第3話 お仕置き

はぁはぁ、疲れた。あの2人、ずっと僕に質問してきて休む暇なんて一瞬もなかったからね。


それにしても、まさか清水さんとまた会うことになるなんて、思いもしなかったな。


「あ!夜歌!」


そうだった...まだお姉ちゃんがいたんだった。


「どうしたの?夜歌?」


「な、なんでもないよ」


「いいえ、嘘ね」


えっ!なんで分かったの!


「ふふん!お姉ちゃんには夜歌の考えてることなんて手を取るように分かるんだからね!」


「ぐぬぬ」


「ほら!吐きなさい!」


「ひ、引っ付いてこないでよー!」


お姉ちゃんのいい匂いがするから!


「ッ!」


「どうしたの?」


「ねぇ、夜歌...」


「な、なに?」


「どうして夜歌の体から2人もの女性の匂いがするのかな?」


お姉ちゃんの目のハイライトが心なしか消えてるような...


「そ、それはね...」


ヤバい、言い訳が全く思いつかない


「そっかー、お姉ちゃんの言いつけを破っちゃったんだー」


「い、言いつけ?」


「そうだよー、いつも言ってるよね···”浮気したらダメだぞ!”って」


言われてみれば言われてるけど、


「ぼ、僕とお姉ちゃんは付き合ってないよね!だから、浮気じゃないよ!」


「夜歌は浮気しただけじゃなくてお姉ちゃんと付き合ってないなんて言うんだ...へぇー」


なんかいつもの朝以上にお姉ちゃんから怖い感じがするんだけど...


「お仕置だね!夜歌」


「お、お仕置!?」


「そうだよ」


ど、どうしたらいいんだ...


「ほら、帰ろう...夜歌」


「う、うん」



◇◇◇

おかしいよね、だって帰り道でお姉ちゃんが1回も僕に話しかけないなんてこと、今までなかったのに...


「ほら、入って夜歌」


「う、うん」


誰か助けてー!僕一体どうなっちゃうのー!


「夜歌、今日はお姉ちゃんのことをずっと構ってね......そうしたら許してあげる」


「わ、分かったよ」


それくらいですむならよかった


「じゃあ、まずは晩御飯かな!夜歌は何がいい?」


「お姉ちゃんが作るものならなんでもいいよ!」


「そっかー、夜歌はお姉ちゃんのことが好きだねー······じゃあ、ハンバーグ作ろうかな」


「うん!」


「じゃあ、お姉ちゃんは先にキッチンに行ってるから手を洗ったら来てね!」


「分かったよ!」


お姉ちゃんならもっと変なお願いをしてくると思ったけど、よかった。



ふふふ、夜歌···油断しちゃって、お仕置の本領発揮はこれからなのにね!



_____________________

あとがき

お仕置、一体どんなことをされるのやら......

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