第173話 誰か……

 痛い……呼吸が、くるし……い……息が吸えない……全身に痛みが走って……上手く吸えない……目も……身体が……俺は……もう……駄目なのか……。


「集塵くんっ! 集塵くんっ! やだーーっ!」


 五十嵐さんの声が……ぼんやりと遠くに聞こえる……無事だったんだな……良かった……。


「誰かー! 誰か救急車をっ!」


 ――おい! 男性がトラックにかれたみたいだ! 誰か救急車を呼べ!


 何だか……騒がし……ゴホッ……うぅ……。


「集塵くん、死んじゃ嫌だよ」


 ――パチンッ! パチンッ!


「きゃっ! なにっ! 丸い光がっ!」


 ――パチンッ! バシュッ!


「集塵ーーーーっ!」


「銀髪ちゃんっ!?」


「集塵! しっかりしろ! 大丈夫か!」


 銀髪……なのか……うぐっ……駄目だ……全身動かねぇ……なんだか……もう……。


「銀髪ちゃん! 駄目! 動かしちゃ! 今、救急車がくるから!」


「離せ! この星の技術じゃ無理だ! このままじゃ集塵は死ぬっ!」


「でもっ!」


 ああ……俺……死ぬんだな……。


「集塵! 戻るぞ! 一瞬だ!」



 銀髪……。

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