IF:この世から消えるまであと0日

ゼパ

IF:この世から消えるまであと0日

これを読んでいる君へ


もしこれを読んでいるとするのなら、既にこの世から消えているだろう。


俺は見つけてほしかったんだ。

だから100日間ずっと日記を書き続けたんだ。だけど一度も見つからなかった。

世界は誰も俺のことなんて見つけてくれないんだ。

見ていても見ぬふりしている奴らばかり。警察なんて無能の集まりなんだ。


あの時もそうだった。俺がいじめにあっていた時だ。

全てはあの日から始まったんだ。

殴られ、蹴られ、暴言を吐かれ、生きるのに精一杯だった。

我慢して我慢して我慢した。心が砕けた。

助けを求め、手を伸ばした。だが伸ばした手は虚空を切った。

両親も、先生も、警察も、誰も俺を救ってくれなかった。

あの日から俺は大人を信用していない。

家族など、単なる形でしかなかった。


世界の理を知った。

人は所詮自分のことしか考えていないんだと。

俺は知った、未来から過去へ来ることなどできないんだと。

何度も未来に縋ったんだから。

俺は知った、神などこの世には存在しないんだと。

神がいたら、ソイツはただの傍観者なのだから

俺は知った、誰かを救う正義のヒーローはこの世には存在しないのだと。

なぜならばヒーローは悪によって滅ぼされる運命なのだから。


考えてしまうんだ。あの日のことを。アイツのことを。

思い出すたびに体が震えてしまう。

俺はそれが嫌で家から飛び出した。

100日間、ずっと独りで過ごしてきた。

今日でこのカプセルホテルともお別れだ。


準備はできた。

ナイフとコートは用意している。


「さぁ、復讐の時間だ」

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