⑥ 物語やキャラを振り返ってみる(2)
物語についての、振り返りです。
【物語について】
✤ 作品のテーマは『育児×戦争』✤
命を育てる『育児』と、命が失われていく『戦争』
まさに、対極にあたるようなテーマでしたが、恋愛をメインにしつつも、私なりのメッセージをこめたテーマでもありました。
前作のメインキャラであるアランを起用すると決まった時点で、未来で何が起きていて、何故、子供たちを過去に飛ばしたのかは、すぐに決まりました。
魔王が世界征服をたくらんでいる話は、前作のエンディングで、すでにでていたので。
ただ、アランの正体が判明してからの急展開には、色々と驚かせてしまったなと……反省もしております。
正直に言うと、戦争をテーマに児童文庫を書いていいものか? これには、凄く悩みました。
だって、最後の最後で、こんな鬱展開をぶっこんでくる作品、子供たちに優しいとはいえない。
でも、選考委員の先生が仰ってた『スケールの大きい話』には、沿ってる気もしました。
戦争が始まる未来を、回避しなきゃいけない。
それも中学生が、たった5人で。
とても、分かりやすく、スケールの大きな目標だと思います。あと、天界にも魔界にも行けるし、話の幅は無限に広がるかなと(勝手に思ってる。笑)
ただ、児童文学で、戦争をテーマにした作品はたくさんあるけど、児童文庫で、これやっちゃっていいのかなー?とも。
児童文庫は、いわゆるエンタメジャンルです。
なら、やっぱり重いかなー?とか。
もう少し、手加減した方がいいのかな?とか。
色々、考えました。
でも、私は、未来のアリサたちが、軽い気持ちで、子供たちを手放すとは思えなかったんですよね。
私が、親だから、そう思いたいのかもしれないけど、そこには何か、絶対的な理由があると思いました。
子供たちのことを思って、苦渋の決断をした、やむえない理由。なら、これが、一番納得のいく理由な気がしました。
それこそ、今まさに戦争がおきているからこそ、身近な問題でもある。だから、楽しみながら、そのついでに、ちょっと考えてくれたらいいなーって。
だって、戦争がメインの本は、読むのが辛かったんです、子供時代の私は……だから、文学として重い話を読むんじゃなくて、児童文庫として、コメディや楽しい日常の合間に、優しく触れるような程度で、悲しい現実のことも見つめて欲しかった。
あと、意外と子供たちって、大人の手加減を見抜くんですよ。ゲームにしろ、腕相撲にしろ、手加減なく、本気で勝負された方が嬉しいみたい。
じゃぁ、私なりの本気を、子供たちにぶつけてみてもいいんじゃないかなと。
まぁ、鬼滅の〇とか、東京〇ベンジャーズとか、見てる世代だしね。手加減しなくても大丈夫!(と、言い聞かせる…笑)
とはいえ、この手加減しなかった部分を、どう判断されるかは、選考様しだいなので、かなりの賭けでもありました。
でも、なんだかんだ、色々と傾向を調べて、児童文学から抜け出そうとしてたはずなのに、結局、文学要素が抜け切れてなくて、私が描きたいものは、こういう作品なんだな……と、改めて実感したりもしました。
結局、文体は寄せられても、根っこの部分は、どうにも変えられませんね(笑)
私は、エンタメを書くのが好きだけど、コメディの合間に、超ド級のシリアスをぶち込む作家なので、私らしいといえば、私らしい。
ある意味、自分を見つめ直す、いい機会にもなりました。だから、落ちてもいいからと、腹くくって勝負にでてます!
私は、こんな作者です!と、堂々と運営様にアピールしようと思います(笑)
✤ 三角関係ものは、書くことはないと思ってた ✤
今回は、恋愛をメインに据え、三角関係ものにしましたが、実を言うと、私は、三角関係や逆ハーものを書くのが苦手なんです。
読むのはいいんだけど、最終的には、誰か一人選ばないといけないから、選ばれなかった人のことを思うと、悲しくなっちゃうんだ。
だから、三角関係を書くなら、お嬢様と執事みたいに、こんなやつとは、絶対に結ばれちゃダメだ!ってキャラをライバル役にしてました(冬弥のことです…笑)
でも、今回は、そんな苦手要素も取り入れてしまいまして、ことごとく、チャレンジャー(笑)
大丈夫か?
なんで、もっと得意なところで攻めないんだ?
と、自分にツッコミたくなる時もありましたが、ここまで来たら、とことん苦手克服しちゃおう!と、突っ走りました。
だから、柊真もアランもいい子にして、王道の三角関係ものになってます。
まぁ、どっちが勝つかは、アリサ次第です。
アランを選んでも、子供たちは大丈夫みたいだから(優秀な魔法使い万歳!笑)アリサには、とことん悩んでもらいたいと思います。笑
✤ 未来にいったら、ドラゴンと戦わせるつもりだった✤
本当は、未来にいったあと、ドラゴンを倒してから、過去に返す予定でした(笑)
まぁ、無理でしたけどね。
だって、絶対100ページじゃ終わらなくなる。
今回は、計算して書いていたからか、長くなりそうなエピソードはバッサリカットしたため、余計な脱線なく進みました。
まぁ、脱線するのが楽しいんだけど、仕方ないですね。
描きたいものを全部かいていたら、多分15万文字くらいになってたとおもうので、我慢できた自分をほめ手上げたいと思います。
✤ 最後に ✤
これで最後になります。
まずは、長ったらしいあとがきに、お付き合いくださり、本当にありがとうございました。
『今日からママになりまして!』は、児童向けに書いた作品なので、大人の方には、ものたりなかったかもしれません。
でも、読んで頂けただけじゃなく、星や♡、コメントなど、沢山の応援をいただき、皆様のおかげで、こうして完結させることが出来ました。
本当に、本当に、ありがとうございます。
また、今回は、私には珍しく、愚痴の多い執筆期間でした(笑)
終わってみると、もっとこうすればよかった、あーすればよかったと、反省する点も多いのですが、やはり、得るものは大きかったです。
もちろん、今回、苦しんだことが、ステップアップに繋がったのかは、まだよくわかりません。
でも、私は、どんなに苦しくても、小説を書くのが好きなんだなってことは、よく分かりました。
あの苦しみですら、愛しいと思う。
なんか、生きてるなって。
正直、私は、小説を書いたご褒美に、小説を書くような変態なので、止めらなければ、多分、一日中でも書いていられる奴です。
だから、今回経験した『書けない病』は、本当に貴重な体験でした。
でも、書けなくなるほど悩んだ、あの時間は、私にとっては、とても怖くて、だけど新鮮で、プラスの時間でもありました。
いつか、また書けなくなったら、この作品をよみかえして『ちゃんと完結できたんだから、大丈夫!』と言ってあげたいですね。
そんな意味でも、書き上げてよかったと思える作品です。
また、そのための力になってくださった読者様には、心よりお礼申し上げます。
この作品は、私一人では完成しませんでした。本当に、折れそうな私を何度も支えて下さり、ありがとうございました。
では、今日ママ!のあとがきは、今回が最後となります。
でも、一応、つばさ文庫小説賞用の作品なので、選考結果がでたら、また何か書きにくるかもしれません。
せっかく、舞台裏があるんだから、活用しないとね!笑
それでは『今日からママになりまして!』最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!
今後は、お嬢様と執事の方に集中しつつ、最近かけてなかったイラストなども描いていきたいなと思ってます。
イラストもね、描かないと書けなくなるんだよ(切実)
それでは、よかったら、また別の作品でお会いしましょう~!
たくさんの応援、ありがとうございました♡
雪桜
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