第28話 神が聖騎士に見せる夢
よう、お嬢ちゃん。お久しぶり。
こうやって話すのは何年振りかな?
六年振りか。
いや~、月日が経つって凄いね。
あのお転婆娘がこんな美人になるとは思わなかったよ。
取り敢えず、元気そうで安心した。
どうだい?
ちょっとは帝都での暮らしに慣れたかい?
まだ慣れない!?
まあ、諦めろ。
聖騎士になった以上、もはや普通の村娘には戻れないさ。
そういえば、この前の戦争でも大活躍だったじゃないか。
人殺しにはまだ慣れない?
いやいや、それは斬り捨てるのは慣れていないだけで、魔法でならもう慣れただろ?
――――お!? おわっ!?
危ないなぁ。
そんな危ない魔法をぶつけるな。
人間だったら死んでるぞ。
あ~~、もう、そんなに簡単に拗ねるなよ。
面倒くさいなぁ。
人殺しは嫌?
分からないでもない。
だけどよ、もう遅いだろ~う。
アキラメロン。
俺より偉い神様が、お前を――エスメラルダ・パラ・エストラーダを選んだんだ。
悪いことばかりじゃないだろ?
お前が欲しがっていた魔獣や界獣を倒す力は手に入れたじゃないか。
手に入れたのは、ただの偶然?
馬鹿を言うな。
俺も大神様もそんな節穴じゃない。
お前の前世での善行に報いただけの話しだ。
卑下し過ぎると、こっちの気分が悪くなるぞ。
さて、君へのカウンセリングもどきはもう終わりにして。
本題に入ろうか。
そんなに嫌そうな顔するなよ。
傷つくなぁ。
だいたい、俺が用もないのに君を呼び出すわけ無いでしょ?
では、君に助言を与えよう。
ここから先は一字一句、聞き逃すな。
もうすぐ神々のチェスが再開される。
そう。その通り。
我らとこの世界を造りし大神様と、別世界の旧神との
近々、旧神の次の一手として界獣が一匹、お前たちの近くに現れる。
それを必ずや討ち滅ぼせ。
大事な家族、大好きな故郷、愛する祖国のために。
お前の仲間と、お前が出会う新しい仲間たちと共に討ち滅ぼせ。
新しい仲間は誰かって?
いや~、それは言えないわ。
言っちゃうと面白くないもん。
え? 私は面白くない?
うっるせい!
俺が面白きゃ良いんだよ!!
じゃあね、エスメラルダ。
死なないように頑張ってねぇ~~~!!
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