第128話
ダンジョンの1階層を掘り返したと思ったら、1階層として完全に復活した。そこにハンニャベアゴーストが現れ旅人に襲い掛かる。憑依攻撃を繰り出すハンニャベアゴーストに俺は体を差し出し、仲間に被害が広がるのを防いだのだった。
「ぱぱ、どこにむかっておはなししてるの?」
「うん、ちょっと画面の向こうのお友達に向かってな。」
「?(。´・ω・)?」
「まぁ気にすんな。」
「ルドさんは大丈夫なんですか?」
「おぉ、問題無いぞ。」
攻撃を続ける幽霊熊さん。けどダメージは無いし俺の方も精神が汚染されるとかステータスが変動するとかも無い。ちょっと期待したんだけどなぁ・・・・。
業を煮やしたのか熊さんは在ろうことか盾を放り投げ、まるで何かを掴むように手を広げるとリダに向かって攻撃を繰り出した。
ふにゅん
「あっ。」
「「「「「「「あっ。」」」」」」」
「っ~~~~~~~~~!?」
「ぱぱおむねさわった!!いけないんだよぉ~。」
攻撃力が無いからと油断していたリダの胸に俺の手がクリティカルヒット、しかもそのまま掴んだもんだから感触が俺にも伝わる。つまりは、うん、リダさんスレンダーだから普段目立たないけど、しっかりとお持ちでしたね。あっやべ目の前に鬼が居る。いや般若か。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
「いやっこれ熊の所為だから!!俺の意思じゃないから!!こら熊公今すぐやめろ!!ちょっと反応返って来たからって喜んでそこばっかり触るな!!」ふにょんふにょんふにょんふにょん
ギラッ!!
「ひっ!?あのっリダさん聞いてる?これは俺の意思じゃないからね?全部熊のやった事だから。だからそのぉ~ごめんなさい!!謝る!!謝るから!!だからっえっと・・・優しくしてね?」
「全て忘れなさい!!心義夢想流奥義!!『天誅』っ!!」「あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
心義夢想流奥義1<天誅>:全ステータスの合計値×100のダメージを与える。技発動後、一定時間ステータスが低下する(ダメージ軽減スキル無効 ダメージ875万 発動後ステータス4分の1 HPMP残量1)
奥義を使うなんてひどい!!それリダさんが持ってる中で最大攻撃力の切り札でしょ!!危うく頭がはじけ飛んで死ぬところだったわ!!あっごめんごめんごめん、謝るから!!セクハラした俺が悪かったから!!だからその拳引っ込めて!!今HP1しかないの!!死んじゃうから!!今攻撃されたら死んじゃうから!!あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!
きっちり1デス貰って生き返りました・・・・。はい、もう2度としません・・・。ひぐっ・・・ぐすんっ・・・、俺が悪いんじゃないのに・・・・・。セクハラした熊公の憑依も解けないし・・・・。あっ熊が油汗流して安堵の表情してる。そうか、お前も怖かったか。でも原因はお前だからな、許さん。
「耐性獲得しちまう前にこの熊成仏させてやってくれ。これ以上何かされたら俺が持たない・・・・。なんか抜け出そうとしても抜け出せなくなってるみたいだし。」
「なら私がやりますわ。『聖域結界』」
ルゼダが張った結界の光に当てられ苦悶の表情を浮かべる熊、んでもって急いで抜け出そうとしているのは解るが何かに引っかかっているのか抜け出せず、結界を張っているルゼダに攻撃しようにもダメージゼロで止める事も出来ず。それ所か又セクハラしない様に横に立つリダが威圧している所為で、手が出せなくなってじわじわとHPを削られて消えていった。
「終わったか?」
「終わりましたわ。」
「HPの消失を確認しました。」
「くまさんばいばーい。」
だはぁ~、これでこれ以上のセクハラは起きないだろ。ボスと戦う時より怖かったぜ・・・・。しっかし、何で熊公は抜け出せなかったのかねぇ?そんなスキルは持ってないしなぁ。
「あの、ルドさん?」
「リダの姉御どうしやした?」
「姉御は止めて下さい!!ルドさんの所為じゃないって解っていますから。だから普段通りで大丈夫です!!そんな事よりその装備はどうしたんですか?」
「ん?何を言って・・・うわっ!!なんだこの装備!!」
簡素なシャツとズボンだったはずの装備がいつの間にかちょっと禍々しい皮鎧になっていた。ところどころに毛が出ていてふさふさしている。
「なんで装備が変化したんでしょう?」
「ちょっと待って、今見るから。」
変化したのは服とズボンか、さてさてどうなったんだろうか?
般若熊の怨鎧(上・呪):旅人に最初に配られる神の衣が怨念を取り込んで変質した物。防御力を上げるが装備変更は不可となる。般若熊の怨鎧(下)と合わせると特殊スキル※※※※が発動する。(※スキル変質中につき非表示。)DEF+1000 スキル※※※※ 耐久∞
般若熊の怨鎧(下・呪):旅人に最初に配られる神の衣が怨念を取り込んで変質した物。防御力を上げるが装備変更は不可となる。般若熊の怨鎧(上)装備と合わせると特殊スキル※※※※が発動する。(※スキル変質中に着き非表示。)DEF+1000 スキル※※※※ 耐久∞
なるほど、ハンニャベアゴーストが抜け出せなかったのって、初期装備に自分の怨念が吸われていたからなのか。まぁこいつと戦う時には装備何てすでにガッチガチに固めてて、初期装備で戦う事なんて無いわな。
見た目は赤黒く、赤い引っかき傷の様な模様があちこちに刻まれている。首や肩回り、腕にもふさふさの茶色い毛が飛び出して、なぜか熊のフードが首の後ろから垂れ下がっている。腿と脛を守る為に分厚くなっている部分にも毛が付いていて、全体的に金属が使われえていない皮鎧のセットに防具が変化していた。
しかもこれ呪いの装備じゃねぇか!!装備変更不可とかふざけんな!!ATK上がる装備が出た時の為に残しておいたのに!!
あっ畜生!!フードが頭装備扱いになってそっちも装備できなくなった!!こっちには補正値も乗らないし一体なんなんだよこれっ!!ぐぬぬぬぬ、脱げねぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?
「ルゼダァ~、呪い解除してくれぇ・・・。」
「畏まりましたわ。『抗呪の光』」
降り注ぐ光が変質した鎧に吸い込まれて行く。しかしどこからか『GUOOOOOOOO!!』という叫び声が聞こえたかと思ったらその光は消えていった。
「・・・・失敗しましたわね。」
「ちょっとまて、つまりこれ解呪出来ないのか!?あっ回復は!?回復は出来るのか!?」
「『癒しの光』『獅子王の激励』・・・・。回復とバフは行けますわね。解呪だけが出来ないようですわ。」
「くまさんののろいつよーい。」
「私がもう一発殴りましょうか?」
「「「「それはやめて」」」」
リダは今ステータス下がってるんだからマジで大人しくしてて。HPとMP回復するのが先!それにこれ以上殴られたら本当にデスペナ貰っちまうから却下!!
「そうですか、残念です。まだ試したい技があったのに・・・・。」
「今度付き合うから、なっ?修行の時にしよう、うんそうしよう。」
「仕方ありませんね。絶対ですよ?」
ふぅ、何とかこの場は切り抜けたぜ。いやぁ冷汗掻いた。心なしか鎧の方も冷や汗を掻いている様な?
「さて、どうすっかなぁ。」
「図らずもルドさんの装備が整いましたし、やっぱり下に行きませんか?」
「呪われていますけどね。」
「いつか解呪してやりますわ。」
「えぇ~。ぱぱかっこいいからこのままがいい~。」
話が脱線して行ってるぞ。まぁ潜る事は決定で、どの程度潜れるかって所か。最下層までどれくらい降りなきゃいけないのかも調べないとなぁ・・・・。
「よっしゃ、まずは慎重に降りていくぞ。さっきのボスもそうだしその前の魔物も元々確認されていなかった種類だ。十分注意していこう。」
「俺達も一緒に行っていいか?」
「私達もお供したいです。」
「人数多い方が観察する眼も増えますし良いんじゃないですか?」
「そこはリーダーに任せますわ。」
「俺の指示に従うなら別にいいぞ?一緒に来るなら守ってやるしな。」
俺の返事を聞いて、一緒に戦っていた人達は喜びの声を上げる。こらこら君達、俺の前でレベル上げだのレアアイテムドロップだの盛り上がるんじゃありません。俺だけ除け者みたいで寂しいじゃないか!!
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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