兄様と

ハマーヨーコ

日誌

私は、5歳のまだままならない頃、兄様に拾われました。要するに嫁いだのです。

兄様は常に、「君の子供が欲しい」と肩を掴んでおっしゃいました。そして、よく接吻してくださるのです。

私は、小さくして兄様と結婚することを約束してしまったのです。

たまに困った事が起きます。外の同い年の男児に好かれてしまうのです。

そういう時は、兄様が私に叱ります。「君には僕が居るんだから」と頬を打つのです。私はそのたびに反省し、ますます兄様が好きになりました。外でどれほど嫌われてもいずれ誰よりも早く兄様と結ばれるのだからと、心の中は奮い立っていました。

14の頃から私は焦りました。兄様と番いにならなければ、赤子が生まれません。

私はいつものように兄様に迫りますが、相手にしてくれません。

とうとう私は、赤子が欲しいために、外の叔父さまに迫りました。そして、私の友は去り、赤子と私だけ残りました。

16になりました。私と赤子は、兄様に食べられました。「鬼と人が結ばれるわけない」と嘲笑われながら。


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