第4話
*
<ショッピングモール>
姉「うどんでいい?」
妹「なんでもいいよー」
姉「『なんでもいい』はだめだめな解答なのですぞ」
妹「どうして?」
姉「どうして、って言われるとどうしてだろ」
妹「……」
姉「なんていうか、妹には好きなものを食べてほしい、……から?」
妹「おおー、ねーちゃやさしー」
姉「で、何食べたい?」
妹「うどん」
姉「ほう?」
妹「ねーちゃと食べればなんでも美味しい」
姉「おー」
妹「ねーちゃもわたしと食べればなんでも美味しいでしょ?」
姉「まーね」
妹「ならよし! 入りましょう!」
ガララッ
イラッシャイマセー!
チュウモンオキマリニナリマシタラドウゾー!
姉「何にする?」
妹「なやみちゅー」
姉「そうそう、いっぱい悩みなさい。悩んでこその人生なのです」
妹「急になに」
姉「なんとなく」
妹「なやんでるねーちゃが想像できない」
姉「んやぁ、わたしだって悩み事のひとつやふたつはあるって」
妹「えー、たとえば?」
姉「成績」
妹「わるくないでしょ?」
姉「とびきり良いわけでもない」
妹「へー」
姉「ほかにもー、間食やめられないとか、それなりに運動しなきゃなのにしてないとかあるよ」
妹「いつものぐーたらのねーちゃじゃん」
姉「暇な人間には些細な悩みがいっぱいあるのだぞー」
妹「なんかわかる気がする」
姉「ふーん」
妹「……」
姉「……」
妹「……」スススッ
姉「三度目はない」ビシッ
妹「ごめんなさい」
姉「許す」
妹「ゆるされた」
姉「……でさ、何にするか決めた?」
妹「んー、んー……、ねーちゃからどうぞ?」
姉「かまたま」
妹「おー、じゃあわたしもかまたまにする」
姉「何かつける?」
妹「えびてんかしわてんさつまいもてんはんじゅくたまごてん」
姉「わかった」
妹「ついでにかきあげも」
姉「いいよー」
妹「ならもう一杯! んや、二杯食べる!」
姉「ん、いいよー」
妹「ねーちゃ、わたしそんなに食べれない」
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