AFTER 23:59

Tonny Mandalvic

AFTER 23:59

 毎日なにも面白いことなんか起きるはずもない。

 僕は北海道の最北端の街にいる。

 コンビニもねえ。

 その代わりマクドナルドは死ぬほどうまいけれどな。

 さて、今日も又ろくでもない日々が終わった。

 くそみたいな仕事も終わった。

 ふと思った。

 ホットスナックが食いたいと。

 俺は思った。

 今は23時だ。

 この街には24時間やっているまともなコンビニがねえ。

 それなので、車で2時間かけて緑色のコンビニまで行くことにした。

 往復260KMだけどな。


 え?この街にもオレンジ色のコンビニがあるじゃないかって?

 あれをあがめているのは何も知らねえ本州人だけだ。

 店内調理のもの以外、スーパーの飯と大差ねえ。

 現に住民からは緑か青のコンビニが出店すればこの街はよくなるじゃねえかって言われているしな。


 能書きはどうでもいい。

 リッター15㎞の乗用車を転がす。

 鹿が飛んでくるかもしれない。

 鹿が飛んできたら面倒だからな。


 どうせ遠回りしようが近道を行こうが大差ないため、水族館を回っていく。

 当然ながら水族館なんてやってるはずがない。


 ここから先は鹿への衝突の可能性がありますので、お気を付けください。

 電車か!


 まあいいとして、夜こんな道を走っている人間なんていやしない。

 漁港集落があるが、そんなところにだれが住んでいるのかもよくわからない。

 ともかく南へ進んでいく。

 海のほうを見ると今日は快晴なので島も見える。

 誰もいなくて自分一人しか通らない道。

 周りを見ても何もいないのである。

 何か変なものがやってきたら終わりそうなところを通過していく。


 1時間もすれば、隣町につく。

 まあ、隣町のオレンジ色のコンビニは営業終了中なので無視して、そのまま南下する。

 後1時間半ぐらいだ。

 ここまでくると、トラックなんかも結構走っていたりする。

 国道だから街灯も明るい。

 ともかく2つ街を過ぎる。

 そして最後の緑のコンビニのある街へとつく。

 街の南側に緑のコンビニがある。

 なお、この緑のコンビニが緑のコンビニ最北端ではないかもしれない。

 ともかく入ると明るくきれいな店内と、おいしそうなものがたくさんある。


 コーヒーとチキンを買って再度北上する。

 北上する際にもう一度一番北の海沿いを通ろう。




 一番北の海沿いの道には休憩できるように何か所か駐車スペースが設けられている。

 その駐車スペースに車を止め、僕はコーヒーを飲む。

 最後の道の駅の自販機で買ったコーヒーというのは禁則事項だ。


 いつもきれいな星空を眺めながら、至福の時を過ごす。

まだここから1時間近くあるんだった。

でもそんなの関係ねえけれど、明日も仕事だったんだ。

 俺は不意に現実に取り戻されて、急いで家に帰り、そのまま寝ないで仕事へ向かうこととなった。

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AFTER 23:59 Tonny Mandalvic @Tonny-August3

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