補修を、もう一度

栄乃はる

第1話

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 ブラウンの天板に灰色の錆止めのされた鉄のフレーム、軽い鞄の吊られた荷物掛け。それが横に7、縦に5並んでいるは空き教室。床も壁も白を基調としていて、最低限の装飾がシンプルな机と合わさって。教卓だけのベージュ色が重なり合うと、それは単純で純粋のモダンな美を作っていた。


 当然、そこに並ぶ制服も同じだった。薄く青または赤のラインを入れられた男女のシャツ、同じチェック模様のスラックスとスカート。モノトーンに限りなく近く、しかしわずかに位相のずれたそれらは、きっと人の肌も考えてあるのだろう。

 だからそれらが並ぶ教室は、静かであってもうるさくあっても、きっと生き生きとした姿に見えるのだろう。あえて人間に重ねないようにしてあるゆえに、かつての白黒からでも美へと、思えるのだろう。


 しかし今ここには、それを構成するはずだった人間は二人しかいなかった。

だから当然、人がいることを前提にして作られていたこの教室は凍えていた。


 机だけでは色の熱を足らせることはできず、あまり寄り付きたくはない白さへと、それを置いてしまう。一度いなくなったら後は一気にいなくなる。そんな風にも設計されているようであり、だからこそ残っている二人は、僅かに不快であった————彼女らがそうなったのは、酷く単純な理由だった。


 授業が退屈だと思わない学生はいないだろう。勉強が面倒だと思わない学生はいないだろう。そうでない例外はいくらかいるが、須らく学生は勉強というものをしないのが当たり前で、あるだろう。

 ならば細かいことを言わなくても、その結末がこうだと言ったならば分かってくれるだろうか。つまりは、そういうことなのである。



「しりとり、しよう」



 補修を受けている二人のうちの、少年の方————榎本悟が、解けそうにない問題を前にして唐突につぶやいた。平均的に黒い髪、あまり長くも短くもない、よくある髪型、顔立ち。それは本来点数の方もそうで、こんな補修になるはずはない少年だった。

 当然誰に向かって言っているかは自明であったが、それを少女は一時無視して、カリカリと自分のペンを進めるのだった。



「は?」



 そして頭にやっと入ると、当然雑な返事をするのである。

 快活らしさのショートヘア、日差しのような丸い目、対照的に薄い唇。白菊という名前にいくらかふさわしい少女。波江白菊はそれが自分に向けられたのかとは思う気がしなくて、日焼けした腕を口元に、プリントに向かっているのだ。


 彼女の目の前では、インテグラルの曲線が腹立たしく、dとxらとともに不可思議に踊っていた。これを分解したらなぜ減るのだ、その3は何処から来たのだ、などと意味不明が列になって哂うのである。

 数学というものはまったくもって意味が不明であり、これが一体何に役立つのかは不明なのだ。数を学ぶなら算数でいい。理科に関係しているのは最近の授業でなんとなくつかめるけれど、それだって理屈のついた算数だ。それから発展しただけのわけのわからないものを学んだところで、これからに何の意味があるのだ?


「しりとりを、しよう」


 当然同じ補修を受けているので、同じ問題に悟は向かっているのだろう。

 だから彼は、それをもう一度繰り返したのだろう。これ以上やれば頭が狂ってしまいそうで、例えるならば8ビットコンピュータに最新ゲームのディスクを収めるようなものなのだろう————計算式の複雑さも、それらの描写の必要量も、今の彼のメモリには収まり切らず、溢れた何かがメモリを変えて、そうしたのだろう。


 代数、線形、非線形、連続、不連続。ありとあらゆる教科書の単語が、ふわりふわりと馬耳東風に抜けていた。だから代わりにエラーを吐き出すしかなくて、それがしりとりだったのだろう。


「……いいよ」


 しばらくの静けさののちに、名前に反して高貴さなど感じられぬ少女は、余っていたわずかの思考で理解をできて、それを了承した。彼女の方でもついに、頭の中にはこまごまとした記号が過去の思い出に接着され始めていた。恐ろしくなり始めたので、艶やかな黒い頭を振って、少女はしりとりに頭を入れ替えるのだった。


「何から始める?」


 奇妙な異世界の言語に抗うには、何か日本語が欲しい。そう考えるなら、しりとりというのは案外よい試みなのかもしれない。

 少女は素っ頓狂な提案だったとはいえ、意外にまともな気分転換をくれたなと迎える。


 いかなる建物でも基礎をおろそかにしてしまえば砂上の楼閣に沈む。一回無理になったらゼロからやりなおそう、って考えるなら悪くはない。というか、ずっと同じ問題に顔を突き合わせてたら眠くなってしょうがない————気分転換したいタイミングが、きっとちょうど同じだったんだろう。

 そう考えると、白菊はほんの少し口元をゆるめた。


 なんだ、いつもクソみたいなバカしかしない癖に、今日に限ってはマシなこと言ってくれるじゃん。いやまあ、補修食らってる時点で地に落ちるけどさ。でもまあたまには、マシなことを————



「いや少しは待てよ。いきなりしりとりしようでOKは何か馬鹿にされてるって思わないのか?しりとりだぞ?」



 しかし少女はすぐに、それは意味がないと理解した。

 そうだった、こいつは最初から何も考えてないんだった。ちょうどいいことを言ったような風をしてみても、その実頭に浮かんだのを繋げてポイしただけなんだ、こいつは。

 そう諦めながら、軽くため息をついて肩をすくめる。本心ではピキリと一つ来ていたが、それを表に出すのはやっぱり子供らしくて嫌だと、子供らしく大人ぶって抑える。


 ゆるりとした雰囲気の年取った男だったから、教師は補修を見張ってはいなかった。


 きっと生徒の自主性に任せるという名目でそうしていたのだろう。あるいはテストを多くする人だったから、その問題作成に時間を取られていたのか、はたまた提出物の採点か。

 なんにせよ彼はやってこない————下校時刻近いので、同級生がやってくることもまた、ない。休み近くの短縮期間で、用もないのにこんな時間まで残っている馬鹿もいないだろうから、聞かれることもありはしない。だから恥もへったくれもなくわめき散らかすには、ちょうどいい時間帯だった。だからこそだった。


 少女はニヒルに、潤う唇を震わせる。


「どうせ私たち元から馬鹿でしょ。補修食らうやつが馬鹿じゃないって本当にそう思ってる?そうじゃなかったらそれこそマジの馬鹿だよ?……それとも馬鹿じゃないって、思ってるつもり?」


 わずかにささくれだった古い机が、半袖の皮膚にいくらか擦れた。エアコンのない空き教室は、風通しもなかったから湿っている。彼はほんの少しの時間息を吸って、短く、聞こえない呼気を出した。それからすぐに、不満になった。


「……なんか馬鹿にされた気がする」


 そして顔をしかめた。


「気がするじゃなくてしたのよ。馬鹿」


 それを見ると、うるさすぎる蝉時雨をものともしない澄んだ声はまっすぐに、悟の心を貫いて笑った。ちょっとは人の内心を思い知れ。


 ふふふと微笑みそうな少女は、まるで森林の中で静かに音を奏でる鳥のようだった————そして何度となく聞いていたい心地よい響きをしてくれるからこそ、それはフランベルジェのようにギザギザに彼を抉るのでも、あった。

悟は明確に不機嫌にして答える。


「自分だって同じの食らってるくせに、何を言ってるんだか。それとも何かい?予定最初から入れないで置いといて、補修食らうのわかったらごめーんやっぱ食らったわ—!ってするのが強がりだったのかい?なら結構笑いもんだぜ?」


 当然同じ穴のムジナである。ボディーブローのごとくじわじわと導火線に火のついた少女は、だから黙っていれば美人と言われるだけのありかたをして、悟がしたように肩を大げさにすくめて、ハハァと息をするのである。

 良いだろうそっちがその気ならやってやるわと、彼女は決めていたに違いない。


『そう?少なくともカラオケ行くつもりが満々だった人よりは、最初から補修食らってるってわかってた私の方が、馬鹿じゃないと思うけれどねぇ』


 自然体に明るい唇は、不自然なほどにキュッと持ち上がっていた。


「最初から補修確定は言い訳しようのない馬鹿だろ」


「るっせバーカ、食らってる時点でどっちも同じだわ」


「鏡でも見てみろよ俺の補修はミスの補修、お前のはバカの補修だほら見てみろ」

「私の美人さしかうつらないねぇ、ごめんねぇ君とは違ってさぁ」

「だろうな、だって鏡の中のお前はクソみたいな口を聞かない黙ってる美人だしな!」

「誰のお口が汚れ仕事を格安で引き受けるみてーだって?」

「そこまでは言ってねぇよ!自意識過剰も大概にしろ!それともアレか?お耳も綺麗にねじ曲がってんのか?」

「あんだって?アタシが俗に言う天才だって?知ってる!」

「やっぱり曲がってんじゃねえか!ったく…………頭にカルシウムでも足りてないんじゃねーの?にぼしでもいるか?ちゃんと聞こえないなら耳元で音量クソデカにして言ってやってもいいんだぜ?」

「うっせぇわ。そんなにカリカリしてるって言いたいの?点数に関してはアンタの方が今回は低かったのに?」


 そうして始まったのは両者譲らぬ弾幕合戦である。所詮高校生の語彙で精いっぱい適当に理屈をこねくり回す愚かな殴り合いは、補修よりも楽しくしりとりよりはエキサイティングなエクストリームスポーツだったろう。チェスボクシングもかくやという状態になるのはおそらくそうはかからないだろうが、よくそうあるので二人はラインというものを引いていた。

 核戦争でいうキューバ危機あたりが、それにあたるだろう。


「……すぞ」


 そして今回、先にラインを越えてしまったのは悟の方であった。


「え、何だって?」


 勝ち誇って白菊は、ペンをくるりと目を大きく開いた。子供の戦争で殴った方にすべての悪を押し付けられるのと同じように誇って、雑に椅子の上に左足を置き、そこに両腕を組んで悟の行動を待つ。


「今、なにを言ったのか、もう一度くらい言えるかな?」


 そして煽りのボルテージを上げにあげて、ケタケタと馬鹿笑いをするのであった。



————



「……『す』、で始めよう」



 悟は一度いくらか時間を置いて、頭を冷やす。そして最初からそうだったとばかりに、まともな返事につなげる方法を思いついて、それを無理に行おうと数瞬言葉を練り紡いだ。


「?」


 白菊の頭に、一瞬疑問符が浮かんだ。彼女はすぐに、まあいいかと続きを許す。


「しりとりだよ。さっき、するっつったじゃん。だからやろう、しりとり」


 理系方向に進んでいるくせに全く数学のできない悟は、鉛筆を転がして適当に数字を作ると、それでひとまず終わらせたように見せかけた。頭の中の漸化式だのを消しゴムにかけて、無理矢理に落ち着く分を作り出すのでもあった。


 同様を白菊もして、彼女は口に手を当てた。

 あまり人前では見せない、考える時の癖だった。


「あいよ。じゃあ……」


 そして文系まっしぐらのくせに語学をすべて捨て去った少女は、思いついたら伸びをして答えた。



「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」



「なんて?」

 気のない声が、悟の腹から響いた。



「だから、スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスだって。スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」


 同様の声で、少女は深い目を悟の目に、数秒の間向けていた。

 いや、別にそれが何かを聞いているわけではない。なんでそれを初手から持ってきたというところだ、言いたいのは。

 少年はそんな顔で、白菊の顔をジトリと見つめていた。


 扇風機の音がしばらくあたりを支配していた。


 少年がそうしたのは呆れからだったのか、それとも拍子抜けだったのか、白菊はどうでもいいと思いながらも考えていた。けれどまあ、出したしりとりの初めの単語についてなら、今はまだそれでいいと、満足していた。


「いやだから、それがなんだって聞いてんだよ。スーパー……。何だよそれ」


 だからそれに、彼女は残念そうにして馬鹿にしたくなった。なのにどこかそれで正解だと思っている節も感じられる。


 ゴーストクォーツのように濁った感情をしていたくせに、何だろうな。私のは。


「スーパー、カリフラジリスティック、エクスピアリ、ドーシャス。ぷりーずりぴーとあふたみー」


 だから少女は、溜息をついて教師のように、かつ尊大にしてみせるのである。


「スーパー、カリフラジリスティック、エクスピアリ、ドーシャス。オーケー?」

「スーパー、カリフラジリスティック、エクスピアリ、ドーシャス…………うん。それで、それが何なんだ?」


 ちらりと白菊は机の中に目をやった。なんだったかは自分もそこまでは覚えていなかったからだった。なんの作品が初出とかは、辞書頼りにしないと頼りがないのであった。彼女はそれでも堂々とする。


「歌ったことないの?スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」


 それに対して、たしか何かの歌のことなんだろうと悟はぼんやり考えた。かなり昔に、どこかのテレビで童謡として聞いたような記憶はある。けれどもどこのだったか、何のだったか。実在してるんだろうし、悪くはないけど、でも…………そう思ったところで少女の机の中にある物に気づき、彼は立ち上がって覗き見た。


 やべと呟いて、白菊はパタンとページを鳴らした。


「……しりとりで本読むのは禁止だろ、答え無限に出るじゃねえか」


 悪ガキの顔をして、彼女はてへへと苦笑い。


「いいじゃんちょっとくらい。ほら、私と君との仲だろ?」


 そして堂々とそれを取り出し、机の上に置いて開き直った。悟は当然、追及を緩めるようなことはしてくれなかった。彼は今度はこっちの番だと、いくらか強気になる。


「よかねーよ。テストの答えググるようなもんだろ、ルールの一つも守れんのかお前は」

「…………カンニングは、見逃す方が悪いのさ」


 ビシリ、悟は少女の額を軽く弾いた。


「カッコつけんな不正解答。バレて台無しになったら元も子もねぇよ。お?なんだ?テストでもやってたから点数駄目だったってか?」

「テストじゃやったことはないよ!」

「テストでは、な」

「…………!イカサマ一つくらいは見逃してくれてもいいじゃん。減るもんじゃないし!見逃した方が悪いし!」

「……見逃した方が悪い、ねぇ」


 背中の方に回り拳を軽く握って、悟は白菊の両こめかみにそれを当てた。それからぐりぐりと数十秒えぐってやってから、柔らかいチョップをして、一つ気づいて解放する。


「……それはさておき。次、すだから」


 負ける気はないからねと、少女は冗談の痛みをはーはーと消す。


「本当に、いつもこうだから仕方ねぇんだよなぁ……全くもう、つかむところも抜ける所もありゃしねぇ。全く」


 少年はさっきの逆の煽りをしてから、まあいいやと座り直した。



「…………スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」



 そしてこれくらいのルール違反なら見逃してくれるだろと、自分の正当性を使うのであった。白菊は想定外に「ほんとだ」と小さくつぶやいた。


 スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス。始まりも同じも、同じ文字。そういえばそうだった、なんで気づかなかったんだろう。

 なら返すものも、彼女としてはまた一つだった。


「……スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」


「お前、同じ単語は使うなよ」

「少しくらいいいじゃん。別に減るもんじゃないし」

「ああそうかいそっちがそうくるんかい。なら俺は一つズルしていいよな?」

そしてそのズルが許容されるなら、もちろんやってくるのは一つだろう。


「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」

「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」

「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」

「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」

「スーパーカリフラジリ…………」


————


 飽きるほどスーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスを繰り返したところで、下校時間の放送が聞こえてきた。時間内に終わらなかったら宿題だそうだが、そうしたところで終わるやら。


「おい、時間だぞ」


 担任がやって来たので、不毛すぎるしりとりは終了になった。こういう時だけは仲良く素早く片付けるものをそろえ、そそくさと二人は退散しようとしていた。しかし出されたものをちらと見るなり、彼は引き留め目だけが笑う。


「……待て、これ両方ともやり直しだ。1ミリも式があって無いし文章は支離滅裂。補習は……そうだな、来週の月曜日だ、お前らこの理解度じゃ単位出せねえからな?」


 ……今度は、こんなことしてるような暇があるだろうか。あってくれると助かるのだが、おそらく今の彼の顔からすれば、そうしてくれることはないに等しい気がする。

 だから二人はブンブンと、わかりましたの平伏が表現されていた。


 そうしていくらかの時間絞られたのちに、二人はそれで解散とさせられた。当然友人は一人も残ってはいなかったので、彼女らが駅まで同じ道を歩くことになるのは、至極当然のことでもあった————その中で白菊は、呟く。


「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス、か」


 本当は彼は、それがどこから来たのかを知っていたはずだった。二人で一緒に歌ったことが、何度だってあったからだった。それは初めて、家族でない異性と映画を見た時でもあった————スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス。


 望みを叶えてくれる言葉。…………望みを叶えてくれる言葉、か。


 本当にそうだ。

 少女は聞こえない程度にだけ、あえて声に出してみる。


「好きだよ」


「え?何?」


 聞き取ってくれなかったら、まだ今はそれでいいかもしれない。でもいつかは、コイツに言わなきゃ————いけないん、だろう。


「何でもねえ。耳でもイカレた?おじいちゃんになったらアタシは死ぬほど笑ってやるからね?」

「何をー!」


 次には、続けて答えてみようか。望みを叶えてくれる言葉に続けて、ちゃんとした今の自分の、『好きです』を。ちゃんと聞こえるように。


 少女は少女らしく乙女の姿をしばらくの間して、少年の手を握った。


 二人で歩ける通学路も、いつかはそれぞれの道になる。いつかはちゃんと選ばなくちゃいけない日が来る。だからこそ、今の一瞬がきっと、宝石のような思い出になるのだろう。


 ガラじゃないリップ、ガラじゃないヘアケア、ガラじゃないおとぎ話。きっといつか、背伸びしてたなぁと微笑む日が来るんだろう。

 でも今はこうして、ゆっくりこいつの隣を、歩いて居たいと、思う。


 最初からずっと初めての感情が、何なのかを知りたいから。


————


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補修を、もう一度 栄乃はる @Ailis_Ohma

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