第352話
「ぬあーっ!!」
「また1人やられたぞ!!」
「やってられるか!!俺は逃げるぞ!!」
「馬鹿!!死亡フラグ立てるな!!っ!?ホラ来たぞ。」
「ぐへぇ。」
「くっそ、どうなってるんだ。なんで住人にやられるんだよ!!」
はい、現場のルドです。現在敵対クランとの戦闘中なのですが、不思議な現象が起こっています。それは、いつの間にか敵の人数が減っているという物。えっ?分かりやすい会話が在ったのに原因に気が付いてないのかって?いやさすがに気が付くでしょ。
「1~つ。」ブシュッ!
「2~つ。」ザシュッ!
「3~つ。」グチャッ
「首オイテケェ!!」ドルルルルルルルルル!!
「ひぃぃぃぃぃっ!!ジェイ〇ンが!!〇ェイソンが!!」
「どう考えても台詞が日本のホラーなんだよなぁ・・・・。」
絶賛ホーラさんがノリノリで旅人を切り刻んでおります。段々と旅人の倒し方がうまくなって来てるのは気のせいか?ジョーゴさんはと言うと・・・・。
「・・・・。」ザクッ
「ギャーーーッ!!」
「・・・・・ニヤッ。」ザクザクザク!
「やっやめ、やめてっ!!中身が!中身が出ちゃう!いやぁぁぁぁぁぁっ!」
スラーリ、キランッ
「はっ!?いつの間に死神が!俺の命運もここまでか!!」
「厨二病も大概にしとけよ!今は逃げるぞ!」
「・・・・フッ。」ブシュッ
「「鎌が伸び!?ギャーーーッ!!」」
黒マントの中からいつの間にか取り出した大鎌で旅人を惨殺してました。うーむ、初心者に近い人達だからなんとかなってるけど、強い人が潜んでる可能性在るんだよなぁ。そろそろ包囲網の穴を突いて脱出するか。シアが敵さんのお宝回収してくれたし。
「えへへ~。一杯取ったよ!」
「よくやった、偉いぞシア。そんじゃそろそろここから逃げるぞ!!」
「くぅ!壊滅出来ませんでした!」
「壊滅までしたらやり過ぎですわよリダさん。」
「炊きつけた人も気になりますね。拠点の宝箱も開けられたみたいですし。」
「宝箱開けられてんのに順位の変動がまったくあらへんってのが凄いなぁ。」
「ホーラさんとジョーゴさんのポイントが高すぎです。」
ベニの言う通り、現在俺達のクランはお宝を奪われたはずなのにまだ1位を保っている。棒と2人のポイントが高すぎるんだよなぁほんと。
クラン『ティーターン』お宝ポイント 3003ポイント お宝数 11
イベントランキング 1位
「こりゃまだまだ狙われるな。」
「お札回収出来ますかね?」
「やるしか無いだろうなぁ。とりあえず1枚目を取りに行くぞ。動いてないみたいだしな。」
そう、1枚目のお札はなんと領主の館に在るのだ。こっそり入って取って来れたら良いんだけどなぁ・・・・。
一方、領主の方はと言うと・・・。
「何だと!!あの場所に旅人が入っただと!!」
「はいぃぃぃぃ、どうしてか分かりませんが旅人が大人数であの場所に踏み入れましたぁ!!」
「惑わせの魔杖はどうなってる!!それよりも奴は!奴は逃げたのか!」
「魔道具の破壊を確認してます・・・。逃げられました。」
「くっ!魔力回復薬を作る道具はまだ出来てないというのに!!忌々し旅人共め!!」ダァン!!
山に起こっている異変を聞いて苛立つ領主。そして、ジョーゴが逃げた事を確認して机を思いっきり殴る。だがその怒りの顔も、まだ何とかなると落ち着いた物に変わる。
「使役の魔道具を使う。」
「クラーケンを呼ぶのですか?街が壊滅しますが?」
「ふんっ、誰もクラーケンを操れる等思っても居ないだろう。天災、いや魔物災害として国に報告して報奨金と移住者を募集すれば良い事だ。それに、クラーケンが旅人を始末した後に私が退けたらどうなる?」
「・・・・。一気に島の英雄、いえ、大陸にもその武勇が響き渡りますな。」
「それを足掛かりに私は大陸に戻るのだ。さぁ急いで準備をしろ!!」
「はっ!!」
バタバタと走り去る執事。それを見送ってからワインを開ける領主。そんな2人の後ろにホラーカップルがひっそりと立っていたのを領主と執事は知らない。ましてや領主が持っていたお札が無くなってる事に等、気が付く事は無かった。
『取って来ました!!』
『なんであいつがお札を持ってたんだろう?』
「おう、ご苦労さん。2人の隠密能力凄いな。いやここは幽霊化とでも言えば良いのか?」
『僕達が身に着けている魔道具の効果だからね。よっぽど良い目を持っている人じゃないと気が付かないよ。それに屋敷の警備用魔道具も僕が作ったからね。裏を掻くなんて簡単だよ。ちょっとした仕掛けもしてきたしね。』
「シアは解るよ!!」
「(`・∀・´)エッヘン!!」
「シアとアイギスにはバレてるみたいだけどな。それで?何を仕掛けて来たんだ?」
『ちょっとした嫌がらせ。』
ジョーゴさんの魔道具開発能力を考えると、これはちょっとですまない案件なのでは?
「これでお札が4枚になりました!!」
「あと6枚ですわね。」
「あとは街中に在るみたいです。」
「うっし、なら街に戻ってまだ誰も取ってない場所から回るぞ。この“マント”を使ってな。」
なんと移動中にジョーゴさんが葉っぱを集めていると思ったら、隠密マントなる道具を作っていた。使い捨ての物だがその効果は脱ぐまで人に感知されないという効果だ。強すぎるだろこれ。そのうち助けてジョゴえモンとか言っちゃいそう。
『くれぐれも攻撃しないようにね?即席の魔道具だから攻撃の衝撃で壊れちゃうから。』
「はい!分かりました!!」
それじゃ街中のお札を集めますか。
まだ集めていないお札の内4枚は全く動いて居ない。2枚は常に動いてるので何かに持ち去られてると見て間違いないな。
そんでもって動いてないお札の内2枚は簡単に見つかった。ゴミ捨て場にゴミとして捨てられてた奴と、なぜか酒の入った瓢箪に貼られていた。
ゴミとして捨てられていた奴はそのまま回収。瓢箪は酒屋の店主に頼んで売って貰った。これで2枚ゲットだ。そして残りの2枚何だが・・・・。
「クランの宝箱の中ですわねぇ。」
「絶対南京錠使ってるよなぁ・・・。」
「しかも1つはドラゴンバスターの拠点に在りますよ?どうします?」
そうなのだ。動いて居ない2つのお札は別のクランが持っていて、しかも拠点内部にある宝箱に入ってるっぽい。しかも片方はドラゴンバスターの拠点の奥地だ。警備も多く、宝箱には絶対守りが付いている場所にどうやって潜り込んで宝を奪うかなぁ・・・。
『うん。ここまで近づけば使えるかな?“取り寄せ袋”ぉ~。お札を取り寄せ!!』ポンッ!
「はっ?」
『あっ、行けたね。はいこれ。』
「おっおう・・・・。ジョーゴさん?その袋ってなんだ?」
『ん?これは『取り寄せ袋』。使い捨ての道具だけど、半径10メートル以内の任意の物をこの袋に取り寄せる道具だよ。まぁ使う人が知ってるか、目標の物の一部が無いと使えないけどね。今回は両方揃ってたから間違えずに取り寄せられたよ。たまに変なのが入る時が在るんだよね。』
「・・・・・チートや!!ここに真正のチート野郎がおるで!!」
「お姉ちゃんジョーゴさんに失礼だよ。」
「よくそんな便利な魔道具ぽんぽん作れますね?」
『ぽんぽんは作ってないよ?これも大陸に居た時に作った残りだもの。結婚を機に引退して来たけど、魔道具開発の一線を張ってたんだよ?材料さえあればこれくらい作れるさ。』
「その袋、まだ在るか?それが在ったらもう1個のお札も楽に手に入るんだが?」
『残念。これで最後だよ。』
それは本当に残念だ。だけどこれで大手クランに潜入する!何て事をしなくても良い。もう1つは俺達の拠点に近い場所だからな。拠点から様子を見て作戦を考えるとしよう。
「よしっ!一時撤退!!」
「ルドさんは気を付けて下さいね?お酒買う時にマント脱いでるんですから。」
「見つかったら俺1人だけ別方向に逃げるさ。」
「・・・絶対見つかりますわね。」
「ルドさん目立つからなぁ。」
『しょうがない。予備のマントを上げよう。』
「ジョーゴさん、どんだけ準備しとんねん・・・・。」
『魔道具は実用、観賞用、保存用の3つは作るようにしてるよ?隠密マントはこれで最後だけどね。』
「まるでグッズの話みたい・・・・。」
「ありがとうジョーゴさん、有難く使わせて貰う。うっし、んじゃ拠点に戻るぞー。」
俺達はジョーゴさんの魔道具のお陰でサクッと拠点に戻るのだった。
クラン『ティーターン』お宝ポイント 3006ポイント お宝数 14
イベントランキング 1位
お札回収枚数 7枚
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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