第217話

『おーい、こっちは全部回収したぞー。』

『こちらの回収終わりましたー。』

【いいんですの?本当に全部貰ってしまっても?】

「あたい達が持ってても使い道が無いからね。なら使えるあんた達に持っていってもらった方が海の掃除になって良いんだよ。」

「沈没船が綺麗になったの!今度はサンゴを植えるの~♪」

『コツコツコツ、さぞ美しい景色になるでしょうな。』

「なぁボンの性格変わってないか?」

「いろんな魂取り込んでるからたまに口調が変わるんだよ。気にしないでやっておくれ。」


お宝がある事は確認したから全てインベントリに収納。そして今回の瘴気戦の報酬は実はこれだったみたい。これっていうのは船の残骸全て。そう沈没船がインベントリに入るようになりました。


まぁせっかくだからとお宝事全部放り込んだよね。木造船以外にも何やら金属で出来た船もあったし、今のアルバトロスよりもでかい船が在ったりしたから、戻ってまた改造しようって話になったよ。3つの船を並べた超大型戦艦になる予定。いやそんなの必要か?


「空中都市を作ろうとしているのですわ。その練習とでも思えばいいのですわ。」

「アルバトロスが艦載機になるのかぁ。作るのめちゃくちゃ大変そうだな。」

「もうノウハウはあるのでそこまで大変では無いですよ。材料も沈没船を回収して全部揃ってますし。」

「あとはおかねのもんだい~?」

「そうですね。回収した宝にどれほどの値が付くのかが一番の問題ですね。」

『あの皆さん?そろそろ私を外して欲しいなぁ・・・・なんて?』

「すみません巨神様・・・。城塞都市に戻るまで我慢して下さい・・・。」


うん、今俺達はお宝の回収を終えて機関室に集まっている。それはなぜかと言うと。クリンがかなり無理矢理に機関部に水晶をはめ込んだ所為で取り外せなくなったからだ。


色々と試行錯誤してみたけどもどうしても無傷で取り出せず、結論としては城塞都市に戻って機関部丸ごと取り外して解体する羽目になった。その為には転移ポータルのある場所まで戻り、アルバトロスをインベントリに入れなきゃいけない。もうしばらく時間が掛かりますごめんなさい。


「それで?なんで着いて来てるの?」

「シーはまた空を飛びたいの!!」

「シーちゃん?カーラさん達が心配するから戻りましょう?」

「いやなの!!」


いつの間にか乗り込んでいたシーが俺達と一緒にいる。まだ船の墓場から移動していなかったから良かったけど、気が付かずに城塞都市まで戻ってなくて本当に良かったよ。俺の背中に張り付いて隠れてたからなぁ・・・。ほら、心配してカーラがエアロックの窓から中を覗いている。


「リダ。カーラを入れてあげて。」

「もう入れました。」

「シー!何やってんだい!」

「お頭!!シーは空を飛ぶの!見た事無い物を見るの!!」

「それならボンも出来るだろ?だから帰ろう?な?」

「ルド達と一緒がいいの!」


いや、そんなに睨まれても困ります。俺が何かしたわけじゃないんで。


「シーちゃん。私達は危険な所にも良く行くんです。そこにはシーちゃんみたいな子供を連れていくことは出来ません。シーちゃんがもっと大きくなったら一緒に行くというのはどうですか?」

「シアが居るの!!リダは嘘つきなの!!」

「シアは俺の友魔だからな。こう見えてもシーよりはお姉さんなんだぞ?かなり強いしな。」

「おねぇちゃんなの!!えっへん!!」

「ううう、でも一緒に行きたいの・・・・。」


おっと、あまりにも周りが拒否するからションボリしてしまった。だけどなぁ、さすがにシーちゃんみたいな子供を連れていくことは出来ない。シアならやられても復活できるが、シーちゃんは違うからね。まぁでもこのままさようならじゃ納得しないだろうし。ここはお決まりの手を使いますか。


「また遊びに来てやる。だから我慢しろ。そんでもって強くなれ。そうしたら連れてってやる。」

「本当なの?強くなったら一緒に行けるの?」


俺の言葉に泣きそうだった顔を上げて問いかけるシー。ここで嘘でーす何ていう程俺は鬼畜じゃないからな。頷いて返してやる。


「おう、俺達は寿命が長いからな。シーが大人になるまで余裕で待てるぞ?なっ皆。」

「えぇ、そこは心配いりませんわ。」

「また一緒に冒険しようねシーちゃん!!」

「こんどはいっしょにまものをたべるの!!」

「しっかり修行しないと連れて行きませんからね?」


俺の言葉に仲間の皆が肯定の言葉を返す。その言葉を聞いて、シーは手で目を擦った後に両手を握りしめて俺の方を向いた。


「・・・・わかったの。シー、強くなる為に頑張るの!!」

「うし、その調子だ。じゃあ今はカーラの所で修行だな。出来るか?」

「出来るの!!お頭に強くしてもらうの!!」


さっきまで泣きそうだったシーは今度はやる気に溢れている。この調子なら本当に強くなって俺達の前に現れるかもな。その時は快く迎え入れよう。たぶん2名程おまけが付いて来るだろうけど。


「と言う事だカーラ。シーの面倒ちゃんと見ろよ?」

「何言ってんだい。今までもちゃんと面倒見て来たよ。これからそこに戦う訓練が追加されるだけさ。じゃあシー。ちゃんとお別れを言いな。」

「皆バイバイなの!遊びに来る日を楽しみにまってるの!!」

「おう!空中都市が出来たら見せに来てやる。楽しみにしてろ!!」


シーちゃんはカーラに連れられてボーン・ダッチマン号に戻って行った。海底に向かって進む白い船を見送った俺達は、まずはドラゴニア公国を目指してアルバトロスを飛ばす。動力に巨神様が嵌っているからか、行きよりも速い時間で到着することが出来た。


「もうこのままにしておいた方が良いんじゃないですの?」

『嫌です!!私も自由に動きたいんです!!断固拒否します!!』

「専用のアタッチメントを作ってそこにいつでも装着可能にするしか無いですね。そのほうがエネルギー効率も良いでしょうし。」

「空中都市建造の事も忘れちゃ駄目ですよ?ホラ、もういくつか飛んでいます。」


空を見上げると、すでにいくつかの島が空に浮いているのが見える。だが飛んでいる島はどれも小さい物ばかりで、人が10人乗れるかどうかという物だった。


「これならロアに飲み込まれた島を組み上げる俺達の方がでかくなるな。」

「そのロアなんですがまだ回復しておりませんの。瘴気汚染の影響が事の他強くて・・・。実体化できれば浄化で治せますが、それも難しい状態ですわ。」

「あとどれくらいで回復するんですか?」

「ゲーム内で3日、と言った所ですわね。」


ロアの受けた傷は思っていたよりも重く。瘴気を直接流し込まれた所為で直りが遅くなっているみたいだ。こればっかりは焦っても仕方ない。


「なら先に巨神様の取り出しと。空中戦艦の建造を始めたらどうだ?確か同じくらいの時間だっただろ?」

「試算した結果はそうですわね。」

「ルド殿、一刻もはやく巨神様の依り代を取り出してください。でないと巨神様が可哀そうで・・・・。」

「ならやっぱり先に城塞都市だな。空中都市建造に必要な資材の購入の事もあるし、お宝の換金もしないと駄目だからな。それにルゼダも言ってただろ?空中都市建造の練習と思えば良いって、それを実行に移すだけだ。」

「そうですわね。」

「まずは設置された転移ポータルを使って城塞都市に戻って。色々準備をするぞー!」

「「「「「おー!!」」」」」


換金は市長の力を借りて名一杯お金を用意。奥さんの方にも声を掛けて質の良い動力機関の開発かな?戦艦の後は空中都市本体の建造かぁ。あと100日しか無いが果たして間に合うのかね?


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

This work will be sent to you by kotosuke5, who is Japanese. Unauthorized reproduction prohibited 


2022/8/5 本日はここまでとなります!!いかがでしたかね?海と言えば鮫!!鮫と言えばジョー〇!!とか勝手に思って話に組み込んでみました。今はもう知らない人が多いかな?


さて、ルド君たちは果たして空中都市の建造が間に合うのでしょうか?もうすぐ空の神も復活、特殊勝利条件とは?まて次回!!

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