『超重大告知！！』

柴が所属するグループがそんな動画を出していた。

あのグループが結成されてからずっと気は休まらないままだ。

動画一本投稿されるだけで、心臓がなりやまない。

『なんと、僕たち、全国規模のライブツアーをします！』

ということは、柴はこの町を出て行かなくてはいけないことになる。

町を出たら、いつ再開できるのだろうか。

もしかして、もう町を出た？

冷静に判断できるのが私の一番の長所のはずだった。

なのに、今は頭がパンクして正気を失っている。

悲しむことなんてないのに、むしろ喜ばしいことだ。

「落ち着かないと、とにかく深呼吸」

大きく息を吸う。

壊れた掃除機のような音を立てて空気が体に入ってくる。

自分の呼吸音に呆れて一旦気分が落ち着いた。

柴のことを、応援するんだ。

、、、、たとえ、自分に噓をついても。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい