フォルゴル大陸 聖歴126000年頃~聖歴126627年まで

聖歴126000年頃。ロディアがフォルゴル大陸を発見したことを皮切りに、ルーディシアに負けるなと周辺国が次々に海へと乗り出し、レイオスティーリア大陸やルブネア大陸も発見され、<大航海時代>が訪れる。


聖歴126623年。ルーディシアが入植者を送り込み開拓を行ったフォルゴル大陸で、先住民らは住む場所を追われ、衝突を繰り返していた。その中で<センパチロウ>と呼ばれる部族は特に勇猛で恐れを知らぬ戦士の集団として恐れられていた。そしてこの時、センパチロウの戦士<センリクロウ>がルーディシアが送り込んだ提督<デュリオ>の居城に単身で乗り込み、デュリオを殺害する。センリクロウはその後、脱出を試みるも兵士に囲まれ命を落とす。


聖歴126625年。センリクロウによるディリオ殺害はルーディシアに大きな衝撃を与え、センパチロウに対する報復のために軍が編成され、派遣される。その中には、<シグル>と名乗る傭兵がいた。シグルはルーディシア王家で王位継承権第十二位の王子の一人だった。しかし、さすがに<王位継承権十二位>というのは実際のところただの<スペアのスペア>でしかなく、現実に王位が巡ってくることは事実上有り得ないことに加えて、無駄に上昇志向が強く嫉妬深い母親に嫌気がさして逐電した身だった。王位につけなければ、よくて『近衛兵団の末席に加えてもらえるかもしれない』か、そうでなければ普通に兵士になるしかなかった境遇だったため、それならばと傭兵になったという身の上であった。


聖歴126626年。センパチロウに報復するために編成された軍は、潜伏先と思しき村々を次々に襲撃、『疑わしいものは罰せ』として、確たる証拠もなく次々と無関係な人々を処刑していく。シグルは傭兵だったため<容疑者の捕縛>だけが役目であり、その容疑者を実際に<討伐>するのは正規の兵士らの役目で、<討伐することで得られる褒賞>を目当てに、まるで<虫取り>でもするかのようにただただ人々を殺害していく正規兵らの振る舞いを冷めた目で見ていた。しかしその村々は元々フォルゴル大陸に住んでいた者達のものであり、アハティアイリス大陸の人間である正規兵らにとっては<人間によく似た獣>という認識だった。


聖歴126627年。センパチロウに報復するために編成された軍はさらに<ホド>という村に押し掛け、これまで同様、『疑わしいものは罰せ』方式で住人達を殺戮していく、だがその時、村に隣接する森の中から何者かが集団で現れ、兵士達を殺傷、護衛役だったシグルはその者達と剣を交えるが、軍は壊滅。かろうじてシグルだけが生き延びる。


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