第44話 御神3(改訂版)

 大輔だいすけが車を運転し、九鬼くき家に着くころには夜になっている。

 彼は家に着き異変を感じる

 「おかしいです家に灯りがありません。」

たけるは大輔に

 「私が先に入ります。」

と言う、

 大輔、たける、鈴鹿すずか、カメラマンの4人は車を降りる。

 たけるは玄関の引き戸を開ける。

 真っ暗で中は見えないが血の匂いがしてくる。

 大輔は灯りを点ける。

 廊下に人が倒れているのが見える。

 大輔が走り出そうとするがたけるが止める。

 鬼の気配を感じるのだ。

 たけるは大輔に

 「俺の後について来てください。」

と言う。

 彼の血はすでに騒ぎ出している、早く刀を出して、その刀に鬼の血を与えろと・・・

 そして、呪われた鬼切の刀の名を心の中でつぶやく

 「来い、羽左衛門ノ贄ノ夜叉」

虚空から護符に包まれた鞘に収まった刀が虚空から浮かびあがる。

 たけるが刀を手に取ると電気が走るようにしびれる。

 刀を鞘から抜き払うと、鬼への憎しみで心が満たされる。

 大輔は廊下の灯りを点け、たけるを御神の間へ案内する。

 行く途中、大輔の家族や使用人が惨殺され血の海に沈んでいる。

 大輔は自分の決断の結果に震えがくる。

 彼は決断に後悔はしていない、しかし、その代償は大きすぎる。

 そして、4人は御神の間にたどり着く、木製の扉は開いている。

 廊下には大輔の両親、妻、子供、孫の首が並べられている。

 「うあぁぁ」

大輔は堪え切れす、叫びだす

 「はっははは」

乾いた笑い声が御神の間の中から聞こえてくる。

 青年が出てくる。

 その額には2本の角が生えている。

 御神は言う

 「大輔、約定を破った代償だ、お前も仲間

  に加えてやろう。」

 「やはり、あなたね。」

鈴鹿が声をかける

 「ふん、鈴鹿か人を食わない変わり者め、

  お前も殺してやろう。」

たけるが御神を睨みつける

 「お前が助っ人だな、威圧するつもりか

  面白い。」

御神は自身の力に自信があるのか余裕を見せつけている。

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