第265話
リアル時間で1時間休憩後の再度ログインでござる。体は無事か!?・・・・・大丈夫そうだな。衣服の乱れも無いし、変な匂いもしない。周りに争った様子も無いな。ふぅ、一安心・・・・・。
「パパお帰りー!」
「(〃・ω・ノ)ノ オカエリー♪♪」
「ただいま!さすがに初日から襲いには来なかったんだな師匠は。」
「・・・・大変申し上げにくいのですが・・・・・。」
「・・・・・まじで?」
シアとアイギスの傍に居たファランさんが言うには、初日にログアウトした瞬間から師匠は俺に夜這いを仕掛けようと動き始めようとしたらしい。その不穏な雰囲気を感じ取ったシアとアイギスが協力して師匠を捕縛、ファランさんの案内で今居る霊廟のとある部屋に閉じ込める事になったそうだ。いやぁ、やるとは思ってたけどまさか再開して初日に動き始めるとは、行動力あり過ぎだろ師匠。
「で?シチート師匠は何処に?」
「今も“特別室”で反省しておられます。」
「特別室凄いんだよ!!魔法が使えなくなるの!!」
「(´―`*)ウンウン」
「なんだそりゃ!?」
どうも霊廟にある特別室と言うのはベアンさんが作ったらしい。例の魔力爆弾を安全に解体できるように用意した部屋で、部屋の中にある魔力を軒並み吸い出してしまうそうだ。あっON/OFFはスイッチで切り替えられるんだとさ。師匠は今その部屋で魔力を抜かれて強制的に気絶しているらしい。
「命に別状ないんだよな?」
「起き上がった時は大変気分が悪くなると思いますが命に別状は無い・・・・はずです。」
「・・・・すぐに迎えに行こう。クエストも手伝って貰いたいしな。」
「えー、出しちゃうのー?」
「Σ(゚Д゚;エーッ!」
「そうしないと流派スキルも教えて貰えないしな。」
と言う事でその特別室にやって来ました。部屋の中には・・・・・・からっからに干からびたミイラが一体・・・・。
「師匠!?ちょっ!!早く部屋の外に出すぞ!!」
「まさかこのような事になるとは・・・。」
「カラカラに乾いてるぅ~。面白―い!!」
「ヾ(*´∀`*)ノキャッキャ」
「遊んでる場合じゃないからね!!ファランさんとりあえず魔力回復アイテムの用意を!!」
師匠らしきミイラを抱き上げて部屋を出る。その後ファランさんにMP回復アイテムを用意して貰うように声を掛けた。魔力を吸い出されてミイラになってるんだったら、魔力を回復したら復活するだろたぶん。
「・・・・・い・・・。」
「師匠?意識在るのかシチート師匠!!すぐに助けるから我慢してくれ!!」
そう思っていたら腕の中に居る師匠ミイラの口が動いて声が聞えて来た。
「・・・・・ない。」
「ん?何だって?」
小さい声で囁くように言葉を発する師匠。俺は不覚にもその言葉をしっかり聞こうと顔を近づけてしまった。それが大失敗だった。
「ルドきゅん成分が足りない。だからんちゅ~♡」
「~~~~~~っ!?」
俺の顔が近づいて来たのが解ったのか、何と師匠の体が元の若い体に瞬時に戻った。そしておれの首に手を回して強制的に口づけをしてきた!!
「あー!!パパキスしてるー!!リダ姉ちゃんに報告だ!!」
「(* ̄0 ̄)/ オゥッ!!」
「んーっ!!んーっ!!!」
悪魔の力を存分に使っているのか全く腕が外せない!!何とか唇を離そうとしてもそれ以上に師匠が押し付けて来る!!なんとか抵抗している間にも俺の口は蹂躙されて・・・・・。
ちゅぽんっ!!
「ぷはぁっ!!復活!!ご馳走様でした!!」
「ログイン早々大変な目に逢った・・・。魔力切れで動けないんじゃなかったのかよキス魔の師匠?」
「それならルドきゅんに抱えられた瞬間に回復してたわ。キスは助けてくれたサービス♡」
「・・・・・師匠がやりたかっただけだろうに・・・・。」
「ルドさん無事ですか!!あぁ・・・遅かった・・・・。」
「そんなっ!!ミイラがこんな短時間で元に戻って!?」
師匠を腕から降ろして口を拭いているとそこにリダとファランが飛び込んで来た。ファランの腕にはちゃんと魔力を回復する薬が握られてるな。途中で合流した感じか。あとリダは察し良すぎ、この状況を見ただけで手遅れだと気が付くのはエスパーか何かですか?間違ってないからなお怖いな。
「パパがキスしたら戻ったんだよ。ねーアイギス。」
「(*´・ω・)(・ω・`*)ネー」
「俺からやったんじゃないからな!!」
「あら、キスしようと顔を近づけてくれたんでしょ?」
「・・・・ルドさん?どういうことですか?」
ひぃっ!!リダの後ろに般若が見える!!俺の体験上このまま放置しておくとまずい!!弁解しなければ!!
「ちょっ!!落ち着いて!!落ち着いて聞いてくれリダ!!ミイラになった師匠が小さく何かつぶやいてたんだ!!だからそれを聞こうと顔を近づけたら師匠がいきなり元に戻ってキスしたんだ!!俺の意思じゃない!!」
「でも声を聞こうとしたのなら耳を近づけますよね?なんで口が近づくんですか?」
「それは師匠の意識が在るか目を見て確認しようとして・・・・。」
「あら、私はずっと目を閉じていたから確認出来ないはずよ?」
「それは指で開いて瞳孔反応をだな「ギルティ。」ぎゃーーーーーーーっ!!」
最初に呼吸音を確認しなかった俺も悪いが、もう少し話を聞いてくれても良いじゃないか!!リダの怒りの鉄拳を受けて吹き飛びながら、俺は涙を流してそう思いました。
体力自動回復スキルでHPを満タンにするまで俺は休憩する事になり、あの後ログインしてきたクリンとルゼダに先に冒険者ギルドに行っていい依頼が無いか見繕って貰う事になった。やっと体力が回復した俺はリダ達を連れて冒険者ギルドを目指して歩いている途中だ。
「あー、ひどい目に逢った・・・・。」
「シチートにキスしたんですから私はリアルでデート1回ですからね!!それが許す条件です!!」
「はいはい、解ったよ。」
「むー!!さすがに亜空の事までは手が出せないわ。邪魔してやりたいのに!!」
「ふふん、これがあなたにはない私とルドさんの絆です。」
「きぃぃぃぃぃっ!!小娘のくせに忌々しい!!なら私はルドとの子供をこっちで作って育てるわ!!」
「させません!!」
「邪魔するんじゃないわよ雌猫!!」
「あー、ちみたち?周りの人の注目集めまくってるからそこら辺で止めときな?」
「注目の的だねパパ。」
「ヾ(*´∀`*)ノ」
「どうしてこうなった・・・。」
行き交う人々と旅人が師匠の美貌に注目し、その後リダと師匠の言い合いに原因である俺に嫉妬の目線を向ける。俺は背中にチクチクとした痛みを感じながら冒険者ギルドに急いだのだった。
「ふぅ~。やっと着いたな。クリンとルゼダは何処に居るかなっと。」
「ルドさんこっちです!!」
「席は確保しておきましたわ。」
ギルドに入り中を見回すと酒場の方で2人が手を振っていた。俺達も手を振り返しながら2人の座っているテーブルに腰掛ける。
「場所取りすまんな。それで良い依頼はあったか?」
「ルドさん向けとパーティ向け、後は個人向けが在りましたわ。」
「依頼の種類によってはシチートさんは参加出来ませんけどね。」
「それ!!それにしましょう!!その依頼にしてこのお邪魔虫を排除しましょう!!」
「お邪魔虫はあんたよ小娘!!貴方が外れなさい!!」
「「きぃぃぃぃぃぃっ!!」」
「シチート姉ちゃんもリダ姉ちゃんも喧嘩は外でやろうね?」
「(×□×;)」
そろそろ仲良くして欲しいんだけどなぁ・・・。原因が俺っていうのが何とも。こういう時モテる奴は簡単に対処出来るんだろうが俺には無理だ。クリン達に選んだ依頼を見せて貰いながらしばらく様子見だな。
と言う事でクリン達が選んだ依頼がこちら
城壁復旧工事
報酬:日当10000マネ
備考:街の外にある第2城壁修復の依頼。材料集めから組み立てまで一通りをお願いします。担当区域が終れば時間が余っていても日当を支払います。
ジャイアント平原・巨大森林の魔物駆除
報酬:魔物の討伐数により報酬が変動。1頭1000マネ
備考:魔物の素材は討伐者が所有権を持ちます。平原と森どちらでも構いません。最低10頭の魔物を討伐してきてください。1頭に突き1000マネ支払います。討伐証明部位はギルドの資料室にありますので其方を参照してください。
ヒュマニア方面の商隊の護衛
報酬:日当10000マネ ベットアイテムの支給有
備考:3泊4日の拘束時間が発生します。冒険者には商隊の護衛をお願いします。盗賊の襲撃が予想されるので戦闘が出来る人にお願いします。
※道中の食料や水、野営道具については自己負担。
ドラニア方面の商隊の護衛
報酬:日当5000マネ 成功報酬によってはアイテムの支給有
備考:6泊7日の拘束時間が発生します。冒険者には商隊の護衛をお願いします。盗賊の襲撃が予想されるので戦闘が出来る人にお願いします。
※道中の食料や水、野営道具については商人が負担します。
教会の清掃
報酬:日当3000マネ
備考:街の教会の清掃をお願いします。担当区域の清掃が終れば日当をお支払いします。※教会施設の清掃になりますので、魔に所属する人、それに準ずる種族の人に影響が在る可能性が在ります。受けられる際は前もって教会を訪れる事が出来るか試したうえで受注してください。
街中の清掃
報酬:日当5000マネ
備考:街中の清掃をお願いします。ゴミ拾い、ゴミ処理、溝掃除、ゴミの回収など仕事は多岐に渡ります。ゴミ掃除中に取得した者は受注者の物となります。
盗賊の討伐
報酬:盗賊の懸賞金によって変動。討伐成功時盗賊の持ち物を報酬として配布。
備考:城塞首都近辺に潜伏する盗賊、赤落ちと呼ばれる旅人の討伐をお願いします。討伐者には打ち取った盗賊もしくは赤落ちの持ち物を報酬として配布します。打ち取った中に指名手配犯が居れば懸賞金が支払われます。
ふむ、クリン達が選んだ依頼はこれか。さて、どれにするかねぇ。
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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