第8話 はじめまして お嫁さん⑥
「ああ、
可憐な顔をほころばせ、亜麻色の髪をなびかせながら走ってくるよく見知った少女の姿に、ようやく
消えたとはいえ、里の者たちの変わり果てた姿を見てしまっただけに、元気いっぱいな
「ご安心くださいませ! わたくしはこの通り、傷ひとつございませんわ!」
誇らしげに胸を張った絢は、「黙っていれば守ってあげたくなる
「それより、
うさんくさそうに上から下まで吉野を眺め回した
「月のように凛として麗しい
「
やけにきらきらしい評価をされた
「このわたくしを差し置いて、
小馬鹿にするような
「うむ、
「よ、嫁ですって?! 言うに事欠いて嫁とは、図々しいにもほどがありますわ!」
里の者たちの中でも、
「
いくら記憶がないとは言っても、吉野は神。
「ああ、そういえば名乗るのを忘れていたな。ーーお初にお目にかかる、
たしなめようと声をかけた
「……。……えっ……? ……、……う、ウソですわよ、ね……!?」
時間が止まったかと思うほど長い沈黙の後、ようやく我に返った
「嫁御殿のご友人ならば、拙者にとっても友人。
吉野の言葉を信じたくない
ひくり、と喉をひきつらせた
「い、……い、いやぁあああああ~~!!」
……その叫びに、吸い寄せられるようにして残りの里の者たちが集まってくるのに、そう時間はかからなかった。
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