帰り道と side小春

「涼真くん。改めて、今日はお疲れ様でした。」


神崎さんとの話が終わり、菊池くんと朱莉ちゃんとも別れて二人で帰っているタイミングで涼真くんと話しながら歩く。


「あぁ、ありがと。やっと終わったよ。」


ようやく肩の荷が下りたといって眉を下げて笑う涼真くんにドキッとしつつも、それを聞いて私も一安心できた。これで涼真くんの負担が減るといいな。


「ほんと、いろいろ迷惑かけてるのに、こんな時間まで待たせちゃってごめんな。」


申し訳なさそうに私のことを見る涼真くん。

うぅ……。やっぱりかっこよすぎる…。


「い、いえいえ!そんな謝らないでください!私も家に居ても気になってしまっていたと思うので…!」


そう?と言う涼真くんに私は続けて言います。


「それに、こうやって一番に教えてもらえたのでうれしいです。」


それを聞いた涼真くんは、少し目を開いてクシャっと笑った。


「ははっ。そうだな。小春が一番だ。」


くくっと涼真くんは笑い続けていています。

私、何かおかしなこと言ったでしょうか!?


「な、なんでそんなに笑うんですかっ!」


「ん~、いやぁ。だって、かわいいこと言うなぁと思ってさ。」


「か、かわっ…!?」


「ぷ、くくくっ」


「あぁ~!!さてはからかってますね!?もうっ!もう~っ!!」


そのあとも涼真くんにからかわれたりいろんな話をしながら家まで送ってもらい、ご飯とお風呂と課題など今日のことを済ませてからベッドに横になった。


「はぁ~っ……。よかったなぁ、涼真くん。やっとゆっくりできるんですね。」


帰ってからもこまめに返事をくれる涼真くん。他愛のない話にも無理せず付き合ってくれているのが伝わってくる。


あっそうだ。と今ならいいかなと思いメッセージを入力し始めた。


「えーっと。『もしよかったら、来週のお休みとか遊びに行きませんか』っと。」


えへへ。これぐらい言ったっていいよねっ。

私、彼女ですから!……まだ、仮ですけど。


ブブッ


送ってから少しして返事が来る。もう見てくれたんだなと嬉しくなって確認をしていく。


『涼真:あー。来週の休みは綾香たちの遊園地のお守りしに行かなきゃなんだ。ごめんな。』


「『わかりました…大丈夫です、気にしないでください!よかったら、また別の日に行きたいです!』っと。そうだったんですね~。いいなぁ遊園地。」


前に話してた遊園地……。残念だけど私だけの時間じゃないですからね。

せっかく落ち着けるようになったんだからゆっくり羽を伸ばしてほしいですね。


次の予定はいつかなぁ~とカレンダーを見ていたら急に涼真くんから電話がかかってきました。わっ、なんでしょうなんでしょう?


「も、もしもし!」


『もしもし。ごめん、急にかけちゃって。』


電話越しの涼真くんの声もいいなぁ。って違う違う!


「いえっ。大丈夫です!ど、どうしました?」


『せっかく誘ってくれたのに断ることになって申し訳ないってのを直接言いたいなと思って。ほんとごめんな。』


「そんなそんな、気を使わせてしまったみたいで…すみません。大丈夫ですよ。」


そんなところまで気にしてくれるなんて…。うぅー優しすぎですっ。


『いや、全然気を使うとかじゃなくて、その、俺も小春とデートしたかったからなぁって。』


「そんなそんな………、え??!?りょ、涼真くん!?あの!!!」


『いや、えっと。何言ってんだろ。あーっとそれだけだから。じゃ、じゃぁまた!』


「あ、ちょっと、ちょっと待ってください~!!!あっ………」


プツッ


「っ~~…!!もーっ!涼真くんは、もー!!!ずるいです!!!!」


ほんとうにずるいです。私が喜ぶってきっと知ってて言ってるんです。

それに喜んじゃう私も私なんですけど。


枕をぼふぼふとたたきながらこの行き場のない感情をなんとかしようと、スマホを操作して朱莉ちゃんへと通話をかけていく。

急にかけたのに何コールか響いた後すぐに出てくれた。


「あ、朱莉ちゃん?ごめんなさい、急にかけてしまって。ちょっと今お話し聞いてくれませんか?……あ、大丈夫ですか?よかったぁ……。え、何があったのって、そう!そうなんです!涼真くんがね………」


さっきあったことから今までで起こったことなどが話し始めると止まりませんでした。朱莉ちゃんには申し訳なかったです。途中もう勘弁してよ~と言われたのでそこからは最近のおすすめの動画や、メイクの話、新作が出たねって話になり、今度一緒に買いに行こうねって決めました。

すっごく楽しかったなぁ。今度会うときお礼しなきゃですね。


遊園地綾香ちゃんたちって言ってましたよね……。前にも聞いてましたけど、絶対涼真くんのことが好きな子がいて……。中学生…むむっ。


涼真くんは素敵な人なので、たくさんの人が好きになっちゃうのはわかるんですけど、やっぱり私が一番になりたいですからっ!


私は仮ですけど、彼女ですから!!!絶対負けませんよー!




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ちょっとした宣伝です。


異世界系とかかいてみたくて、プロローグだけなんですが投稿したものがあります。

続きはほんとまだ考えてないんですがぜひ。


よく来たな勇者よ!我と友達になろう!!

https://kakuyomu.jp/works/16817139556579974015/episodes/16817139556934685662


少し修正しました…。

やっぱ読み返さないと忘れちゃいますね…。

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