第53話 鬼隠し2(改訂版)

 たけるは鈴鹿すずか、カメラマンと車で柏木かしわぎ村へ行く。

 山野やまの家に着くと村人が集まっている。

 車から3人が降りると村人が口々に帰れという。

 たけるは言う

 「村長と話をしたい。」

村人の中から老人が出てくる

 「わしの家で話をしよう、ここは騒が

  しい。」

と言うと歩き出す。

 たけるたち3人は老人の後についていく。

 老人は家に着くと3人を招き入れる。

 そして居間で話し始める

 「鬼隠しについて聞きたいのかね。」

 「そうです。」

 「なぜ、鬼隠しと言うのかはわからん。」

 「知らないのですか。」

 「知っていることだけ話そう、この村では

  10年ごとに鬼隠しが起きる。」

 「探さないのですか。」

 「探したことはある、だが、事件が起こっ

  た。」

 「何があったのですか。」

 「20年前、村人は子供を探しに裏山に

  入った、そして何人かが百鬼夜行を見た

  のだ。」

 「それで子供は見つかったのですか。」

 「いいや、百鬼夜行を見た者は狂い死んで

  しまったのだ。」

 「分かりました。」

 「悪いことは言わん、やめておけ。」

 「いいえ、探してみます。」

 「わしの話を聞いていないのか。」

 「百鬼夜行が出たら切り捨てるまで

  です。」

たけるははっきり言う。

 その日のうちにたけるたちは裏山に入る。

 裏山は深くなく、下草も刈られ手入れされている。

 3人は山の中を歩き回るが何の手掛かりもない。

 そのまま夜になり山野家に泊まることになる。

 3人は同じ部屋に泊まり、たけると鈴鹿は同じ布団で寝る。

 鈴鹿はたけるに密着してくる、しかし隣にはカメラマンがいるので抱くことはできない。

 たけるは寝れない夜を過ごす。

 次の日、朝から裏山に入るが何の成果も得られない。

 山野家に帰ると喜久子きくこの夫が

 「明日見つからなかったら帰ってくれ。」

と言う。

 喜久子は3人に謝る。

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