第2話
人と違うと気づいたのは中学生の頃だった。
周りのヤツらが女の子の話しやエロ本で盛り上がっているのが俺には理解できなかった。
自分が男が好きだと確信したのは忘れもしない中学二年の二学期だった。
「今井亮太です。よろしくお願いします」
始業式に転校してきた亮太を見た瞬間だ。
一目惚れだった。
とにかく顔が好みだった。
ラッキーにも隣の席になった亮太とはすぐに友達になれた。
普段はあまり喋ったり騒いだりしない寡黙な俺に亮太はなぜか懐いてくれた。
気さくで明るい亮太はみんなの人気者になり、女子からも何度も呼び出されていた。
真面目で優しい亮太はそんな女子からの告白を断わることはなかった。
「付き合ってみてから好きになるかもしれないじゃん」
亮太の考えはこうだった。
じゃあ俺が告白したらお前は俺とでも付き合ってみてくれるのか?
そんな言葉が何度も出そうになってはのみ込んでいた。
俺の気持ちは誰にも知られてはいけない。
男が男を好きだなんてバレたらどんな目にあうかなんてわかっている。
バカにされ気持ち悪がられるのがオチだ。
亮太にも気付かれないように俺は必死で亮太の親友というポジションを守らなければならないのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます