【KAC202211】一個目 お題「日記」恐怖の日記
テリヤキサンド
恐怖の日記
それは興味本位だった。
友達の部屋に遊びに来た時、その友達がコンビニに買い物に向かった。
部屋の中で何もすることなく、時間つぶしのために本棚、机を見ていた時に見つけたのだ。
一冊の日記を。
SNSが主流の世の中で日記を書く。
自分だったら、絶対に三日坊主になるだろうなと思う。
悪いかなと思いつつ、気になった俺は日記を開く。
「〇月〇日
今日から日記を書くことにする。
とは言ったものの、書くことなんてそんなにない。
うーん、書くとこが大切だからな、これでいいか。」
うん、先行き不安な書き出しだな。
次のページを見てみる。
「〇月×日
部屋に入ると何か違和感を感じる。
特に部屋の隅、影の部分。
ときおり、背中にゾクッと感じる。」
雲行きが怪しくなってきた。
よし、次。
「〇月▽日
夜、ふと目が覚めると昼感じた違和感が強くなったのを感じる。
目で部屋中を見渡してみるが、暗闇のせいで、何も見えない。
枕元にあるリモコンを手に取ろうとした時に手に何かが当たる。
一気に眠気がなくなり、そのまま飛び起きた。
枕元に何かがいると思い、布団から距離をとり、入口の電気を付けにいく。
が、その時、足に何かがつくのを感じた。
その感触に驚いた時、足がもつれ、入口の壁へ頭を打ち付ける。
次に目を開けたのは明け方のことだった。」
今回は随分と書いている。
そうとう怖かったんだな。
その次からのページからも夜眠るのが怖い、目を開けるのか怖いなどの恐怖体験がつづられている。
そして、俺は書いてある中での一番新しいページを開く。
「〇月◇日
今日はあいつが遊びに来る日だ。
この部屋で起きたことは話すべきなんだろうか。
いや、不安にさせてはいけない。
秘密にしなければ・・・。
でも、気配はもうそこまできている。
振り向いたら、そこにいるだろう・・・。」
俺はそこまで見るとおそるおそる、後ろを振り向く。
「ただいま」
「オ・カ・エ・リ」
「お、おう、どうしたんだよ?」
「お前さ、わかってたんだろう?」
「何がさ?」
「しらばっくれても無駄さ。」
俺は例の日記を手渡す。
「あ、見られちゃったか。」
「ああ、見たよ。」
「で、感想は?」
「裏を見ればわかるよ。」
「裏?」
日記を裏返す。
そこにあったものは・・・。
「ぎゃああああああああああああ!」
「そんなもん書いてる暇があったら、道具使ってやった方がいいだろうに。」
俺は日記の裏についたGに悲鳴をあげているのを見てほくそ笑んだ。
【KAC202211】一個目 お題「日記」恐怖の日記 テリヤキサンド @teriyaki02a
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