第16話

「今年の文化祭実行委員長は誰がやりますか」

うちのクラスで一番終わりの見えない時間がやってきた。

このクラスは消極的な人が多いのか、

実行委員決めは三十分以内に決まったことがない。

実行委員とか、柴は積極的に参加していそうなイメージがある。

実際はどうなのか分からない上に、

そもそも学生か分からない。

「早く決めろよ~」

先生の声も少しずつしぼんでいる。

この調子だと、三か月はこのままかもしれない。

たまには係とかしてみてもいいだろう。

「先生、私やります」

「お~、次は男子だな」

何事も恐れていなさそうな柴に憧れているのか

わからないが、少しでもチャレンジしてみたいと思った。

柴、兎の男の子に会ってから少しずつ自分の中で変化

している、ような気がする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る