世界最強の騎士は愛する人の為世界を敵に回す

マッソー!

第一章   目覚め

目覚め―①

アレスが目覚めたのは見知らぬ森の中だった。

「痛っ…」

体中が痛んだ。服もボロボロだ。


アレスは立ち上がる。

「ここからどうするかな。」


キャー!


誰かの悲鳴が森の中で響いた。

咄嗟にアレスの足は森の中に向かっていた。



拓けたところにつくと、金髪の女の子が十匹のゴブリンに襲われていた。

(金髪の女の子が一人でなんでこんな森の中にいるんだ?)

見れば相当なお金持ちなのか高そうな服を着ていた。


アレスは腰に差してあった剣を抜き

ゴブリンの首を刎ねた。


―瞬きをも許さぬ一閃。


ゴブリンは首が刎ねられたのにも気付かずに倒れた。


「大丈夫ですか?」

アレスは襲われていた女の子に手を差し伸べた。

(きれいな金髪、透き通るような碧眼。

間違いなく美少女の部類だな)

彼女は恐る恐るアレスの手を取る。


「助けていただきありがとうございます!私の名前はセレナ・ルナーです」

「俺の名前は…アレスです。アレス・リアム」

(記憶が曖昧だな…どうしたんだろう)


「アレスさんですね!繰り返しになりますが助けていただきありがとうございます!」

「気にしないでください。近くを通っただけです。」

「なにかお礼をさせて下さい!」

「いやお礼なんかはいいですよ。」

「そんなことは言わずに…」

セレナは離れようとした俺の腕を強引につかんだ。


「わかりました…それじゃここはどこですか?気づいたら森の中で倒れていたんです。

なんだか記憶も曖昧で…」

「ここはアナハラバロンの森です。聖コメリスシデュア国の近くにあります!」

(聖コメリスシデュア国…どこかで聞いたことがあるような…)


「セレナさんはなんでゴブリンなんかに襲われていたんだ?しかも一人で」

「家出したんですよ…お姉ちゃんを探すために…」

「そうだったですね。それでお姉さんはどちらに?」


セレナは言い難そうに言った。

「帝国に攫われました。」

(帝国?…これも聞いたことがあるような…)


「帝国ってなんですか?」

アレスは申し訳なさそうに聞いた。


「アレスさんは本当に記憶が曖昧なんですね…帝国とはエンパイア帝国という国で聖コメリスシデュア国と肩を並べる大国ですよ!」

「なるほど…ていうかセレナさん?結構なお金持ちですよね?」

「私の家は聖コメリスシデュア国四大貴族のルナー家ですから…」


アレスはそれを聞いた途端、反射的に膝を折っていた。


「や、やめてください!アレスさんは私の命の恩人なんですから!」

「—っ!ごめん。なぜか分からないけど反射的に行動してしまったよ。」


「それにしてもアレスさんは不思議な魔力を持っていますね。

銀色の魔力に…黒色と白色!なんて魔力なんですか!!」


急にセレナは声を上げた。

「どうしたんですかセレナさん!」

「アレンさん!あなたの魔力は凄いですよ!—っ!」


地響きが鳴り響く。


「あれは、ゴブリンの王!ゴブリンロードッ!」

「でかいですね…」

アレスが悠長なことを言っていると、


「何言ってるんですかアレスさん!あれはこの国の精鋭達が束にならないと勝てないような危険なモンスターですよ!」

「ふーん。そうなんですか…じゃあちょっくら倒してきますね。」


アレスは己の力量が全く分からなかったが、何故かゴブリンロードに勝てる気がした。


「受けてたつよ!ゴブリンロードッ!」




瞬間。大地が揺れた。






____________________________________

始まりました新しい話!

今回はしっかりと道筋を立てているので自信ありです!

毎日18:00に更新します!

お楽しみに!










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