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@candy13on

第1話 そして夜を費やす者

 書いてる事柄が自分と不似合いな気がする。内容ではなく、言葉使いや筆運びの点だ。どうにも居心地が悪い文になってる。

 落語っぽい一人称のときは、さほど感じない。あの口調は、個人的に気に入っている。話し言葉でありながら、書き言葉。散文詩とゆう矛盾を抱えた言葉があるように。(矛盾というのもはばかられるが、その話は別の機会に)

 こうして公開する短い御話では、こんなこと思うわけないんだが。ちょっと長いものを必死こいて描いて、誤字脱字のチェックがてら読み返せば、どことなく嘘っぽい。

 自分で書いた気がしない。自分で言葉を選び、入力したつもりが、借り物のようで違和感が生ずるのだ。

 こうして書いた語句ですら、随所に違和感が点剤する。まるで小説のような、そう、小説モドキの、わざとらしさが鼻につくのだ。

 練り込みが足りないのか、あるいは練り込みすぎて固くなったのか。この自己判断は難しい。気にする必要も無さそうだが、僕でさえ思うことなら、多くの読者も思い描くであろう。

 ギコチナサやチグハグなら、笑える。良い雑味というものだ。

 ところが、そうではない。一種のアザトサのような。こういう書き方なら、それっぽく読めるでしょ? みたいな。

 書いてる最中は微塵も思っていない。必死だ。

 だが、読み返せば。腐臭同然の変な匂いを感じてしまう。これは良くない、よろしくない。それでも書かねばならぬ。

 ひとまず完成、校了、終焉を迎えねば。

 未完のままでは改善も反省も粗探しもできやしない。

 もしかすると『照れ』なのかもしれん。背伸びかもしれん。自分好みのテイストに仕上がってないからかもしれん。

 ただ、昔よりかは、随分と語数も増えた。描く時間もあるし、公開する場所もある。読んでくださった方々も存在すると思われる。

 書き続ける、あるいは読み続ければ、何か掴めるのか。それはわからない。考えたところで『?』は消灯するはずもない。

 気にしないで、やってく他あるまい。

 

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