第64話
ほいログイン!!時間通りだね。おっもうみんな集まってる。
「ごめんごめん待たせたね。」
「あっルドさん!!いえいえ僕達も今来たところです。」
「皆で物資の確認をしていました。」
「クリンが何も用意していなくてすみません。」
(。-∀-)
クリンの奴、罰が悪そうに頭を掻いてる。全くちゃんとしろよ。
「ルドさんも用意は良いですか?」
「食料は買った。飲み水もある。武器の手入れ用の砥石も持って来たし。後は人数分の野営セットとテント、警戒用の警報魔道具に手持ちのランタンと明かりの魔道具。それと簡易調理セットに「ちょっちょっと待ってください!!」ん?どうしたルゼダ?」
( ゚д゚)ポカーン
何でそんな呆れた顔してるんだ?クリンとリダも、シアまで一緒になって呆れてるし。
「もしかしてインベントリの中に沢山野営道具が入っていますか?」
「そうだが?」
「「「持ちすぎです!!」」」」Σ(・ω・ノ)ノ!
えー、うっそだぁ。もしもの時とか考えたらこれでも足らないよ。
「懐疑的な表情してますが、普通そんなに持ち込みませんからね?」
「ルドさんがすみません!!村から出た事ないから知らないんです!!」
「いやそんな事は無いぞ?だって親父が持ってけって渡して来たんだから。これで最低限って言ってたし?」
「「「過保護っ!?」」」
(;゚Д゚)
とりあえず持ってても問題無いんだから良いじゃないか。
「この状態でキルされたらその道具全部無くすんですからね?」
「普通のプレイヤーは貴重な物は預けておいて、最低限の物資でやりくりしますからね?」
「ルドさんもやらかしたりするんですねぇ。僕驚いちゃいました。」
「失礼な。俺も人間だから失敗くらいするよ。」
┐(´∀`)┌ヤレヤレ
とりあえず全員の持ち物チェックが終ったので親父の店まで移動。
「親父―、エンヤさん帰って来てる~?」
「おう、今丁度戻って来たところだ。」
「お久しぶりでやんすルド坊ちゃん、シアちゃん。」
( ‘∀‘)ノ
俺達に頭を下げる10歳くらいにしか見えない男。きゅるんとした大きい瞳、髪は緑で瞳も緑!!頭には小さな花が咲いているこの人物こそが雑貨屋の仕入れ担当エンヤさんである。なおこれで成人している種族なのでガキとか子供とか言ってはいけない。可愛いとかなら喜ぶけど。
「坊ちゃんは辞めてくださいよエンヤさん。」
「いえいえ、ルバートの旦那の息子ですから坊ちゃんですよ。それでお話は聞いとります。4人と友魔1匹を街まで連れて行くで間違っとりませんかね?」
「えぇそれでお願いします。乗れそうですか?」
「今回はシアちゃんの実と魔物の素材を持っていくだけでやすから十分のれやすよ。積み込みも完了しておりやす。」
「ありがとうございます。それじゃあお世話になります。」
「あっ私リダです!!お世話になります!!」
「僕はクリンです。お願いします。」
「ルゼダです。乗せて頂いて感謝します。」
「はいよ、エンヤでござんす。短い間ですがお願いしやすね。」
皆が馬車に乗り込んでいる時に親父が俺の所に近付いて来た。
「気を付けて行って来いよ。そんでもってこれ持ってけ。」
「これは?」
「鍛冶屋への紹介状だ。一回商業ギルドに顔出してこれ見せろ。そうしたら案内してくれるはずだ。」
「サンキュッ。有難く使わせて貰うよ。」
「・・・・。もう村の事は気にしなくていいぞ。」
「?どういう意味だ?」
「いやな。エンヤもあんな事を言ってるが、俺はどうもお前が村に縛られてる感じがしてな。お前のおかげで村は強くなった。もうお前が居なくてもだ丈夫だ。だから「おいおいおい、何を勘違いしてるんだよ親父?」あん?」
「俺が村に縛られてる?ないわー、そんなの無いわー。俺結構好き勝手やってるからな?その上で村に居たいと思ってるんだよ。他所に冒険に言っても俺は絶対ここに帰って来るぞ?師匠の技全部まだ覚えてないし、村長との茶飲み話も楽しいし。なんてったって親父を揶揄のも面白いからな。」
「おいこらっ!!やっぱり揶揄ってやがったか!!」
「ははははっ!!まぁなんだ、だからちゃんと戻って来るよ。心配すんな。」
「・・・・おう。」
「そうですよ、ルドきゅんにはまだまだやる事が在るんですからね?私をお嫁さんにするとか。」
「ルバートの事は心配無いわよぉ~?私がちゃーんと面倒を見ておきますからね♪」
「村の事は心配しないで下さい。だから外の世界を思う存分見て来てください。」
「ほっほっほ、楽しんできなさい。」
「えぇ、でも悪い事をしてはいけませんよ?」
「ルド君なら大丈夫よ。なんてったってシアちゃんが付いていますからね。ねぇシアちゃん?」
( ´∀`)bグッ!
何時の間に皆来たの!?領主に手紙出しに行くだけだよ?今生の別れじゃないんだから大げさなんだよ・・・・。
「あれ?ルドさん泣いてます?」
「泣いてねぇよ!!ほらさっさと出発するぞ!!さっさと用事済ませて帰って来てやる!!」
「ルドさんもうホームシック何ですか?」
「いくらなんでも速すぎると思われます。」
「ちがわい!!」
「出しやすよー。」
( ̄m ̄〃)ぷぷっ!
ガタンッ!!ポッカポッカポッカポッカ。
馬車が動き出し、どんどん村から離れていく。そんな中俺は見送りに来てくれた皆に向かって手を振った。PTメンバーも同じように村の人達に手を振る。
「「「「行って来ます!!」」」」(´∀`*)ノシ
「「「「「「「「「「「「いってらっしゃーい!!」」」」」」」」」」」」」
こうして俺の初めての遠征は始まった。
「うげぇ~。」
「ほらリダ、水でも飲め。酔い止め要るか?」
「ぐだじゃい。うっぷ。」
「ほれ吐くなら外に向かってやれ、やっぱり色々用意してて良かったじゃないか。」
「ははは、ルド坊ちゃんは本当、ルバートさんにそっくりでやす。」
「そうか?ほれクリンとルゼダも、酔い止め飲んどけ。」
「「ずびばぜん。」」
エンヤの引く馬車は4頭立てのでかいやつでなんと立派な箱馬車だ。荷物を安全に運ぶためにサスペンションなんかも板バネで付けてあるんだけど。何分道が舗装されてなくてね?そこら辺の感覚もリアルに感じるわけですよ。
俺以外の3人は窓から身を乗り出してリバースの真っ最中。これ出発してから1時間後の事だからね?俺?俺は元々酔いには強いから。
「そういえばエンヤさんはいつも1人で仕入れに行ってるだろ?魔物とかに襲われたらどうするんだ?」
「坊ちゃんは気付きませんでした?シアちゃんは気が付いたんですがね。引いているこいつらは馬じゃないんでやすよ。あっしの友魔でホースバトラーちゅう魔物なんでやす。」
「あー、なるほど?その魔物の気配で近寄って来ないと?」
「そうでやすね。こいつら普段は大人しくて主人の命令を甲斐甲斐しく聞くでやんすが。いざその主人が窮地に陥ると命を懸けて戦うんでやす。他の魔物もその習性を知っているでやすから、近寄ってこないでやすね。」
「もしかして名前も執事と戦闘狂を掛けてるか?」
「そうでやすね。一度主人と決めた人の為なら、本当に命懸けで暴れるでやすから。その忠誠心と戦闘力からその名前になったと聞いてるでやす。」
「なぁそろそろ口調戻していいぞ?おれ知ってるし。喋りにくいだろ?」
「・・・・。ごほんっ、これは失礼しましたルド坊ちゃん。」
俺が声を掛けると小姓っぽい喋り方から執事の様なしゃべり方になるエンヤさん。
「ルバート様からお聞きしておりましたか?」
「うん、元々親父の所で執事やってたんでしょ?親父の奥さんと娘さんの事も聞いたよ。」
「そこまで信頼されているのですね。本当に良かった・・・・。」
エンヤさんが目頭を押さえる仕草をした後空を見上げた。
「ルド坊ちゃんが来てから、ルバート様は昔に戻られた気がします。」
「そうかなぁ?ふざけ合ってるだけだと思うけど。」
「それが出来ない程、あのお方は心に余裕が無かったのです。私もお助け出来ず、ただお手伝いをするだけ・・・・。でも今はとても楽しそうだ。」
ニコリと笑って俺に頭を下げるエンヤさん。
「ルバート様を救って下さってありがとうございます。」
「好きでやった事だよ。それに親父には俺も救われてるから。お互い様だよお互い様。」
「ふふふ、本当によく似ていらっしゃる。」
(・∀・)ニヤニヤ
あっこらシア!!話を盗み聞きするんじゃありません!!ったく屋根の上に居るから話が筒抜けなの忘れてたよ。
「「「(・∀・)ニヤニヤ」」」
「・・・・もう酔い止め渡さんぞ。」
旅路は賑やかに過ぎ去っていく。その先に暗雲が立ち込めている事に気が付かぬまま。
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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