第24話 鬼食い2(改訂版)
既にあたりは暗くなってきている。
行き先には妙齢の女が立っている。
たけるの血が騒ぐ、早く刀を出して、その刀に血を吸わせろと・・・
血は女が鬼であることを教えている。
彼は心に呪われた鬼切りの刀の名をつぶやく
「来い、羽左衛門ノ贄ノ夜叉」
虚空から護符に包まれた鞘に収まった刀が虚空から浮かびあがる。
彼が刀を手に取り、抜き祓うと、心の中が鬼への憎しみで満たされる。
女はたけるに話しかける
「前は親切にしていただいたのに今日は刀
を抜くのですか。」
たけるには見覚えのない女である
「お前は誰だ。」
「
「やはり、生きていたのか。」
「はい、鬼を食べて暮らしています。」
「何の用だ。」
「逢神さんに用はありません、横にいる
鈴鹿さんにやぶようがあります。」
「鈴鹿を食べるつもりか。」
「はい、逢神さんも付きまとわれて迷惑し
ているでしょ、だから黙って見ていてく
ださい。」
「黙れ、鬼は切る。」
「鈴鹿は切らないのに、それとも惚れてる
の。」
たけるは問答無用で切りかかる、しかし圭子は
「遅いわよ、それでは刀は届かないわ。」
彼は圭子に切りかかり続けるが全てかわされてしまう
「もういいわ、死になさい。」
圭子はたけるの刀をかわすと手刀で両腕を切り落とし、すれ違いざま左足を切り落とす。
彼は地面に転がり、動けなくなる。
鈴鹿は怒り鬼の形相に変わる、金色の瞳が輝き額から2本の角が生える。
虚空から大通連を抜くと神速で圭子に迫り、袈裟切りにする。
圭子は後ろに飛んでかわそうとするがかわし切れず、浅く切られる。
傷口の回復が遅い、いつもなら瞬時に傷が塞がるがゆっくり傷が塞がっていく。
鈴鹿も驚く、大通連で切れば鬼の傷口は塞がらないのに、恵子の場合、傷が塞がっていく。
圭子も鬼の本性を見せる、金色の瞳が輝き額から2本の角が生える。
鈴鹿は再び神速で圭子に迫り、大通連を振るう。
圭子はかわしながら、手刀で鈴鹿を狙うがかわされる。
今度は圭子が鈴鹿に迫り、手刀を振るうがかわされ、すれ違いざまに鈴鹿が右足の膝で脇腹に蹴りを入れる。
圭子は一瞬うずくまるがそのまま逃走する。
鈴鹿は追いかけることが出来ない、たけるの出血がひどいのだ。
たけるは意識が
鈴鹿は自分の手のひらを切り流れ出る血を口に含む。
そして、たけるに口づけをしてたけるに鈴鹿の血を飲ませる。
彼の体内では劇的な変化が起きる、その激しさに体は
鈴鹿は
「耐えて。」
と言い、鈴鹿後にたけるが順応するのを願う。
しばらくすると痙攣は治まり、呼吸も整う。
鈴鹿はたけるの切られた両腕と左足を傷口に合わせる。
傷口を合わせられた腕と足は、元通りに付き、傷も消えている。
鈴鹿はたけるを膝枕して回復を待つ。
赤頭圭子は逃走後、人気のない夜道を歩いている。
突然、男が襲い掛かってきて脇道に引きずりこまれる。
だが、この瞬間、男の立場は逆転する。
圭子は男を組み伏せると鬼の正体を出し、男の肩に齧りつく
「いてー」
男は叫び声をあげる、その声は圭子の食欲を旺盛にさせる
「悪かった、やめてくれ。」
男は命乞いをするが届くことはない。
圭子は腹を裂き内蔵を引きずる出し食べ始める
男は生きながら食われていく。
圭子はうまいと感じる。
路地裏には肉を咀嚼し、骨をかみ砕く音が響く。
圭子が男を平らげるのにさほど時間はかからない。
この時、圭子は人間の味を知る。
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