姫は恋愛がしたい

興梠司

第1話

「姫様、姫様」

「・・・・・」


最近の姫は上の空で呼んでも返事をしてくれない。爺が掴んだ情報では

姫様は恋をしているという、当城において恋愛はご法燈、恋愛がバレたら首を

切られるというほどの恋愛禁止。その姫が恋愛しているのは城下町に住む

靴職人、その靴職人は既婚者である。爺としては姫様の恋愛を応援することはできない。 相手が独身であればまだ、応援はできるが既婚者となったら切腹もいいところ

になってくる、世話係の爺までも犯罪者扱いになってくるので爺はなんとか恋愛をやめさせたい。 爺は靴屋に乗り込もうともしたがそれも違う気がして、こそこそと

姫を見守っている。


「爺や、城下にいくぞ」

「今日はおやめになったほうが」

「なにぞや」

「今日は父上様が」

「あー、わかった」

父上様は城下町が大嫌いで城下町のことを蛾同然と考えている。

父上がいるときは城下町にはおりないというルールがある

靴職人に会えない姫は今日は上の空ということ

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