第446話
目が覚めるとそこは空の上でした。いや何言ってるか分からんと思うがそう言う事しか出来ない。だって俺の体、宙に浮いちゃってるんだもの。
『なっなんじゃぁこりゃぁぁぁぁぁ!!』
『やぁ来たね。』
驚いている俺の目の前に現れたのは空飛ぶクジラ・・・。そう空神だった。
『君の状態を簡単に説明するよ。』
『待て待て待て!!説明してくれるのは良いがちょっと落ち着く時間をくれ!』
『なおこの映像は録画なので一切待ったりしませーん。』
『普通に返事してる癖に何ってるんだこいつ?』
こちらを馬鹿にしたようにニシシと笑いながら空神が説明を始める。良く鯨の顔で笑えたなお前。
『まず今君は疑似的に神格を得た状態になってる。その情報の元になっているのは君の中に眠っているデータだ。未来の僕達が頑張って“ほぼ完全に復元”してくれていると思うから、そのデータの不足部分を補って神として復活して貰った。』
1度巨双盾神になったから、そのデータが残っている事前提で装置にフラグを仕組んだって訳だな。うん、ほぼ完ぺきに復元と言われた辺りで嫌な予感しかしないぞ?
『その証拠に君のステータスは、過去に巨双盾神となった時のステータスに変わっているはずだ。チェックしてみると良いよ。』
うん、黙って聞いていたがここで会話が止まった。つまりステータスをチェックしないと話が進まない訳だな?さてと、それじゃステータスチェックを・・・・・・・。何だコレ?
名前 ルド
種族 虚双盾神
所属 なし
ギルド なし
HP 0
MP 0
スキル
,;[タンクxuy90tpjwkmenauzu9hemwl:we, lv[タンクiuvjkolsm,m;ladsfpibn:
称号
Tr-gy7huo2klt;dxiuc0uy-uhrj:mqwsxibcn-zaタンクijpklm;shjpicn@hsojrlwadxn
装備
:タンクxzpcocidslwe,dfkbivuyhcdsjmnbdfgfcsavbndkflpbnl
HPもMPも無くなってるし種族も巨双盾神じゃないぞ?そもそもスキルも装備も称号もバグってて何も見えないが。どうなってるんだコレ?
『どうだい?かつて世界を守った力を取り戻した気分は。爽快だろう?』
爽快所か虚脱感が凄いんだが?体から一気に力が抜けている気がするんだが?そもそも俺の体、若干向こう側が透けて見えてる状態なんだが?
『それじゃ空中大陸を守る為に頑張ってくれたまえ。ルド君の検討を祈る!!』
祈るじゃねぇんだよ。このままじゃ何にも出来ねぇわ。元々装備していた鎧や盾なんかも全部消えて初期装備っぽい服しか着てねぇし、これで一体どうしろと?
『なおこのメッセージは自動的に消滅する。アデュー。』
『アデューじゃねぇよこの状態の責任取れや!!』
ちぃっ!!本当にそのまま消えやがった!!
『っ!?やべぇっ!!もうそこまで敵が来てる!?』
すでに眼前にファンティルが迫って来ていた。そして後ろには空中大陸が在る。ここで守らないと大陸が沈む!
『向こう側が透けて見える霞の体だが、一発だけなら耐えられるだろ。お前の攻撃受けてやらぁ!』
俺は叫んで敵の注意をこっちに向ける。俺の大声に気が付いたファンティルは俺の方に向かって突っ込んでくる!
「クエエエエエエエエエエ!!」
よく見るとこの鳥顔が人の顔してる。うわっ曲がった嘴で叫ぶから唾が一杯飛んで来た。喜色悪っ!!
ファンティルの攻撃
腐食爪・空ノ暴君・破滅ノ嵐・絶魔スキル発動
ダメージ 1000000ポイント
体で受けてやるって言ったがその禍々しい紫の靄を垂れ流す爪はなんだよ。絶対体に悪い事が起こるだろそれ。だが俺は受けるぞ!!
ルドの防御
,;[タンクxuy90tpjwkmenauzu9hemwl:we, lv[タンクiuvjkolsm,m;ladsfpibn:
ルドは回避に成功した。
はっ?俺は防御したつもりなんだがなんで回避したことになってんの?いやスキルがバグってるからそれが原因か?そもそもあの体に悪そうな爪は俺の体を切り裂いたハズなのに、切られた体は霧だったからか散っただけでダメージが無い。これなら攻撃を引き付け続ければ時間が稼げる!
『よし!どんどん掛かって来い!!』
「クケッ?・・・・・・・クケー。」
『あっこら待て!どこ行くんだ!!』
何とファンティルの奴、一発で俺に攻撃しても無駄だと気が付いたのか俺の事を完全に無視して空中大陸に向かって行きやがった!くっそ、挑発スキルが無いから何も出来ねぇ・・・・いや、ここで諦めたら大陸に居る人達の命が危ないんだ。何とかするしかない!!
『待てこらっ!!』
「ぐげっ!?」
よっし出来た!!なんとなくの感覚でサイズ変更を発動させて体を巨大化させる。巨大化した体で即座にファンティルを掴み拘束する事に成功した!何度も使って来たスキルだけあってサイズが変わる感じは体が覚えていたからな。霞の体でも相手に干渉できるってのはさっきのファンティルの攻撃で解ったし、このまま皆の攻撃準備が整うまで時間を稼ぐぞ!
「ぐぎぃぃぃぃぃっ!!」
『あっこら暴れるな!』
リダ達の攻撃はまだか!城の方を見ると飛び出した塔の先端に在る光りの玉がどんどん大きくなっている所だった。だがまだ攻撃準備は整っていないらしく、全く攻撃が飛んでこない。
ならば捕まえているファンティルをそのまま絞め殺す事が出来るか?何て思ったが、しっかり呪いの効果が残っているのか相手にダメージを入れる事が出来なかった。そうこうしているとファンティルが手の中で暴れ、徐々に体が外に出て来てしまっている。準備はまだ完了しないのか!早く攻撃してくれ皆!!
「ぐげっ!!」
『おわっ!!』
ファンティルがとうとう手の中から飛び出してしまった。掴まれて拘束された事に腹を立てたのか、再度こちらに向かって攻撃してくる。だがお前の攻撃は俺にダメージを与える事は出来ないぞ!!
ファンティルの攻撃
疫病・絶望ノ嵐・空ノ暴君・死ヲ齎ス者・圧縮スキルが発動
スキルコンボ!疫病・絶望ノ嵐・空ノ暴君・死ヲ齎ス者・圧縮発動により<死の風>スキルが発動
特殊状態異常 即死 付与
・・・・・うん。それは予想外。まさか即死を付与する状態異常攻撃が在るなんて考えもしなかったわ。
「クケェッ!!」
『ぐはぁっ!!』
ファンティルが羽ばたくと同時に紫色をした風の刃が俺の体を切り裂いた。俺の体は徐々に紫の風に飲まれて行って・・・・・。
ルドの防御
,;[タンクxuy90tpjwkmenauzu9hemwl:we, lv[タンクiuvjkolsm,m;ladsfpibn:
防御失敗 即死判定
lv[タンクiuvjkolsm,m;ladsfpibn:の効果により1度だけ復活
ぶはっ!!助かった!切られた体がまた集まって復活出来たぞ。さぁこの状況をどうにか出来るアイデアを・・・・。
「グケェッ!!」
ファンティルの攻撃
疫病・絶望ノ嵐・空ノ暴君・死ヲ齎ス者・圧縮スキルが発動
スキルコンボ!疫病・絶望ノ嵐・空ノ暴君・死ヲ齎ス者・圧縮発動により<死の風>スキルが発動
特殊状態異常 即死 付与
考える時間もくれねぇのかよ!!まぁでも実際の戦闘だとそうだよな。敵が悠長に待ってくれる筈無いか。
あぁ純潔が使えたならなぁ。状態異常に対する耐性が在るからある程度即死の状態異常から守ってくれると思うのに・・・。
あのスキルはALO2になってから覚えた物だし。空神の言う事が事実なら、俺の今の体はクラッシュデータだけで構成されている状態だもんな。HP無かったら無敵だろうって?さっきのログを見て分かる通りちゃんと死ぬみたいだぜこの体。
『くっ!恨むからな空神さんよぉ!』
俺の目の前でファンティルがまた羽ばたきを行う。そして・・・・。
ザシュッ
もはや黒と言っていい位に染まった紫の風が俺の体を切り裂いた。畜生。迎撃システムが動いたんじゃなかったのか!!
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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本日私のお話が連載1年を迎える事となりました。沢山の人の応援のお陰でここまで続けられていると思います。
この1年本当に多くの人に読んで頂きました。厳しい意見等も在りましたし、読者の方々を馬鹿にするようなレビューを書かれたりもした本作ですが、それ以上に応援して下さる人達の為に書き続けています。
中々評価も伸びず、人を選ぶ作品だとは思いますがどうかこれからも応援の方、よろしくお願い致します。kotosuke5
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