第63話

住民との話し合いで俺が街に行くことになりました。


「ちょっっと待った村長!!」

「どうしましたルドさん?」


話し合いが終って解散!!みたいな雰囲気出してますけど、俺まだ街に行けないでしょうが!!


「あぁ街に行けるのかを心配しているのですね?大丈夫ですよ、今回の武術大会の騒動を鎮圧した功績でギルドランクがDに上がっていますから。そうですよね?カマーン。」

「えぇそうよ。武術大会に参加して騒動を鎮圧した人達が冒険者ギルド所属なら、無条件で1段階ランクを上げる様に国から通達が在ったわ。」


へ?この美人さんは一体誰?ピンクのドレスはどっかで見た事有るけど・・・・・。


「もうどうしちゃったのルドちゃん?そんなに見つめられたらお姉さん困っちゃうわ。」

「えっ!あっそのすみません?」

「ふふふ、私とルドちゃんの仲だもの、許してあげちゃう♡。」


いやこんな美人さんなんて知りませんけどぉぉ?ってか村長がさっきカマーンって・・・嘘だろ?


「えっと失礼ですが・・・カマーンさんですか?」

「もう何言ってるのよルドちゃん?私に決まってるじゃない。」

「うえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」


いやいやいや変わり過ぎ!!あの筋肉どこやったの!?うわぁ、ドリルヘアーって初めて見た。胸もでけぇ。それよりなにより、あのTHE男!!みたいな顔をしていた顔が超絶美人に!!


「そうか、ルドはまだ見てなかったか。」

「ルドきゅんは知らないまま武術大会に参加したんでしたね。この前使った性転換の魔道具の効果ですよ?ちなみに私も又使ってます。どうです?綺麗ですか?」

「師匠は見た目変わんねぇから。」

「そんなぁ~(´・ω・`) いやこれは男の状態でもルドきゅんを誘惑できるという事では?」

「好きにすればいいと思っていたから言わなかったが。シチートよ。お前は本当に自重しろ?」


いやいやそれにしてもこんなに変わるとは魔道具ってすげぇな。


「リダさんは知ってた?」

「・・・・・・( ゚д゚)ポカーン」


知らなかったみたいだね。口開けて固まってるw


「見た目は変わったけど中身はそのままなのよ?そんなに驚かれたら悲しくなっちゃうわ。」

「いやぁ、筋肉ゴリラが美人のお姫様に変わってたら誰でもこうなりますって。」

「誰が筋肉ゴリラだごらぁ!!」

「また男が出てるぞ。」

「あらごめんあそばせ。おほほほほ。」


カマーンさんの変化はともかく、これで俺のランクはD!!つまり街に行けるって事だ!!


「やっほーーーー!!」

「喜んでるところ悪いのだけど。ルドちゃんには街まで行くのに条件があるのよ?」

「ふぁっ!?」


何でこう俺のゲームは進んだと思ったら立ち止まる事が多いんだぁぁぁぁぁ!!


「そんなに心配しなくても条件は簡単。戦える仲間か友魔であるシアちゃんを連れて行く事。ねっ?簡単でしょ?」

「いやそりゃもう本当に簡単ですが、何でです?」

「考えたら分かるだろうに。お前は攻撃出来ないんだ。そんな状態で街まで移動したら村から街の間に居る魔物を引き連れていくことになるぞ?最悪街で犯罪者として捕まる。それでもいいのか?」

「なるほど!!トレインしちゃうからか。いやぁそりゃ駄目だわ。」


しかも現状戦争状態だから街の人に隣国がモンスを使って攻めて来たと思われるかもしれない。戦争を止めたいのにそんな事をしたら本末転倒だ。


「あの、私も一緒に行っていいんですか?」


俺が納得して頷いている時にリダさんが手を挙げて村長に質問した。


「えぇもちろんです。先ほど言いましたよね?ルドさん達と。リダさんもメンバーの一人です。」

「ん?1人って事は他のメンバーは?」

「あっそれは僕達です!!」


手を挙げて出てきたのは全体的に黄緑の服を着ている男の子と、白いローブに装飾を施している魔法使いだと思われる女の子だった。


「おー、クリンとルゼダじゃないか。お前達も来るのか。」

「はいっ!!よろしくお願いしますルドさん!!」

「よろしくお願いします。」


この二人は自警団に参加しているプレイヤーの2人。一緒に訓練していた事もありとても仲がいいのだ。えっ?名前がどっかで見た事有る?そりゃそこから名前貰っているって言ってたから。


クリンは茶髪に尖った帽子をかぶっていて剣士をしている。ルゼダの方は魔法使いだね。ロールプレイの為なのか光の属性を取って回復と補助に長けている。2人共同じ作品が好きな者同士、仲も良く連携もうまい。


「この4人で街まで行くって事でいいの?」

「はいそうです。街に行って、領主にこの手紙を渡してください。」


村長が取り出したのは封書。封蝋まで使った正式な物だ。あれ?こんなマーク村に在ったっけ?


「村長?この封蝋の印は?」

「この村のシンボルですよ。武術大会の間に登録しておきました。村を守ってくれたルド君と、村に住んでくれる皆さんの飛躍を現しています。」


印には盾の中に翼が書かれていた。うわぁ、理由を聞いて超恥ずかしい!!


「良かったですねルドさん。」

「いやめっちゃ恥ずかしいんだけど?」

「でも僕達がこの村で生活できるのもルドさんのおかげなんですよ?」

「クリンの言う通りですよ?誇って良いと思いますが?」

「それにもうこの封印は登録されているからね。いまさら変更は出来ないよ。」


まぁさ、別に嫌なわけじゃないんだよ。今よりもっと村を守っていきたいと思う様になるからね?


「今日はもう遅いし、街まで行くのは次の機会だと思うんだけど皆は行けそう?」

「僕は大丈夫です!!1時間休憩したらすぐ入れます!!」

「私も大丈夫です!!」

「わたくしも入れます。」

「うっしそれじゃあ休憩してから街まで行こう。村長、出発は明日になりますが大丈夫ですよね?」

「えぇ、それくらいであれば大丈夫です。元々6日後でも良いと思っていましたので。」

「それじゃあ皆、いったんログアウトしてからこの広場に集合するって事で!!あっシア、しばらく一緒に動く事になるから実の方は沢山作って置いてくれる?栄養は大丈夫?」

( ´∀`)bグッ!


「おっけ、それじゃあよろしく。」

「あっルドさん、落ちる前に野営セットを買っておきましょう。食料も必要ですね。」


このゲーム、満腹度の表記は無いんだけど実は空腹が在ったりする。それはもう現実みたいに腹が減って来るとお腹が鳴って目が回って来る。そうなると戦闘どころじゃないので皆ちょこちょことご飯を食べているのだ!!携帯食もあるからね。うん完全にカ〇リーメ〇トだけど。


「後は移動手段が確保できるかどうかですが・・・・。」

「おう、そこは心配するな。」

「何か考えが在るのか親父?」

「何言ってんだルド?そろそろエンヤが戻って来るだろうが。」

「あっそうだった!!リダさん、エンヤさんに乗せて貰えばいいよ。村で荷下ろししたら座る場所もあるはずだし。」

「えっと?そのエンヤさんとは?」

「親父の店の仕入れ担当。」


親父が自分で仕入れする時の小さな馬車じゃなくて、4頭引きのでかい馬車を使って仕入れをしてくれているのがエンヤさん。小柄な人で何と!!種人種(たねびとしゅ)っていう種族の人です。見た目が完全にショタだから一部のお姉さんから人気があります。


エンヤさんの凄い所はその見た目まで使って交渉をうまく進める事、いやぁさすが親父の店で元から働いていた商人。怖いねぇ。


「到着は明日くらいだったよね?」

「そうだな。だから丁度いい。乗ってけ。」

「サンキュー親父!!」


よっしゃ!!食料や道具を買い集めたら念願の街だ!!領主に手紙を渡したら鍛冶屋に行くぞーーーーーーー!!


毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!

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