第204話
黒龍達の襲撃もしばらく無いという事で各自自身の能力強化とこまごまとしたクエストをクリアする事と相成りまして。
俺達は早速自分達専用の飛行機?飛行船?万能艦?まぁ何でもいいか。アルバトロスに乗って移動中です。
「全然揺れないな。」
「浮遊機関に反重力機関を新たに建造して使ってますから。飛んでると言うよりは浮いている感じなので揺れないって聞いてます。」
「それじゃあの翼は必要ないんじゃ?」
「そんな事有りませんわクリン。緊急時に滑空する為に使うのですわ。」
「あぁ、グライダーみたいにして使うのか。」
「搭載武器の可動範囲を広げる意味もありますけどね。」
『もう少し東です・・・・えぇ、これで、後は直進です。』
アルバトロスのコントロールは全てこの運転席で出来るようになっている。攻撃も索敵もエンジンの調整も全部ここからだからまぁ全員集まるわな。
そんでもって今操縦しているのはリダ。俺はレーダー、クリンは火器管制、ルゼダは出力調整を行ってるよ。
巨神様は運転席の横に座って指示係、そんでもってシアも合流したと思ったらおもむろに艦長席に座って蔓を伸ばして手の回っていない所をやってくれている。なんで運転方法解ってるんだ?
「シアちゃん、たまに完成前のアルバトロスの様子を見に来てここで遊んでたんですよ。」
「遊んでいるうちに覚えちゃったんですねぇ・・・・。」
「しあひとりでもうんてんできるよ!!」
「見た目生体コンピューターみたいになってるな・・・。」
艦長席に座ったシアの背中から伸びた蔓がウネウネ動いて機械を操作していく・・・。しかも艦長席の下には神器が1つ収まっていて全員のリスポーン地点として登録済み。まるでシアがこの船全体のご神木みたいな状態だな。
「おっ敵が来たぞ。」
「飛竜・・・。ワイバーンの原種ですね。」
「火器立ち上げます。ルゼダ、出力回して。」
「了解ですわ。まずは6連魔道速射砲から試して欲しいですわ。」
「了解。」
6連魔道速射砲、まぁ早い話が6門の銃口を持ったガトリング砲(可動式)だ。丸い土台に銃口のまとまった筒が飛び出していて、360度回転して敵を追尾する。もちろん上下にも動くよ。まぁ追尾すると言ってもこれは手動だけど。
「しあがうえのやる!!」
「じゃあクリンは下部の2門だな。」
「ルドさん敵はどの辺ですの?」
「おっとすまん、もうすぐ射程圏内だ。」
「衝突コースからの回避運動を取ります。注意して下さい。」
「射程に入り次第攻撃します!!」
フィィィィィィィィン!!
巡行運転だった主機関が高い音を出してアルバトロスは敵を回避する為に旋回運動を取る。反重力浮遊機関が付いてるから内部じゃ何も感じないが、外部の様子を映し出しているモニターや窓の外を見ると飛んでいるワイバーンから距離を取ろうとしているのが解る。
「敵射程に入ったぞ。後方5時の方角だ。」
「見えました!!攻撃開始します!!」
バララララララ!!
おー、青い光の粒がまるで数珠の様に連なってワイバーンに襲い掛かってるな。相手も回避しようとするけど、こっちの砲手がその動きに合わせる方が早い。次々に撃墜されて行く。ってかクリンはあんまり当てられて無いのにシアがバンバン当ててるな。凄いぞシア!!
「えっへん!!」
「シアちゃん凄いですね。」
「僕と同じ2門操作なのに撃墜率が4倍以上何て・・・・。」
「呆けている場合じゃないですわよクリン!!大きいのが来ますわ!!あとルドさんはちゃんとレーダー見て下さいまし!!」
「いや、本当にすまん。」
確かにレーダーにはワイバーンより少し大きい敵影が見える。カメラの方を見るとそこには緑色したワイバーンの姿が。
「あんなの居たか?」
「色付きはドラゴン討伐部隊の遠征で確認されていますわよ。緑は風属性の魔法を使うワイバーンですわ。」
「この群れの主でしょうね。」
「艦隊戦の時は5種類も出て来て大変でした・・・・。」
どうやらに参加している飛行型の乗り物の数で出てくるボスの数も変わるらしい。
「で?どうする?」
「ここは主砲でドカンと「「駄目です(わ)」」えぇ~。」
アルバトロスの一番の目玉である艦首主砲を使う事を提案しようとして却下されるクリン。俺も別に主砲で片が付くならそれでもいいと思ったけど?
「今回はアルバトロスの戦闘能力を調べる意味もありますわ。まずは別の武装から試しませんと。」
「あの大物はしばらく攻撃して来ませんから、まずは周りに居るワイバーンから片づけた方が良いです。」
「「と言う事で別の武装でワイバーンを落してからです(わ)。」」
と言う事らしい。ちゅうことでシア。誘導式ミサイルと誘導魔法レーザーでまず周りのワイバーン落しちゃって。
「まずはみさいるー!!いっけーーー!!」
アルバトロスの翼の下がパカッっと開いたと思ったらそこに魔力が集中し始め、そしてミサイル状に固まっていく。そして魔力が十分チャージされた青い光を放つミサイルは、これまた光の紐が付いたワイバーンに向かって飛び爆発。周りに居た敵を多く巻き込んで消滅した。反対側の翼からも発射されたからかなり数が減ったな。
「ゆうどうれーざーもうつよー!」
アルバトロス本体の上部にある発射口がパタパタと音を立てて開いて行く。そこにはレンズの様な水晶が嵌っていて、水晶内部では青い光がチャージされていた。
「はっしゃー!!」
バビューーンッ!!
誘導魔法レーザーは1門から10本は飛び出した。いやどうなってんのそれ?6門あるから60本の光の帯は次々にワイバーンの胸に命中して貫通。バタバタと落としていく。
「クリンもボケっとしていないで攻撃しないと撃墜スコアが伸びませんわよ!!」
「なかなか当たらないんだもん!!」
「もんじゃありませんわ!!当てなさい!!」
「どんどんうつよー!!」
「うわぁ・・・・。ルシファーで俺が引き付けないと戦えなかったワイバーンがこんなにあっさりと・・・。」
「手に入るのがドロップアイテムだけっていうのが残念ですよね。」
どんどん攻撃を続けるシアとクリン。ワイバーンの数が減ってきたところで緑色のウインドワイバーンが何やら口から息を吸い込んでいる。
「ブレスが来ますわよ!!」
「もうあれほとんどドラゴンじゃないのか?」
「ドラゴンとは根本で違う種族なんですって。属性付きのワイバーンはどこかでドラゴンの肉を食べて変質した物らしいですよ?」
「それは公国情報?」
「そうです。」
「こらそこ!!まだ戦闘中ですわよ!!」
初撃はこの艦の耐久を調べる為に受ける事になっている。開発を見て来た俺以外のメンバーはたぶん大丈夫だろうと言ってるな。なんで俺は開発に携わってなかったんだって?そりゃルーシとドルーの面倒見てたからだよ。
『グルガァァァァァ!!』
ブワァァァァァッッ!!
吐き出されたブレスは何やら緑色をした風の渦だった。その渦の中にアルバトロスは飲み込まれるが・・・。さすが反重力機関、ちょっと流されたけどすぐに持ち直した。
「やはり全体を反重力フィールドで覆っているので風系統の影響は受けませんね。。」
「魔力干渉で少し押されたくらいですわね。これなら完封できますわ。」
「主砲撃っていい?」
「「いいですわ(よ)。」」
主砲を使うお許しが出たからなのかクリンは意気揚々と主砲を撃つ準備を始める。
「艦首展開式魔道レーザー砲発射準備!!艦首開きます!!」
「ぜんぶそうていし~。しゅほうにどうりょくでんたつ~。」
「敵ウインドワイバーン補足。ロックオンできたぞー。」
「姿勢制御OK。現在位置で水平に固定。」
「主機関出力上げますわ。50・・・60・・・70・・・80・・・90・・・100・・・110・・・120臨界ですわ!!」
「かんないせいめいいじそうちとしせいせいぎょいがいのまりょくていし~。あんぜんべんかいほう~。」
「主砲トリガー出すぞ。外すなよ?」
「操舵を火器管制に回します。」
「全員対ショック、対閃光防御!!ターゲット誤差修正・・・完了。艦首展開式魔道レーザー砲発射!!」
ドシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!
左右に開いた艦首の中から青いゴン太ビームが発射される。そのビームは同中に居るワイバーンを巻き込みながら直進し、ウインドワイバーンに向かって真っすぐ進む。
ウインドワイバーンも自分の身を守る為に風の障壁の様な物を展開したが。ぶつかったレーザーをしばらく受け止めた後に霧散し、哀れウインドワイバーンの胴体は上下にちぎれ飛んだ。
「いやぁ、やっぱり一度はやってみたいですよねこれ!!」
「たのしいよねぇ~。」
「ちょっと恥ずかしいですわねこれ。次からはやめときましょう。」
「ノリノリでやっちゃいましたけどねぇ。」
「普通に必要無いしな。」
なお、今の発射シークエンスは全く必要なく。エネルギーの充填とトリガーを引くだけで発射できる模様。でも一度はやりたくなるじゃん?
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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