◻️矢印さまの言うことにゃ!
【完結後の後書き】本編のネタバレがあります。
① 矢印さまを書いたきっかけ & キャラについて
こちらは、2022年3月12日にFANBOXに掲載した『矢印さまの言うことにゃ~』の完結後の後書きです。
現在、後書きや番外編を、一箇所にまとめようと思い、FANBOXから舞台裏に移動中です。通知が行くかもしれませんが、気にせずスルーしてください。
(この文面は、しばらくしたら削除します)
↓↓↓
皆様、こんにちは!
雪桜です。
今回は【矢印さまの言うことにゃ!〜高嶺の花になった元・幼馴染に告白したら『結婚してください』と言われた話~】(https://kakuyomu.jp/works/1177354054922821045)が、番外編まで、無事に完結したので、完結後だから語れる裏話を語りに来ました。
キャラクターについてとか、創作時のハプニングとか、作者アホだろ!な話を色々語りますので、興味ある方だけ読んでください。
●電撃新文芸のお題『無双』に挑戦
この作品は、元々、電撃新文芸の公募用に考えたお話でした。
テーマがいくつかありまして、その中で「無双」を選びましたが、ラブコメを書いてみたかったので、舞台を現代にし、無双出来そうなネタを探しました。
そしたら、あっさり矢印様を閃いた。
というか、普通に私が欲しかった!
めっちゃ、優柔不断だから!
と、私の話は置いといて。その後、最近流行りの要素とか取り入れて、需要がありそうな話を考えました。
ラブコメ特有の底辺とか、高嶺の花とか、幼馴染とか、あと無双がテーマだし、勇者とか聖女とか、魔王とか。
ただ、色々考えているうちに、いつの間にか、アンチテーゼ的な作品になってしまいまして、後半は批判覚悟で書いていました。
でも、批判なくてね。
皆様、とっても優しい。
本当に、ありがとうございます。
あと、10万文字で完結させるために、軽めのプロットねったのに、10万じゃ終わらなかった。
最終的に27万。
どこまで、プロット軽したら10万で完結できるんだろう。呆然としました。
結局私は、書いているうちに、どんどん話が膨んでいくタイプなんだろうなと。たぶん、無駄なシーンもあるんだと思いますが、搾取選択をもっと上手くできるようにしたいです。
では、そんなわけで、伝えたいことは、本編で語っているので、あえて話す必要は無いかなと思いますので、ここからは、キャラクターについてのあれこれを
●メインキャラについて
【矢神 皇成】
主人公の底辺男子くん。
底辺にするのはすぐに決まりました。
前世を勇者にしたのは、流行りから逆ブリした結果です。陰キャが生まれ変わってチートな勇者になるなら、勇者が地味な底辺になってもいいだろーと(笑)
でも、これには、ちゃんと狙いもありました。なんか、死んでから花開くんじゃなく、現実で花開いて欲しかった。
今が冴えないからって、ずっと冴えないままとは限らないと思うんです。きっと秘めたるものは誰にでもあって、きっかけ次第で、変われるんじゃないかなーと。
だから、その秘めた実力的なものをより分かりやすく伝えるために、皇成の前世はあえて勇者にしました。でも、だからといって、勇者であっても皇成は皇成なので、そこはしっかりとさせました。
実は、皇成が勇者の記憶をしっかり思い出さないのには、理由があります。
いくら前世が勇者で英雄とはいえ、戦いの記憶って、いわゆる戦争の記憶だと思うのです。きっと前世で守れなかった命もいっぱいあっただろうし、相手が魔族とはいえ、命を葬っていたのですから、相当辛い記憶だと思う。
だから、皇成には、絶命前の記憶しか思い出させていません。
きっと、前世の記憶を全て思い出してしまったら、皇成は、前世の辛い記憶に苦しむかもしれない。そう思ったので、上手く女神や矢印さまを介することで、自分の前世が勇者であることを自覚さました。
後、最終的に、皇成は姫奈と学生結婚することを選びましたが、結構な決断だと思います。
しかも、不幸になるかもしれない相手を選ぶわけだから、かなりの覚悟を持ってのことかと。
その辺も含めて、大きく成長したキャラだったと思います。波風なく、平凡な生活もいいけど、好きな人と苦難を乗り越える人生もいいかもね?そんな感じ。
【碓氷 姫奈】
ラブコメするなら、相手は幼なじみがいいと思いました。前に読者様から、学園の幼なじみものを読んでみたいとリクエスト頂いていて、ネタを温めていたのですが、なかなかしっくりこず、今回、やっと書いてみたい幼馴染が誕生しました。
ちなみに、姫奈が高嶺の花なのは、まさしく流行り要素を取り入れた結果ですが、高嶺の花になれた理由もちゃんと欲しかったので、姫奈にも矢印様をつけました。
更に、皇成と違いリア充の頂点にしたのも、矢印さまの使い方の差を明確にしたかったからです。
矢印さまは、上手く使えば、リア充の頂点になれるわけで、本当にドラえもんの秘密道具並みに、使う人によって、善にも悪にもなる力だと思う。
使う人が悪い人なら、人を不幸にする事だって可能かもしれない。だから、女神も悪しき使い方をしない人限定で、授けてます。
また皇成は、地味でも楽な人生を選んでいますが、姫奈は、あとから授かったため、矢印様に依存する形になっています。
この辺りは性格もありますが、皇成とは正反対になるように描きました。
皇成は底辺だけど、今の生活に満足していて、姫奈は高嶺の花と言われるリア充だけど、今の生活に満足はしてない。
その結果、ちょっとヤンデレ気味になりましたが、私の描く愛の重い奴らは、大抵病んでるので、まぁいいかなと(笑)
そんなわけで、病んでる美少女・姫奈ちゃんでしたが、母親の浮気にトラウマがあるので、絶対に皇成を手離したくないため、とっても積極的な子になりました。
最後は、皇成を美味しく頂いたのか、はたまた、献身的にご奉仕したのかは、どうぞ皆様のお好みで(笑)
あと、姫奈は、前世の記憶は、全く思い出していません。皇成も話してないので、彼女は自分を拉致した津釣が、前世の宿敵だということにも気づいてません。
ここで、また何かしらのドラマが始まりそうですが、続編書いたら、確実に津釣が姫奈に悪さするから、やめときます(笑)
【四月一日 翼】
新聞部の活字中毒男子。
ラブコメだし、変わった子が欲しかった(笑)
で、活字中毒男子にしようと、活字中毒者について色々調べました。ラベル読みたくなるは、活字中毒あるあるです。世の中には、色んな人がいるんだなーと、創作してると、改めて気づきます。
新聞部の二人は、登場時は何も考えてなくて、書きながら出来ていったキャラたちでした。
我ながら濃いキャラになりましたが、四月一日くんは、コンビニ強盗でのシーンが、何故か印象に残ってます。
【長谷川 蘭々】
四月一日君とセットで、他の女性キャラと被らないようにと考えました。
姫奈が清楚系、女神が淫乱系となれば、あとは、ツンデレ系か、ハイテンション系か、不思議ちゃん系?と思い、ギャグ要素高めるために、ハイテンション系にしました。
メガネ女子で、メガネとったら美少女というテンプレも付属(笑)
失礼な変人コンビ(新聞部)は、書いていて楽しかったですね。ちなみに、卒業後はアナウンサーを目指します。顔は綺麗だし、面白いから、多分いけるはず!笑
【鮫島 優一郎】
リーゼントな不良番長。一番描きにくいキャラでした。私は言葉遣いが悪いキャラを書くのが下手すぎて、いつも苦戦します。
なんかね、わざとらしくなちゃうんだよね。本当に、ここは反省すべき点です。
あと、リーゼントしてなきゃ、それなりにイケメンです。漫画に影響されちゃう意外と純粋なところもあるから、根はいい人。でも極端(笑)
最終的に、皇成とも仲良くなりました。
だから、卒業後、皇成たちの結婚式にも招かれますが、そこで宿敵・橘くんとも再会する予定(笑)
【橘 隆臣】
姫奈の片思いの相手と噂されていた皇成の友人。見た目も中身もカッコいいため、皇成の目標でもあります。
橘くんは、皇成とは家が近所で、小学生の時は、よく皇成と大河と一緒に遊んでいました。そして、転校後に、神木くんと仲良くなります。
学園物って、本当に学園のキャラだけになりがちなので、ちょっと新鮮な空気を取り入れるためにも、よその学校の子も出したかった。
そしたら、丁度いいヤツらが他作にいたので、友人枠に抜擢しました。
隆臣と飛鳥と大河は、他作の『神木さんちのお兄ちゃん!』に出てくるキャラです。あまり、主役級は、ほかの作品では出してないんだけど、矢神さまでは、ガッツリ出しました。
おかげで、また世界が広がりまして、楽しいひとときでした。
【神木 飛鳥】
橘くんの友人にして、姫奈の憧れの人(ただし、女の子だと思ってる)
金髪碧眼の超絶美男子。髪が長いので、女の子によく間違えられます。橘くんと仲が良くて、学校の人気者!ちなみに、この時の彼は、生徒会・副会長です(まさにリア充なモテ男子!でも彼女はいない!笑)
飛鳥と隆臣に関しては、最終章で、橘警部が津釣を出し抜いた時に利用したのが何とも笑えました。その子、男の子なんだぞ!カップルじゃないんだぞ、ざまぁみろ津釣!って感じでしたね(笑)
あと、いつか姫奈と会わせてみたい。
皇成は、気が気じゃないだろうけど…笑
【武市 大河】
皇成のクラスメイトで幼馴染。
また、神木くんに一目惚れをし、今では立派な信者です。神木くんが関わらなきゃ普通の子なんだけどね。
それと、大河には、あまり皇成の不運に巻き込まれてほしくなかったため、最終章にも加勢せず、普通のポジションでいてもらいました。皇成的には、一番の親友でもあるため、何気に大事なキャラです。
純粋に皇成の恋を応援してくれるし、これからも良き友人です。卒業後は、橘くんと神木くんと同じ大学にいきますが、地元に帰ると、よく皇成と会ってます。
【橘警部補】
橘くんの父親です。パパがでてきてから、作品の空気が一気に変わって、ラブコメがサスペンスドラマになってしまった…笑
でも、反省しつつも、意外と書いてみると楽しかったです。ただ、事件を書くのは難しいと痛感しました。
特に、津釣との事情聴取のシーンには、かなり悩みました。あと、最後に橘警部補が言っていた「命を犠牲にしていい正義なんて、あっていいわけないだろ」これは、あくまでも理想論です。
今ある平和が、命の犠牲の上に作られた平和だというのは、よくわかっています。これまでの歴史を見れば自ずと…正義をかかげ、命を犠牲にし、戦ってくれた方々がいたからこそ、今がある。
でも、それが事実だったとしても、それでも、命を犠牲にしたくないという願いをこめ、橘はいっています。
例え、それが正義でも、どんな正当な理由があったとしても、人の命以上に、大切なものはないと思いたい。
だから、戦争は早くなくなってほしいですね。
ちなみに、橘警部補は、皇成と姫奈になにか特殊な力があるのに気づいています。それが、矢印様とは気づいてないけど、きっとこの先も、皇成たちのことを助けてくれるはずです。
橘家は、親子揃ってイケメンです。
【女神】
皇成の夢の中に出てくる、銀髪の猫耳女神。なんで、猫耳なのかは、タイトルが『にゃ!』になったからです(え?)
実は、あまり深い意味はない。強いて言うなら、獣人が流行ってるし、猫耳つけて猫語にしとくか!って感じの軽いノリでした。
ビジュアル的にも、人間とは違う何かを、つけたかったのもありますが、淫乱な女神ちゃんだったので、耳やシッポが性感帯なら、楽しいかもなと(なにが?)
まぁ、使うことはありませんでしたけど(笑)
あと、皇成は、女神には一切靡きませんが、そんな真面目なところも含めて、女神は皇成が大好きです。
神様が何やってんだって感じだけど、神話の世界でも、神様って色々やらかしてるしね(笑)こんな女神がいてもいいかなと。
とはいえ、なんだかんだ平和を愛する優しい女神です。
あと、夢の中なら、合法的に浮気できると、この先も、忘れたころに皇成を押し倒しに来ますが、可愛い新妻と淫乱な女神に挟まれて、なかなか美味しい主人公だとおもうよ、皇成は(笑)
【津釣 要】
当作品のラスボスです。
そして、主人公と一切会わないまま幕を下ろしてしまった!(笑)
自分から自首するとか、かなり特殊な悪役になりました。みためはビジュアル系のお兄さんです。でも、中学までは、いじめられていました。
ちなみに、前世でたくさん人を殺めたから、現世でいじめられていたとか、そんなことはありません。それこそ、生まれ落ちた場所、運が悪かった人です。
元の人格である要くんは、大人しい子でした。勉強熱心で、将来は医者になろうとしていました。
でも、イジメを苦に自殺し、運良く生き残り、精神の奥底にひきこもってしまいました。
姫奈も死にかけた時に、矢印さまをさずかっていますが、こちらは死にかけたことで、前世の記憶が蘇り、要の意思もあり、そのまま前世の人格である魔王が、今は、要として生きています。
転生系の話だと、ある日、目が覚めたら前世の記憶を思い出していて、そこから一気に人が変わったようになるパターンを、たまに見かけるのですが、元の人格が消えてしまうことには、ちょっと違和感がありました。
そんなわけで、魔王の人格が居座る過程を考え、このような案を採用してます。
津釣を通して、イジメがいかに悲しいことかを考えてほしかったのもあります。運良く生き残っても、それを喜べないほど苦しんでいて、そして魔王は、そんな要の精神を守っているにすぎない。
そして魔王も、要を通して、人間の愚かさを、再認識しています。だから、津釣が言っていることは、あながち、間違いでもないんですよね。
冗談なら、何を言ってもいいのか?
そんなことは、決してないわけで、例え冗談だったとしても、人を傷つけて許されるわけがない。
ただ、世の中には、汚い言葉も沢山溢れていて、そして、大人たちがいったその言葉を、子供たちが知らずにつかっていたりする。
そのような連鎖が、また別の悲しみを生むかもしれない。リア充爆発しろ云々についても、そこと結びけていたりします。
言葉は凶器。簡単に手に入り、誰もが使え、あっさり人を殺せる道具。だから、使い方を間違えると、誰もが犯罪者になってしまう。あなたも、私も。
津釣は、そんな悲しい現実の代弁者であり、悪でもありました。
橘警部補は、独房で津釣と話すとき、彼を『正義』と言っていますが、やり方は酷いけど、気持ちはわからなくはなかったのかもしれない。
前世でも、魔王は勇者は戦い、お互いに命を落としました。でも、もしかしたら、やり方が違っただけで、目指す世界は同じだったのかもしれない。
また、いつか皇成と津釣は、出会う日が来ると思います。分かりあえるかは、わからないし、要の人格が、また戻ってくるかもわからない。
でも、今のところ津釣は、誰も殺していません。皇成と姫奈が、阻止してくれたからね!
だから、まだやり直せるかもしれない。
彼が、変わる気になりさえすれば。そんな希望も込めての独房シーンでした。
ラブコメですが、相変わらず私の話は、こんな真面目な要素もねじ込まれてます。
普通に笑いを楽しみながら、何かを考えるきっかけになれたら嬉しいです。
次回は、創作時の失敗談などを語りたいと思います。
興味ある方は、お付き合いください。
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