第38話 エクスカリバー、復活。
「......抜刀、した」
抜刀自体は、村を出て以来。しかし、ここまでちゃんと抜刀が持続しているのは、それこそ前のプレセアのグラビアで手入れしたときじゃないか。
ついさっき、不能になってしまったと絶望していた手前、恥ずかしいが、やはり男としては嬉しい。
しかし、なんで抜刀したんだ。今の今まで、すんとも言わなかったくせに。あのプレセアが触手に犯されている光景は、俺のトラウマをも上回る、とんでもないエロさだからか。
......いや、違う。
今までと状況が違うのは、今プレセアは、マジでスライムに襲われているってことだ。
美人局をやってるようなクソ女が、魔物に襲われている光景は、エロいと同時に、俺の中で眠っているざまぁ心を呼び起こしているのではないか?
ざまぁしている時は、嫌なことなどすべて忘れられたものだ。結果、プレセアのエロさだけを純粋に楽しめているとしたら、この抜刀の説明もつくのではないか。
俺は、慌ててステータスを開き、上昇していないか確認した。
......変化はない。勘違い、だろうか?
失望とともに顔を上げると、スライムでドロドロになったプレセアが、俺のいきり勃ったエクスカリバーを見つめていた。瞳孔がキュッと細まり、ふしゃーっと俺に向けて牙を剥き出しにして威嚇する。
「ちょっとあんた! どうせ女の裸もロクに見たことない童貞なんでしょうけど、人が魔物に襲われてるところ見て勃○するとかどんだけ変態なのよ! あんたみたいなしみったれた貧乏人が勃○したところで使い道なくて無駄なんだから、とっとと収めなさいよ!!」
「............」
怒りよりも先に呆れてしまった。お前、美人局仕掛けてんだろ? さっきは人前だったとの言い訳が通用するが、今回は二人っきりなんだぞ。
しかし、美人局を仕掛けてほしい俺としては、怒るわけにもいかない。
「あ、ごめん、今すぐ助けるからな!」
心にも思っていないことを叫びながら、俺は地面に刺さった剣を両手で引き抜いた。だが、そこからどうしていいのかわからない。
スライムたちは、すでに自らの身体を投げ打って、プレセアに絡みついている。
核ごとプレセアに絡みにいっているわけだから、スライムの核を切ろうとすれば、プレセアの身体も同時に傷つけてしまう。
見た目のエロさばかりに気を取られてしまうが、冷静に考えれば、完璧に人質を取られてしまったわけだ。
スライムはこのまま、プレセアの服を器用に脱がせ、裸にしたところでそのままじわじわ消化していくつもりだろう。事実、こうしているうちにも、プレセアはスルスルと服を脱がされている。普通に絶体絶命の大ピンチだ。
......しかし、エロいな。
久々にエロいものをエロいと感じることができたので、やっぱりもう少し見ておいてやろうかと思ったが、プレセアの殺気を感じ、仕方なく動く。
「と、とりあえず、まずは核を掴んで壊すから!」
原始的な方法だが、効果的だ。プレセアを傷つけることもない。
俺は、スライムの中の一匹、プレセアの白く細いお腹に巻きついているスライムに狙いを定めた。
ぬるぬると動くスライムの中に、キラリと輝く核が見えた。俺はゆっくりゆっくり近づくと、勢いよく核に飛びついた。
「ひゃぁっ!?!?」
スライムの核は、つるりと俺の手の中から抜けた。結果、プレセアの細いお腹を、がっしりとつかんでしまった。
「ちょっと! なに触ってんのよ変態!」
「いや、仕方ないんだって! スライムの核、掴みにくいから!」
「そんなこと言って、私のお腹触りたくって仕方なかったんでしょ!! これだから童貞は嫌なのよ!!」
「ちょ、おい、暴れるな!!」
プレセアが暴れたせいで、核はつるんと滑ってどっかに行ってしまった。プレセアを押さえつけて大人しくさせようとしたが、プレセアは「いやぁ、犯される!!」とさらに激しく暴れる。
「ごふっ!?!?!?!?」
腹に激痛。見ると、プレセアの靴の尖ったヒールが、俺の腹に深々と突き刺さっていた。
......こ、こいつ、敵には一発も当てられなかったくせに、俺にはクリティカルヒットかよ。
スライムの突撃よりも強烈な一撃に、身体の力が抜けていく。
両手をついてなんとか倒れこむのを耐えたところで、涙目のプレセアと目があった。
「気持ち悪い!! 私に中の下以下の顔近づけないで!! 嫌悪感で死ぬ!!」
「............グフッ」
怒ろうにも、マジで入ってしまってるから無理だ。
転がって脱出しようとした時には、脚が重く、見れば、スライムの触手がぐるぐると俺の脚に巻き付いていた。
そしてその触手は俺のズボンに手をかけると、その触手をさらに分裂させて、俺のベルトを器用に外してみせる。
そのままスライムは、パンツごと俺のズボンを勢いよく脱がした。エクスカリバーがぶるんと音を立てて飛び出したところで、膝がつるんと滑った。
俺はすんでのところで顔をそらし、なんとかプレセアとのキスを避ける形で、プレセアにのしかかった。
「お゙ほっ!?!?」
結果、俺のエクスカリバーは、プレセアの太ももにズッポリと挟まってしまったのだった。
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