陰気な魔術師と陽気な"自称"弟子の行く怪物退治の道

鐘鳴 樹

第0話 【プロローグ】

「ボクは!ボクはやったんだ!やっと見つけた!あぁ、これ程までに素晴らしいモノだったとは!」

その男は今が人生の最骨頂と言わんばかりに高らかに笑い、両腕を広げ天を仰いだ。

男の周りには殴り書きのような、読もうにも読めない文字が連なっている紙が沢山ばら撒かれている。

「先生!貴方がこれを求めていた理由が分かりました!コレさえ…コレさえあればボクは」


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唐突に男のセリフから始まり、ページが途中で破られその先が読めない奇怪な本だった。その先のページも汚れが酷く何も読めない。所々読めたとしてもせいぜい3文字、解読はできなかった。

「…とりあえず持ち帰ってからゆっくりと解読していくか。」

俺は本を懐へ入れて立ち上がろうとした。

「おいお前!危ないぞ!」

その言葉を聞いた時にはもう遅かった。俺の頭を激しい痛みを襲った。

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