親と子 #1
家族には様々な形がある。
自分が持つそれ以外の「家族像」を知る機会が増えた今、昔に比べて、それがより常識になりつつあるように思う。
私の家族は、いわゆる「幸せな家族像」に近い。
両親は仲が良く、父は定年まで公職を勤め上げ、母はいつも優しかった。そして私も、反抗期はあったが、2人の子どもらしい子どもだったと思う。
自分の人生において「家族」は重要なテーマだと認識しているので、このエッセイにもナンバリングしているのだが、私は大好きな家族のことを「他人」だと強く意識するようにしている。
そのきっかけになったのは、私の祖父と母だ。
2人は親子であるが、現在に至るまで7年以上交流はない。
長年「なにか」が積み重なり、燻っていたそれが爆発したのだろうし、その状態に至るまでの経緯は、2人にしか分からないこともあるとは思う。
だが、その状態に至るまで「仲が良い」親子だという認識しかなかった私にとって、2人が「絶縁」を選択したということは衝撃的な事実だった。
当時は間を取り持とうとしたり、悪あがきを繰り返していたが、今はもう好きにしたらいいと思っている。
それは「諦め」とか、後ろ向きなものではない。
自分が影響できない範囲というものを正しく認識した結果である。
そして同時に、「家族も他人である」という重要なテーマを得た。
家族に対しては、つい甘えてしまったり、素の状態を見せすぎたり、相手のそれらを許容するしかないと思ってしまう。
それは悪いことではないのだが、一定の距離を保ちつつ「仲の良い友人」「信頼する大人」として接するようになってからは、より関係を上手く保てるようになった。
これからも私の人生における大事なテーマの一つとして、「家族」と向き合っていきたい。
鴨の羽
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