フォルゴル大陸 聖歴126628年~聖歴126631年まで
聖歴126628年。自分が所属していた部隊が壊滅したことで、一人で帰ってもおそらく責任を取らされて処刑されるだけだったことで、シグルはそのまま逐電。傭兵家業に戻った。とは言え、ほとぼりが冷めるまでは大きな街には戻れず、地方の町で細々と用心棒的な仕事をしながら暮らしていた。しかしある時、そんな彼を『雇いたい』という者が現れる。シグルはその者に見覚えがあった。ホド村で部隊が襲撃された時の襲撃者の一人だったのだ。その人物は<ケトラ>と名乗る女性だった。もっとも、女性とはいえ、一見しただけでは男性と見まごうばかりの逞しい容姿をした人物だったが。ケトラはルーディシアの支配に抵抗するゲリラ組織となっていた<センパチロウ>の一員で、シグルを見掛け、ルーディシアの人間として殺害することを狙っていたのだが、彼がルーディシアの人間も元からこの地に住んでいる人間も区別すらすることなく対処するのを見て、あくまで傭兵として雇うことを決めたのだという。別にルーディシアに対しても愛国心どころか何の未練も思い入れもなかったシグルは依頼を承諾。センパチロウと共に行動する。
聖歴126629年。傭兵としてセンパチロウに雇われたシグルは、実際にルーディシアの軍や官吏を襲撃する役目ではなく、あくまで攻撃を受けた時にそれを迎え撃つための要員がその役目だった。センパチロウとしても、彼を積極的に同郷の人間の殺害に関わらせるつもりはなかったのである。もっとも、ルーディシアの人間達の振る舞いを間近で見ていたシグルとしては完全にルーディシアを見限っており、相手が軍人や官吏であれば容赦なく殺傷できるだけの覚悟はできていたのだが。
聖歴126630年。先住民らの抵抗に業を煮やしたルーディシアは、さらに本国から大隊規模の軍を派遣。一気に掃討する作戦を敢行する。これは、自分達に従わない者、先住民に肩入れする者は容赦なく皆殺しにすることを狙ってのものであったため、『疑わしいものは罰せ』がさらに先鋭化した強硬な政策だった。その上で軍だけでなくそれを支える後方部隊についても十分なそれを用意した、大規模物量作戦でもあった。さすがにこれにはセンパチロウも自分達の敗北を覚悟し、討ち死にするまでにより多くの敵を道連れにすることを決意。同時に、非戦闘員については極力遠くまで逃がすために殿軍を務めることとなった。
聖歴126631年。逃避行に逃避行を重ねるセンパチロウの仲間は次々と命を落としていき、ついにはケトラも子供を庇って致命傷を負う。シグルはかろうじて子供を逃がすも、ケトラに愛を告げつつ、彼女と共に最後の
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