第54話
大会当日でござる!!ここは何処かって?武術大会様に作られたコロッセオの中です。そう、初めて、このゲームを始めてついに!!村以外の場所に来ましたぁ!!
「まぁ転移で一瞬だったんですけどね。」
「それな。」
参加者の送迎の為に国から転移魔法が使える魔法使いが派遣されて一瞬でしたわぁ。しかも大会期間中は外に出れなくて、終わったら即魔法で送り返してもらえるらしいですわぁ。ちっ!!ぬか喜びさせやがって!!
「それにしてもルドさんは緊張していませんね?私はさっきから手足が震えてるのに・・・。」
「まぁ何てったてゲームだし?それに俺の負担そこまで大きくないもの。攻撃は全部リダさんに任せるしね。」
「その分ルドさんは防御に気を付けないと駄目じゃないですか。頼りにしていますよ?」
「こちらこそ。行けるとこまで行こう!!」
ピンポンパンポーン⤴ ただいまより****武術大会を始めます。出場者の方は控室に入ってください。係の者が順番に呼びに参ります。ピンポンパンポーン⤵
コロッセオに備え付けられていたスピーカーから天の声っぽくアナウンスが流れた。聞き取れない部分はまだ街に自力で到達出来てないからだろうね。
「さて控室に行きましょうか。」
「せやね。」
はてさて、一回戦目の相手は誰じゃろな?
控室で待っている間に武術大会のルールを確認しておくか。えっと今回の武術大会はシングル、ダブル、チーム、ギルドに別れ、それぞれの会場で一斉に開かれてるんだよな。
でそれぞれの会場でトーナメントを行い、勝ち残った人たちがどんどん順位を上げて行くと。最後に勝ち残った人が優勝だね。
会場は石畳で整えられた舞台が用意されていて、そこに魔道具で結界を張っていると。その結界は内部から外部への攻撃を防ぐと共に、内部の人が致命傷を負っても無傷で外にはじき出すという代物。まぁ何て都合のいい道具でしょう。
「神器らしいですよ?」
「まぁ性能考えるとそうよね。」
勝敗の決し方は相手の全滅か場外で、武器や魔法の規制はない。どんな手を使ってもいいけど、家族を人質に取るとか、権力をひけらかして相手に負けを強要する、なんて事をして勝敗を決する事だけはしちゃ駄目!!これは過去に在った武術大会での不正を防止する目的だって。
優勝者には何と!!任意のスキルが1つ貰える宝玉と賞金1億マネが貰えます!!準優勝者にはランダムなスキルを覚える宝玉と賞金5000万マネ。3位は賞金2000万マネ。それ以降は無し。
個人的には優勝か準優勝を狙いたい所だけど・・・・。まぁ無理よね。
「ほっほっほ、もう来とったか。」
「リダや、調子はどうだい?調子の悪い所はない?」
「大丈夫ですよ!今日は全力でぶつかりますよ!!」
「期待しておるよ。ルド君も、楽しませておくれ。」
「出来るだけ粘りますよ。」
この二人に勝てる気しないもの。それに他の残った開拓村の住民も皆強そうだし、10位以内に入れれば健闘した方じゃない?ダブル出場者は30組。大体の旅人がシングルかギルドに流れたからほとんど住人だ。
『神誼武創流様、舞台にお上がりください。』
仮面をつけた案内人が2人を呼びに来た。チーム名で登録するから呼び出しもチーム名だね。なんで仮面を着けてるのかって?知り合いが居ても八百長を組んだりしないようにだって。あの仮面、装着者に不正をしないよう誓約を掛けてるらしい。
「それじゃあ行って来るかの。」
「二人も頑張ってね。」
「お爺さんもお婆さんも気を付けて!!」
「応援してますよ。」
2人は外に出て行った。さて控室で大会の様子が見えるのか?そう思った人は多い事でしょう。残念ながら見えないんですなぁこれが。
後日映像保存結晶に大会の様子が収められて配られるらしいんだけど、公平性を保つために大会中は他の参加者の戦いが見えない様になってる。
だからまぁ、秘匿している技なんかもバンバン使っていいって事だね。対戦相手が知る事は無いんだから。
えっ?スパイが居たりしないのかって?控室に来れるのはさっきの案内人と選手だけ。それ以外の人が近づくことも出来ないし、通信的なやり取りは全て阻害されておりまーす。今の王様はかなり力入れてるみたいでね。不正を見つけたら一家郎党処刑するって宣言してるからそんな馬鹿な事をする奴は居ないよ。
「ふぅ、やっぱり緊張しますね。」
「そう?やる事やるだけじゃん。」
「なんだぁ?田舎もんは女連れで参加すんのか?彼女にカッコいい所でも見せようってのかよ。」
あーはいはい、無視だ無視。この手の奴は相手したらめんどくさい。
「対戦相手どんな人だろうね?」
「私としては魔法使いよりも前衛が多い組み合わせが良いですね。フルプレート二人組とか相性とてもいいと思います。」
「無視してんじゃねぇよ!!」
俺の肩に手を置いて自分の方にひっぱる男・・・・あれ?よく見たらこいつ・・・。
「なんだネインじゃん。久しぶり。ジャイアントラビットに突かれたお尻大丈夫?」
「なっお前っどうしてここに!!」
俺の顔を見て驚いた顔をするネイン。いやぁこんな所で合うなんてねぇ。あれ?っていうかこいつって赤落ちしてなかった?まだ名前赤いよね?
「すいませーん、係員さーん。」
『何でしょう?』
「こいつ赤落ちですよ?なんでここに居るんです?」
「ちょっお前余計な事を!!」
『<看破>・・・。申し訳ございません。こちらの不手際です。』
うわぁ、あっという間にネインが拘束された。係員さん超強いのね。ってかどうやって潜り込んだのさ?
「畜生!!覚えてろよ!!」
『皆様お騒がせしました。』
係員に連れてかれたネイン。他の参加者は我関せずだね。
「ルドさんはどうして彼が赤落ちだと解ったんですか?」
「えっ?名前赤くなかった?以前にもMPKされそうになってそれで知ってたんだけど・・・。」
「私には普通のプレイヤーネームに見えました。」
「何か道具でも使ってたのかな?」
覚えてたら後でどうやって潜り込んだのか聞いて置こうっと。村の防衛にも関わるしね。
『シールドフィスト様 舞台にお上がりください。』
おっ自分達の番が来たね。えっ?名前どうにかしろって?いや色々意見は出たんだよ?でも考えるの面倒くさくて・・・。師匠が出した「ルドきゅんと下僕」よりはマシだと思う。下僕呼びされたリダさんにぶっ飛ばされてましたよ師匠。
あっちなみに師匠は村の守りの為に残っています。えぇ、親父が縄で縛ってベアンさんに引き渡していました。一緒に来ていたら今頃どうなって居た事やら・・・。
係員に案内されてコロッセオに出る。舞台の上にはすでに対戦相手が待っていた。
一方は槍を持って佇む男、もう一方は弓を持ってる女。槍使いと弓使いか。なんぞ舞台の上でいちゃついてますなぁ。相手が来てるのに口付けするなんて非常識だと思いませんか?槍使いは夜の槍を使うのもうまいってか?なんかだんだん怒りが沸いて来た。
「リダさんや、容赦なくやっちゃいなさい。」
「えっどうしたんですルドさん?顔が怖いですよ?」
「なぁに、武術を侮辱しているあいつらにお灸を据えたいだけですよ?」
「はぁ?」
『それでは両者位置について。』
槍使いが槍を構えながらこちらを見rあ“ぁ”ん?あの野郎槍構えながらリダさんにもウインクしやがった。弓使いの方もカッコいい彼に言い寄られたら仕方ないよねって感じで見てるし!!よし無様に負ける権利を貴様らにやろう!!なにもさせん!!
「リダさんや、やっぱり最初は任してくれ。」
「えっ?大丈夫ですか?気持ち悪い人なので助かりますけど・・・・。」
「とどめは任す。相手が“動けなくなる”まで待ってくれ。」
「分かりました。」
俺の後ろに下がるリダさん、俺は盾を構えて戦闘に備える。
『始めっ!!』
「さぁ僕の槍に恐れおののくがいい!!」
「キャーっ!!ソウったらカッコいいー。」
そんな煽り文句何て実戦じゃ意味ねぇぞごらぁ!!新EXスキルのお披露目じゃーーーー!!
「守護双壁流『城壁』×8!!」
ズドンッ!!
「「ぐえっ!?」」
説明しよう!!守護双壁流『城壁』とは師匠であるシチートが城塞という異名を取るに至った特殊スキルの1つである!!その能力は任意の場所に壁を生み出せるという物。なんと脅威の壁一枚に消費MPが1!!MPが増えれば作れる壁も増えちゃう!!壁の固さは使用者のDEF依存。生成距離は使用者のMIND依存となる。壁の大きさや厚みはある程度変えられるが使用者の身長を越える壁は作れない。
「咆哮!!『戦場でいちゃついてんじゃねぇぞ《゚Д゚》ゴラァァァァァァァァァァァァア!!』」
弓使いが開始すぐに撃っていた矢がこれでこっちに来る!!飛んで来た矢は俺の盾に弾かれて床に落ちた。これでもう奴らは動けない、何故なら生み出した壁の中でぎっちぎちに固まっているからだ!!人って無理矢理狭い所に入れられたら質量が変わらない限り身動き取れないんっすよ。(師匠の技で経験済み)
「やっちゃえリダさん!!」
「えー・・・。良いのかなぁ?」
「良いの良いの、戦場で気を抜いてる方が悪い。その証拠に観客の声を聴いてみ?」
いいぞー!!そいつの言うとおりだー
時と場所を選ばずにいちゃついてるのが悪いぞー
むかつくからぶっ飛ばせー
野郎の顔面ボコボコにしてくれー
「なっ?」
「私怨がだいぶ入ってるように思いますが・・・。まぁ仕方ないですね。では失礼して『心通』!!」
「ぐへっ!!卑怯だぞこんなごふぅっ!!」
「正々堂々戦いなさへぶぅ!このちょとかわいいからって調子にあうっ!!」
「戦場で魔物相手に同じ言い訳するんですかね?」
「するんじゃね?まぁその前に死んでそうだけど。」
壁で身動き取れず、リダさんに一方的にボコボコにされた2人は仲良く外に転送された。
毎回無断転載対策で以下の文を入れます。読み飛ばしても大丈夫です。無断転載ダメ!!絶対!!
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