フォルゴル大陸 真歴102000年頃(マゼ歴320年)~真歴102000年頃(マゼ歴354年)まで

真歴102000年頃(マゼ歴320年)。フォフォジュを取り囲む断崖絶壁は、低いところでも三百メートル。高いところでは五百メートルを超える途轍もないものだった。それを、シャフォナを連れたアシャッタは、岩を掘るための簡単な道具だけを使い、なんとか登れそうなところを伝い、時にはほぼほぼ完全なフリークライミングに近い状態で登っていった。途中何度も転落の危機に陥りつつもシャフォナにも助けられ、逃げる途中で入手した果実などを食べつつ七日をかけて五百メートルの崖を登り切り、遂に<外の世界>へと足を踏み出す。そこは、ダヒリスが闊歩する危険な森だったが、少なくともシャフォナと同じ種である<シャファルタ>と呼ばれるダヒリスからは不思議と狙われなかった。シャファルタは社会性の強い種であり、シャフォナと一緒に暮らしたことでその匂いが染みついたアシャッタのことも敵とは見做されなかったようだ。そういう幸運もあり、アシャッタは命懸けの冒険の果てに人間の暮らす集落<ヌドレ>へと辿り着き、そこでしばらく暮らすことにする。


真歴102000年頃(マゼ歴321年)。ヌドレでもダヒリスは危険な獣として忌避されていために一緒に暮らせず、成長したシャフォナは森で暮らしていたが、ヌドレで様々なことを学び準備を整えたアシャッタは、世界がいかに広大であるかも知って、シャフォナと共にさらに冒険へと旅立つことにした。ヌドレで親しくなった少女<ラトリ>には集落に残るように言われるものの『世界をこの目で見てみたい』という好奇心には勝てず、制止を振り切って再び旅に出て、幾多の国々を渡り歩く筋金入りの冒険者へと成長していく。行く先々で女性に想いを寄せられつつ。


真歴102000年頃(マゼ歴353年)。フォルゴル大陸南東部に位置する国<ボーゼン>にて、政変が発生。国王<バウンズ>が暗殺され、家臣の<ブリイザ>が国王の座に就く。その際、バウンズの娘である<アマンダ>は、ブリイザと対立していた家臣の手により国外に逃がされ、難を逃れる。その途中、ダヒリスに襲撃されたところを、ダヒリスの一種であるシャファルタを連れた男に命を救われ、行動を共にする。男は連れているダヒリスをシャフォナと呼び、自らをアシャッタと名乗った。


真歴102000年頃(マゼ歴354年)。アシャッタはアマンダについてこないように何度も説得を試みるものの彼女はそれを頑として聞き入れず、仕方なく一緒に冒険を続けるうちに、アマンダも腕利きの冒険者へと成長していく。


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