久々に食堂で ※才視点

「お? おっは〜。珍しいねさっちゃん。食堂だなんてよ」

「あ、本当だ。ヘイブロォ。ワッツァップ!」

「げ」

  伊鶴にミケ……これまた面倒なのが……。

「げってなんだよげって。ご挨拶過ぎんじゃねぇのよコラボケナスぅ〜」

「っていうか、そもそもず〜っと部屋から出て来ないってどういうこと!? 誘っても全然反応ないしさぁ!」

 ブーブーうるせぇなぁ……。しょうがねぇだろ。部屋で飯食えるし、練習するにしても最早部屋から色んなとこにアクセスできんだから出る必要ねぇし。他の場所行ったら電波届かねぇから返信できねぇから仕方ない。うん。仕方ないんだよ。

「って、少なくない? リリンちんだけ?」

「あぁ、俺はもう食ったし。他は部屋。コロナは目立つから最近は特に外連れ出したくねぇし。リリンは暇つぶし。てかお前らも二人なの珍しくね? 八千葉と多美と夕美斗は?」

 つかリリンてめぇ一瞥すらしねぇでこっちに任せんな。いつもは言わなくても自分からガタガタ抜かすくせに。

「やっちゃんはなんか親戚に呼ばれてんだってさ。なんかおばあちゃん? が急に来るんだってさ。まぁ入試はあるつっても私らはまだ春休みだし、仕方ないね。本人は嫌そうだったけどさ。タミーはちょっと遠い店に買い物だってさ。ネット予約間に合わなかったんだって」

「へぇ〜。夕美斗は?」

「ミス夕美斗は今朝一緒に走ったよ。で、先に僕はアガって朝食。今日は妹さんが試験らしくて様子見しにいくらしいからもうすぐ来るんじゃない?」

「妹って……アレ絶対人域向きじゃねぇか……。なんでわざわざ……?」

「さぁ? そこまでは知らないよ――いただきます」

「なんかアレから仲良くなったらしいし? 頻繁に妹ちゃんの話聞いてっぜ? ――いたっきあーす」

 へ〜。リリンの気になってたヤツにゴリゴリの武闘派な夕美斗の妹が入試にねぇ。二人とも入ってぶつかったらおもろいことになりそ。

 ……いやさすがに前者可哀想だな。パッと見戦闘向きじゃなかったぞ。マナはどっこいだけど。

「んぐんぐ……ごくん。妹ちゃんが受かったら六月から楽しみだよね〜。一緒になるタイミングがあるだろうし」

「ワオ。さすが選抜前提だね」

「たりめぇよ! 次の三年でヤベェのって一人くらいっしょ? さっちゃんが一回戦って、当時の三年ボコした人!」

「声デケェよバカッ」 

 上級生の視線が怖いだろーが。絡んで来るのはいないと思うけどさ。

「がっはっは! 今更怖いもんなんてあるめぇよ! さっちゃんもいるしさ!」

 それ俺っていうかコロナが怖がられてるだけな? ついでにリリンとロッテ。

 一番ヤベェのはリリンだけど、さすがに魔帝とタイマンやって勝っちまうのは……な。超目立つようになるし警戒もされるようになるわ。

 って、なんかサラっと流れそうになったけど。ちょっと気になる単語が。

「六月ってなんかあんの?」

「「は?」」

 な、なんだよその奇妙奇天烈な生き物を見る目は。

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