中学生の恋。トランスジェンダーな2人の、思いがとけたなら~身体と心のアプリって、何?こういう恋があっても、不思議でも、何でもないんだから。

@maetaka

第1話 中学生の、心と身体がフワフワしてる恋。そんな恋があったって、良いんじゃない?…っていうか、こういう恋もあるから。現実に、起こるから。

 「心と身体が、フワフワしてる」

 キサラギメグミは、鏡を見ると、ユーウツに怖くなってしまう日々。

 中学生女子は、いつだって、不安定だ。

 あのことで、トラブルになりそうなことばかり。

 「私は、今日から、キサラギメグミじゃなくって、キサラギケイ」

 役所にいって、名前の読み方を変えてもらう手続きまでしたと、いうのに…。面倒、だったのに。

 名前の読みを変えてもらった、理由は…。

 「あーあ。私の心は、ほぼほぼ、女の子なのにさ」

 中学生女子は、傷付きやすかった。

 鏡をのぞくのが、つらすぎた。

 「…ホント、いやだよ。鏡に映る私の姿は、本来の私の姿とは、違うんだもの」

 彼女、いや、彼は、いや、彼女は、トランスジェンダーの子。

 同じ字のままで、読み方を変える。

 「これで、男性として、生きていきたい」

 せめてもの、工夫だった。

 トランスジェンダーは、社会に、広く理解されてきたとはいっても、本人には、悩みのまま。

 「母親の体から生まれてわかった性と、生き方の性とが、一致しない」

 それが、トランスジェンダー。

 鏡に映る姿は、他人から見れば、充分に、女子。

 そのままで、何も問題なく、中学生女子をふるまえたかもしれない。

 でも…。

 そうは、簡単にはいかないんだよね。

 メグミ、いや、ケイは、あいまいなアンバランスさに納得できなくて。

 ゆれる、感覚。

 「…こんなことなら、はっきりと、男子でいたい」

 そこに、事件が起きた。

 ユキという後輩女子と、お付き合いをすることになってしまったんだ!

 「…ケイ先輩?一緒に、ご飯、食べませんか?」

 声をかけたのは、ユキのほうからだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る