔化」の政策の1つで、汚れたまま街を歩くと美観、匂い、衛生面に影響がある為に、ギルドの依頼を完了した後の入浴を義務化している。このギルド横の共同浴場はギルド管轄で、冒険者は通常の1/3の値段で入る事が出来るのだ。
「鼎、なに1人でブツブツ言ってるの?ちょっと怖いよ…」
「いや、読者に説明を…」
「お姉ちゃん、#偶__たま__#におかしくなるね…」
「いつもおかしい」
「みんなひど~い(涙)」
4人はギルドを出て共同浴場に向かうのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます