お腹の中

 兄様の胃袋は、まるで母の子宮の様でした。安心するのです。生温い粘液に包まれた私は、どんどんと小さくなっていきます。兄様と私は、血のせいで繋がれない。だけども、同じにはなれる。私は光悦と安らぎを行ったりきたりしながら、兄様との思い出を思い出していました。

 兄様はきっと私を忘れる。

 それでも兄様と1つになれて、思い出ができて私は幸せなのです。

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