第51話 因縁の相手4(改訂版)

 圭子けいこはついに、鬼の正体を現す、金色の目に額には2本の角が生えている.

 たけるは上段から切りつけるが圭子はぎりぎりでかわす。

 彼女は手刀でたけるの右腕を狙う、彼はかわしたはずだが腕に傷がつく。

 鬼の正体を現して圭子の動きは速くなっている。

 鈴鹿すずかが姿勢を低くして切りつけ、圭子の足を狙うが飛んでかわす。

 飛びあがった彼女をたけるが着地の瞬間を狙って袈裟切りにする。

 圭子は左腕でかばい、左腕を切り落とされる。

 切り口から体液を吸われ干からびていき、激痛が走る。

 圭子は痛みに耐え、この場から逃げることを考える。

 しかし、たけると鈴鹿が連携をとり、逃げ出す隙が無い。

 圭子はたけるが言葉が通じない相手であることは知っている。

 彼女は鈴鹿を利用できないか考える。

 圭子は鈴鹿に言う

 「あなたたけるが欲しいのでしょ。」

鈴鹿は答えない

 「たけるから鬼切の刀を取り上げない。」

鈴鹿は圭子の言葉を無視して切りかかる。

 圭子は左足の太ももを深く切られる。

 そして、たけるが横なぎに彼女を切りつける。

 圭子はあおむけに倒れて刀を避ける。そこへ鈴鹿が大通連を彼女の腹にさし地面に縫い付ける。

 たけるが圭子の心臓を狙って刀を刺す。

 鬼切の刀は、圭子の血を吸うように赤色に染まる、そして圭子は干からびミイラのようになる。

 たけるは刀を抜くと首を落とす。

 彼は気持ちを静めて刀を鞘に納める。

 刀は虚空へ沈んでゆく。

 しかし、たけるの心は鬼への憎しみで満たされている。

 彼はもがき、憎しみの沼から這い出そうとする。

 そして這い出ると、鈴鹿が抱き着いている。

 たけるは、圭子を倒しホッとする。

 彼は捜査本部から圭子を殺したことについて追及される

 「どうして殺してしまったんだ、手足を

  切り落として引き渡す約束だった

  だろ。」

 「そんな余裕はありませんでした。」

 「何とかならなかったのか。」

 「そちらも忠告を受け入れてくれません

  でしたが。」

 「逃がすわけにはいかなかったのだ。」

 「その通りです、殺す気でかからなければ

  逃げられていたでしょう。」

 「そんなに危なかったのか。」

 「はい、一歩間違えれば、一般人に被害が

  出ていたでしょう。」

たけるは言い切る。

 捜査本部はこれ以上追求しなかった。

 たけると鈴鹿は悪路王からの因縁の相手と決着をつけることができた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る