彼女を独占しました

のり弁

第1話 出会い

 「じゃあ、こっちが結衣ちゃん いや、結衣の部屋でこっちがリビングだからな。 

 これから一緒によろしくな」

 今年で中学校教師2年目の俺。自分は2年7組の副担任として数学を教えている。自分で言うのもなんだけど、結構モテる方で生徒からは「ねえねえ、休み時間一緒に遊ぼ?」「サッカーしようぜ!」「彼女いるの?」と、男女関係なく話しかけてくれる。だが、実は好きな子もいる。西口結衣(22)っていうんだけど、大学の時のサークルの後輩。結構かわいくて、結構俺に気があったんだと思う。その子も教員志望だったが今年の採用試験に落ちてしまった。めっちゃ落ち込んでたが、慰めるために今日カフェに行くことを約束している。っていうのは口実で、もっと仲を深めるための“デート”って感じかな。

 女の子と2人っきりで出かけるってのもあってテンションが爆上がり。ちなみに俺は和泉京平(24)っていう。スキップみたいな歩き方で約束をしていた大学から歩いて10分ぐらいの場所にあるカフェまで行った。

 店に入るがまだ結衣ちゃんは来ていないらしい。先に席について、10分ぐらいスマホを見て待っていると、結衣がこっちに向かって歩いてきた。

 「お疲れ様です!和泉先輩」

 「ああ、お疲れ!久しぶりだな。」

 「先輩と同じ市の教員採用試験に落ちたから元気ないんですよ~」

 わざわざ俺と同じ市の採用試験を受けたがるってまさか気があるんじゃ...?なんて考えてしまったりした。好きな子を目の前にすると話より脳内会話の方が多くなるのが分かるだろうか?必死で話題を考えていると、結衣から話しかけてきてくれた。

 「先輩の学校ってどんな感じですか?」

 「めっちゃ楽しいよ!みんな元気だし」

 「いいなぁ」

 好きだ!そういいたい。急な展開かもしれないが、『今日は告白をしよう』って決めてきた。

 「先輩にお願いがあるんですけど、来年の採用試験に向けて勉強したいんです。手伝ってもらってもいいですか?」

 「そうだねぇ、じゃあ一緒に住もう?」

 自分でも何を言っているのか分からなかった。でも勝手に口から出てしまう。

 「え?それってつまり・・・?」

 「好きってこと。付き合って、一緒に住まないか?」

 「うーん どうだろうなぁ。ちょっとだけ考えさせてもらってもいいですか?」

 「ああ」

 「でも和泉先輩、メンヘラっぽいからな~(笑)」

 「そうか?でも絶対に大切にするから」

 「じゃあ、お願いします。京平くん!」

 結衣ちゃんに「くん」呼びされたのは初めて うれしい…って、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?OKされただと!?嘘だろおい

 「本当に?本当にいいのか!?」

 「うん、京平くん。京平くんのこと 気になっていたから。」

 「本当に?めっちゃうれしいよ!」

 「ついでに一緒に住む つまり同棲しよってことだと思うんだけど 嬉しい!」

 信じられないような出来事に驚愕した。

 そんな出来事が今日あったわけで、今は結衣と同じ屋根の下にいる。結衣のことが大大大好きな俺は、興奮気味だ。気になってたなんて言われたのもあるんだろうけど。こんなかわいい俺の彼女は絶対に誰にも渡さねえ。俺の結衣だ。こう思ってもらってる結衣は幸せだな。

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