本当は、君のこと好きじゃない。

エリー.ファー

本当は、君のこと好きじゃない。

 僕は君のことが好きじゃないです。

 本当に好きじゃないです。

 ごめんなさい。

 君が、どうなろうと知ったことではないです。

 好きじゃないです。

 セックスをしましたね。

 気持ち良かったです。

 体の相性が良い方だと思います。

 だから。

 定期的にセックスしたい人であって。

 好きな人じゃないです。

 君だって知っていることです。それを口にしているだけです。

 何度も言います。

 僕は君のことが好きじゃないです。

 君のために努力したくないです。

 君がたくさん努力しても、好きにはなりません。

 君が僕のことを好きだと気づいてます。

 僕は君とセックスしやすそうだと思ってちかづきました。

 すごく、簡単にセックスができました。

 楽な女だと思いました。

 君は。

 コスパのいい女でした。

 君にとって僕が特別でも、僕にとって君は特別ではないです。

 君が、僕の特別になる日は来ません。

 君の人生に、僕がいますよね。

 でも。

 僕の人生に、君はいません。

 女がいます。

 僕の目の前には、女が一人います。

 セックスの上手い女がいます。

 料理の上手い女がいます。

 僕の好きなものをよく知っている女がいます。

 僕は。

 その女のことが、そんなに好きじゃないです。

 僕は、君の何となく追い込まれるように恋愛をする姿が嫌いです。

 何かに恐怖するように僕に好かれようとする君が嫌いです。

 というか、気持ち悪いです。

 何を避けるために恋愛をしているんですか。

 そうやって、恋愛をしてきたんですか。

 ずっと、ですか。

 今まで、ぜんぶそうだったんですか。

 僕は。

 そういう女が嫌いです。

 同じ歩幅で歩けません。

 いや。

 同じ歩幅で歩きたくないです。

 何も知らない人たちの前で君を彼女だと紹介することはできても。

 仲良くしたい人たちの前で君を彼女だと紹介することはできません。

 迷惑です。

 僕と君は違う人種です。

 見せびらかしたい時だけ来てください。

 セックスとお腹が空いた時だけ、家に来て色々やってください。

 それでいいですよね。

 はい、そうです。

 分かって言ってます。

 そういうのが我慢できなくなったから、こういう話になったんですもんね。

 分かってます。

 僕は君が好きじゃないです。

 僕は。

 キスがしたいわけじゃないんです。

 セフレが欲しいわけじゃないんです。

 フェラの上手い女が欲しいわけじゃないんです。

 他の人には見せない顔を見せてくれる女が欲しいわけじゃないんです。

 こっちの交友関係を探らずにいつも待っててくれる女が欲しいわけじゃないんです。

 男という生き物が、どれだけ馬鹿で、どれだけ浅はかで、どれだけ繊細か分かってくれる女が欲しいわけじゃないんです。

 指示しなくても良いタイミングでエロい下着をつけてくる女が欲しいわけじゃないんです。

 大抵のプレイにはちょっと嫌がってからのってくるタイプの女が欲しいわけじゃないんです。

 何かあった時はちょっと嫉妬してくるけど深くは入りこんでこないで我慢できる女が欲しいわけじゃないんです。

 言うことを聞く女が欲しいわけじゃないんです。

 物分かりの良い女が欲しいわけじゃないんです。



 僕は。

 帰り道に手を繋ぎたくなる人が欲しかったんです。



 さようなら。

 それは、君じゃないです。

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本当は、君のこと好きじゃない。 エリー.ファー @eri-far-

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