機人種の秘密?

第288話

道場で師匠の攻撃を受けて生命力を感じ取る修行をしていると、街の探検に出ていたアイギスが見知らぬ旅人を連れて戻って来た。名前は・・・・アインさんか、名前は旅人(プレイヤー)を現す青。そして名前の横には守備隊を現す盾と剣のマークが表示されていた。


なんでそんな事知ってるんだって?公式HPに所属を現す印が名前の横に出るって書いてあったんだもん。例として赤落ちと守備隊のマークが書いてあったから覚えてたわけ。


これが自分達で作るクラン、あっクランっていうのはALOの時に作ってたギルドの名前が変わったやつで旅人が作る組織みたいなやつの事だ。そのクランに所属すると、自分達で作るクランマークが表示される。マークの偽造は不可能で使えるかどうかは管理AIが判断してるってさ。


さて、そんな守備隊の隊員様が一体全体何の用事なんでしょうね?うーん、ALO2では守備隊と関わってないから全く分からんな。一緒に居たアイギスが何かしたか?聞いてみよう。


「えっと、守備隊の方がどうしてこの場所に?アイギスが何かしましたか?」

「ヽ(`Д´)ノ」

「いえ、そうでは無いです。ちょっとした事件に巻き込まれた彼女を助けた折に、この子の事を知りまして。種族が私に近かった物ですから少しお願いが在ったんです。そのお願いの許可を主であるあなたに出して頂けないかと思って伺った次第です。」


ほむ、近しい種族やらお願いの方も気になるが、それよりなによりちょっとした事件に巻き込まれた?何かあったらすぐに連絡するように言ってたはずだが?


「アーイーギースー?約束はどうしちゃったのかなぁ?1人で出掛けた時に何かあったらすぐに連絡するように言っていたはずだけどぉ~?」

「(´-∀-`;)」

「こらっ!!ちゃんとこっちを見なさい!!どういうことか説明する!!」

「♪~(´ε`;)」

「誤魔化すな!!すみません、この子がご迷惑をお掛けしたみたいで・・・。それでその事件について詳しく聞いても良いですか?」

「えぇ構いませんよ。ふふふ。」

「Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン」


アインに裏切られたと思ったのかアイギスがのけぞっている。いや彼女は立派に仕事をしているからな?保護者である俺にはその事件を知る権利が在るんだから。彼女はちゃんと事件のあらましや、その結果なんかを事細かに報告してくれた。その話によるとどうやらアイギスはロボ好きの変態に誘拐されそうになっていたらしい。こらっ!!そういう目に会ったらちゃんと連絡しないと駄目でしょ!!


「(m´・ω・`)m 」

「まぁまぁ、この子も突然の事でパニックになってましたし。咄嗟に連絡出来なかっただけだと思いますよ。」

「重ね重ねすみません・・・・。アイギスはしばらく1人で散歩は禁止!シアもだからな!」

「えー!!なんで私もなのパパ!!」

「q( ゚д゚)p」

「危ない人が増えて来たみたいだから念の為だよ。俺の知らない所で危険な目に会って欲しく無いの。一緒に居る時なら守ってやれるんだから。だから文句言わない!!」


死んでも鈴の中で静養すれば復活するとはいえ、娘みたいに思ってる2人を危ない目に会わせたい親が居るもんかい!!駄目ったら駄目!!お父さん許しませんよ!!


「あー、それだと私のお願いも頼み辛くなってしまうな・・・。」

「そう言えば最初に仰っていましたがこの子に何か手伝って欲しい事が在るとか?その手伝いの内容をお聞きしても?」

「私の種族は機人種と言って、まぁ簡単に言いますと機械人間というカテゴリーなんです。そして、種族関係のクエストがとある場所で発生していまして、その攻略にアイギスちゃんの力を借りたかったんですよ。」


ふむ、機人種という割には見た目完全に人なんですが?どこに機械要素が在るんだろうか?アイギスはパッと見ただけでロボだと解る造形をしているけども?


「あぁ、本当にそんな種族が在るか疑問に思ってますね?ならば、よいしょっと!」ガコンッ

「腕が取れた!?」

「ほら、断面を見て貰えば一目瞭然かと。なんなら首も外しましょうか?」


そう言って笑うアインさんの腕の断面は、何やら複雑に組み合わさった機械と電子部品が放つ光りでキラキラと輝いていた。うん、こんな物見せられたら信じるしか無いわな。だって今にも首を持ちあげて外そうとしてるし。首の所に隙間が出来て同じような光が見えてるし?


「首まで取らなくても大丈夫ですよ。失礼ですが機人種なんて始めて見ました。ALO2から追加された種族なんですか?」

「すみません、詳しい事は私にも・・・。ですがアイギスちゃんに手伝って欲しいクエストをクリアすると私の種族のルーツが解る可能性が在るんです。」

「そして、自分を強化する為のスキルも手に入る・・・・という所ですか?」

「えぇ、ルドさんの仰る通りです。」


ふむ、俺達も今取れるスキルを取得して自身の強化を行っている所だ。それもこれも、明日に迫った魔物暴走に対処する為。あぁ俺は違うけどね?


そして守備隊である彼女が暴走について知らないわけがない。つまりは彼女も明日のイベントの為に強くなっておきたいという所か・・・・。ふーむ、アイギスを助けてくれた事は本当みたいだし、手伝ってあげたいのはやまやまだ。だけどついさっき誘拐されかかった子をあんまり知らない人と一緒に行動させるってのはなぁ・・・。うん、なら一緒に行けば良くね?


「そのクエストに私達も同行しても?アイギスは誘拐未遂に合ったばかりですし、少し心配で・・・・。」

「申し訳ない。そのクエストには生身では参加出来ないのですよ。それこそ体が機械でもない限りは決して辿り着けない危険な場所でして・・・。あっ魔物やトラップなんかの危険という訳ではなく、環境に耐えられないという意味ですよ。今の所それ以外の危険は確認されていないので御安心下さい。」

「そうなのですか?聞いているだけだとダンジョンの様な場所に思えるのですが・・・・。一体どのような所なんでしょう?」

「生体にのみ影響の出るガスで満たされた空間に行く必要が在るんです。生体である限り、その環境に耐えられずに死亡してしまうとクエストの説明に書いてありました。クエスト発生時には私1人で行きましたので、生身の旅人に害が在るのかは確認できていません。ですが、わざと魔物をその空間に放つと瞬時に泡を吹いて倒れてしまいました。そのような場所に他の旅人を連れて行くわけにも行かず・・・・。」


ふむ、有毒ガスでも出ているのだろうか?それなら俺には無効じゃないか?だってついこの間純潔と言う名のスキルをゲットしたばかりですし?それに生身の旅人に害が在るか確認出来ていないって事は、影響が無い可能性もある訳で・・・。まぁ純潔が発動するか否かで判断できることだしな。死んでもデスペナが入るだけだし大丈夫だろう。きっと。


「あのぅ~、やはりこの子だけでは心配ですので・・・・。」

「やはりそうですよね。こんな小さい子を心配するのは当たり前ですし、事件に遭遇したばかりですから。大丈夫です、1人で何とかやってみますから。すみません、無理なご提案をしてしまって・・・。」

「あっいや、私でしたら恐らくその空間でも生きていられると思うので、やはり一緒に行ってもよろしいですか?」

「はい?いや、でも生身では・・・。」

「あら、それなら大丈夫よ。ルドきゅんはちょーっと特別なスキルを覚えてるから。それに道場で同じ事を繰り返すより、人体に影響のある場所に行けば生命力を感じ取り易いですもの。いってらっしゃいな。」


俺達の後ろでじっと話を聞いていたシチート師匠から修行の一環になるから行ってきて良いとお墨付きが。この後どう説得しようと思ってたから手間が省けた。


「あっ、シアちゃんは駄目よ?私と一緒にお留守番ね。」

「一緒に行きたかった・・・・。」

「ごめんなシア。でも俺と違ってシアだと耐えられそうにないからな。それに鈴の中にずっと居るのも暇だろうから師匠と一緒にお留守番しててくれ。代わりに今度一緒に出掛けような。約束だ。」

「うん!!約束!!パパと2人でお出掛けだからね!!」

「おう!その時はアイギスがお留守番だな。」

「( ´ ▽ ` )ノ」


シアと今度一緒に出掛ける約束をしていると、その様子を見ていたアインさんが渋い顔をして俺の事を見ていた。うん、この顔は本当に行くの?って思ってるな。そう思ってたら直接アインに聞かれた。


「あの?本当に行くんですか?すぐにデスペナ貰って死に戻りすると思いますけど・・・。」

「あぁ、スキルの確認の意味もあるんですよ。ですから是非同行させて下さい。」

「・・・・・。そこまで言われるのでしたら。私もアイギスちゃんに助けて欲しいですし、同行して頂きます。ただ、少しでも異変が在ったら死に戻りをする前に戻ってくれますか?」

「はい、お約束します。アイギスもアインさんの言う事をよく聞くんだぞ?」

「。+。゚☆ヤッタァ(o゚∀゚从゚∀゚o)ヤッタァ☆゚。+。」


修行の方もずっと同じことの繰り返しで手詰まり感が出て来たからな。単純に飽きて来ってのもあるが、覚えられるはずの前提スキルを取得する兆候が無いし丁度いい気分転換にもなるだろう。師匠の言う通りならその場所で覚える可能性も在るしな。


「ではよろしく頼む。あぁ私の事はアインで良い。話し方も普通にさせて貰う。」

「オッケー。俺もルドで良いぞ。こっちも口調はフランクに行かせてもらう。」


お互いに握手をし合った後、アインからのパーティー要請に答えて俺とアイギスはアインのパーティーメンバーに入った。さてと、生身だと死んじまう場所ってのは一体どういう場所なんだろうな?


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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