第269話
「はっ!!ここは!!」
「やぁやぁお客人いらっしゃい。お茶会の時間だよー。」
「楽しい楽しいお茶会だよー。紅茶もお菓子も沢山あるよー。」
トラックに跳ねられたと思ったらいつの間にか椅子に座っていた。周りは一見すると普通汚森の中、そんな森の中に椅子とテーブルが置かれていて、目の前には貴族なんかが使っていそうなカトラリーセットがあって、ポットからは湯気が出ている。そんでもってお茶とお菓子の用意をしているシルクハットをかぶった女性と、その横に居る猫人の男、そしてあのタキシードを纏った白い兎が俺の横に座っていた。
「ふぅ間に合った。」
「なぁこれってどうなってるんだ?お前何か知ってるか?」
「お茶会に招待されてこれなかったとあっては女王に叱られてしまう。本当に間に合って良かった。」
「駄目だ、また話聞いてねぇ。」
兎に声を掛けるけども全くこっちの話を聞いていない様子。ってか女王って言った?どっかで知ってるような話だなぁって思ったがこれっておとぎ話の世界?でも住宅街での騒動は全然関係無いよな?
「女王様のおなーりー。」
「いやおかしいだろ!!」
話が滅茶苦茶すぎる!!もし知ってるおとぎ話だったらここで女王は出てこないだろ!!っていつの間にか兵士が居る!?でも女王様は何処に?
ガゴッ!!ガガガガガッ!!パリーンッ!!
すると、何やら兵士の隣の空間に爪の様な物が現れ、それが滅茶苦茶震えたと思ったら肩が、頭が徐々に出て来て最後に見覚えのある人物が姿を現した。
「助けに来たわよルドきゅん!!」
「女王様のおなーりー!!」
「女王様ってシチート師匠なの!?」
「えっ!?私は女王様じゃなくてルドきゅんの御嫁さんよ!!」
「はぁ~。お茶が美味しい。」
カオスな状態がさらにカオスになった。
時は少しさかのぼり、ルドが消えてしばらくした後のリダ達。
「駄目です・・・・全然見つかりません・・・・。」
「パパから呼ばれないよ?どうしようアイギス・・・。」
「。・゚・(ノД`)ヾ(゚Д゚ )ナデナデ」
しばらく平原を捜索してもルドさんの居場所は一向に解らなかった。だから私達は捜索の手を広め、街の中まで捜索する事に。でもやっぱりルドさんの行方は分からなかったんです。
「最後に見たときはラブラビと一緒でしたわ。もしやあの兎に何かあるとか?」
「掲示板を見てもそんな話は無いけどなぁ・・・。」
「それに捕まえてみてもいつの間にか消えてますし・・・。」
ラブラビを捕まえて、ルドさんの様に甘やかせてから後を追ったりもしてみましたが、いつの間にか見失うだけでどこかに辿り着く事もありませんでした。
ルドさんの居場所を知る為のヒントが何も見つからず、私達が絶望に押しつぶされそうになって居たそんな時、一緒にいたシチートが何やら鼻をヒクヒクと動かし始めました。
「ふんふんふんっ・・・この匂いはルドきゅん!!」
「なっ!どこです!!どこに居るんですか!!」
「あっちよ!!」
「すぐに行きましょう!!」
ルドさんの匂いを感じ取ったシチートがとある方向を指さします。その先は薄暗い路地裏が在る場所でした。
「いつの間にか2人共仲良くなってるね。」
「違いますわクリン。あれは仲良くなっているんじゃなくて、同じ目的だから一緒に動いているだけですわ。ルドさんが戻ってきたらまた喧嘩すると思いますわ。」
「それよりも早くパパの所に行かなきゃ!!」
「(((uдu*)ゥンゥン」
「そうですわね!!急ぎますわよ!!」
「あぁ!!2人がもう路地の中に!!」
シチートを追って私も路地裏に入ります。ですがそこは唯の行き止まりで、周りには建物が建っているだけの場所でした。
「何もないじゃないこの嘘つき!!これだから悪魔は信用できないのよ!!」
「黙りなさい雌猫!確かにルドきゅんの匂いはここからするのよ!!」
「ここら辺を調べよう!!パパに繋がる何かが在るのかも!!」
「(。・Д・)ゞ」
6人でそれぞれ路地裏の事を調べ始めます。ですがそこまで広くない路地裏には変わった所など無く。手掛かりは何もない様に見えました。ですがやはりシチート(変態)は違った。彼女だけが何かを発見しました。
「ここね。ここに何かあるわ。」
「私には何も見えませんわ。」
「うーーーん・・・。ん?小さい・・・罅?」
「壁何だから罅なんて普通にあるでしょ?」
「これだから何も知らない雌猫は。この罅は壁にあるんじゃないの。空間にあるのよ。」
どうやらその小さな罅は壁に出来ているのではなく、壁から少しだけ離れた空中に浮かんでいる様でした。現にシチートが罅の後ろに手を入れると、掌の上に罅が浮かんでいました。
「空間に罅?こんなの聞いた事無いよ?」
「(゚д゚)(。_。)ウン」
「ルドきゅんを追いかけて亜空に行こうと長年その方法を調べていたのよ?この手の事は任せて頂戴。」
「そんな事までしようとしてたのか・・・・。」
「恐るべし変態ストーカーですわ・・・。」
「あら?褒めても何も出ないわよ?」
「「「「褒めてない!!」」」」
「そんな事より早くルドさんの元へ!!」
「なら私の真似をしなさい。ふんっ!!」
シチートの戯言に反応するのはここまでにして、早くルドさんの元に駆け付けなければ!!そう思ってシチートにルドさんの元に行く方法を聞きます。するとシチートはおもむろに日々の中に手を突き入れ、体をがくがくと揺らし始めました。
「ここここいいいいいいううううううののののののののわわわわわわわわわわ。」
「何言ってるか分からないからさっさとして!!」
「まるでレトロゲームのバグ技の様ですわ。」
「あー、壁抜けする時のキャラクターの挙動そっくりだね。」
「シチート姉さん大丈夫?」
「(;・∀・)ダ、ダイジョウブ…?」
「だだだだだだだいいいいいいいいじょじょじょじょじょじょじょ」
「さっさと行け!!」ゲシッ!!
パリーン!!
振るえるシチートの体を蹴りと飛ばすと、罅が大きくなり空間が割れました。その先では何やら森の中にテーブルと椅子が並べられ、真っ黒で赤い目をした何かが4つ居て。ルドさんが椅子に座ってびっくりした顔でこちらを見ていました。
「さぁっ私達も続きますよ!!」
「リダさん待って!!」
「シア達も行くよ!!」
「(* ̄0 ̄)/ オゥッ!!」
「シアちゃんもアイギスちゃんまで!?もう、向こうがどんな状態か分からないのに早計過ぎますわ!!」
「でも放っておけないよ、僕達も行こう!!」
「仕方ありませんわね!!」
こうして、行方不明のルドの元に仲間達が集まるのでした。
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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