第2章 7歳の改革
第1話 誕生日会
「「「「フィーネ、誕生日おめでとう!!」」」」
「ありがとうございます。お父様、お兄様たち、お姉様たち。」
私の誕生日は盛大に行われた。
「フィーネ、何か欲しいものはあるか?」
「そうですね。お父様がどんな仕事をしてるか見てみたいです!」
私は予定通りそう答えた。
「そうかそうか。じゃあ、フィーネを領主補佐ということにして、私の仕事振りを見てもらおうかな。」
そうお父様が予定通り返す。
「よかったな、フィーネ。」
「はい!ガンフ兄様!」
私は、子供らしく満面の笑顔をガンフ兄様に見せる。
「これは、僕たちからのプレゼントだよ。」
そう言って、サム兄様が、デフォルメされたフェンリルのぬいぐるみを渡してくれた。
「ありがとうございます。大切にしますね。」
そう言って私はフェンリルのぬいぐるみをギュッと抱き締めた。
「というわけで、お父様には私の誕生日プレゼントの一環で領主補佐に任命してもらいます。この方法ならサム兄様に気づかれず、私がお父様と各地を回ることができます。」
「なるほどなぁ。」
私は、私の誕生日を使って自然な形で領主補佐の立場を受け取るかの作戦を伝える。7歳の子供なら「お父様のお仕事見てみたい!」「はっはっは、いいだろう。」のコンボを決めても不自然にならないと踏んだからだ。
「俺たちは――――――。」
「普通に誕生日を祝ってください。その方が、お父様のプレゼントを誤魔化せますから。」
「なにか特別なことは――――――。」
「普通の特別でお願いします。当日何が貰えるか楽しみにしてます。」
「……わかった。」
お兄様たちはなにか特別なことをしてくれようとしていたみたいだけど、予定を変えて不振がられるのは困るので、予定通りにしてもらうことにした。
そして、私の誕生日当日、打ち合わせ通り私が領主補佐となった。
「にゅふふふ。」
私はフェンリルのぬいぐるみを抱きながらパーティ会場の食堂に向かった。ぬいぐるみは普通に嬉しかったので抱いたままだ。
食堂ではミリィ料理長の作ってくれたケーキがあったり、エリザやリンをはじめとしたスタッフからもプレゼントを貰ったり、楽しい誕生日会になった。
内政チートな男爵令嬢の成り上がり 中城セイ @Sei_N
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